AQUARIUMと愛のうたをめぐる冒険

AQUARIUMと愛のうたをめぐる冒険

十六夜まよ(@daimarco16)がおんがくを考えるところです

紅白の キセキの調べ 愛のうた

皆様こんばんは。十六夜まよです。

 

4月24日の発売に先駆けて、ついに!いよいよ!全世界黒澤姉妹推しファン待望のラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期Blue-ray第5巻購入特典撮り下ろしAqoursオリジナルソングCD」より、黒澤ルビィ黒澤ダイヤがそれぞれ歌うソロ曲の試聴動画が公開されましたね。

この記事を読んでいる方で、「まだ聴いてないよ」という方がいるとは思えませんが、念の為まずはリンクを置いておきます。

www.youtube.com

今回は、この試聴動画から

RED GEM WINK Sounded by 黒澤ルビィ

そして

WHITE FIRST LOVE Sounded by 黒澤ダイヤ

この2曲について思うところをひたすらに語っていこうと思います。

歌詞、キャストによる歌唱、メロディ等の音楽的要素などなど……多方面から総合的に分析・考察をしていこうと思いますので、お付き合い頂けると嬉しいです。

 

注)歌詞は下線と斜体で引用とします。(音源からの耳コピであるため、正式版とは異なる可能性が多々あります。ご了承ください。)

 

 

 

●RED GEM

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まずはルビィソロ曲である、「RED GEM WINKについて考えていきます。

作詞は言わずもがな畑亜貴さん、そして作編曲が高田暁さん。

高田さんといえば、言わずと知れたμ'sの僕らのLIVE 君とのLIFEから編曲としてラブライブ!の楽曲に携わり、MOMENT RINGの作編曲を行った、ラブライブ!曲の父と呼んでも過言ではない人物です。

Aqours曲でもStep! ZERO to ONE」「Pops heartで踊るんだもん!」を手がけ、CYaRon!の「元気全開DAY!DAY!DAY!」も彼の作曲です。

まず私の目に飛び込んできた、そんな高田さんの名前。

勿論誰が作曲していてもどの曲だって素敵で素晴らしく、よく考えられたものが飛び出してきていますが、この人がルビィの曲を作ってくれたか……!と感動すら覚えました。

 

そしてタイトルの文字列です。

「RED GEM」はそのまま紅玉=ルビー、と読んで問題ないと思います。

古来よりその燃えるような紅色から「情熱」「愛の炎」「生命力」等の象徴とされてきた貴石は、その名を宿す少女にも同じエネルギーを与えます。

そしてWINK。女の子らしい、ストレートな親愛の表現であり、また、アイドルの象徴でもあります。

名前に冠した貴石の名と、アイドルに必要不可欠なアクションを並べた愛のうた。

 

タイトルと、作編曲の名前だけでこんなにも感動し、胸が熱くなる経験は初めてでした。

 

それでは、いよいよ曲の中身へと入っていきましょう……!

 

 

●90年代正統派アイドルソング

まず曲が始まった瞬間感じるのは、爽やかな青空と優しい陽射し、そして暖かな潮風でした。

松田聖子さんの曲のような、眩しくて優しい、明るい風景が見えてくるのですが、今回のソロ曲は2曲ともその「景色」がハッキリと見える構造になっているように思えます。

調性は変ロ長調。「ゆったりした感じ、柔和な輝かしさ」と言われる調となっており、この曲の持つ爽やかで明るくも、どこかのんびりしたイメージを強調しているようです。

「アイドル」に対して強い憧れを持つルビィの、その想いが詰まったソロ曲は、正統派の中でもど真ん中のアイドル像をぶち抜いていく超王道と言って良い曲となっています。

 

●「夏」と「恋心」、そして「ウィンク」

Aメロはピアノの優しい伴奏と共に進行します。

聞かせてよ アナタの夏のプランを
どこか行くなら 誘って

ここで明確に「夏」という単語が出てきており、プランを聞かせてというあたり、初夏あたりの雰囲気を感じます。

ベースの音とドラムが雰囲気を盛り上げ、メロディリピート。

練習したの さあ声かけなきゃ
こんなやりとり 無理よ焦るわ

「誘って」という声をかけたい相手が居ながら、それを言い出せない、焦れったい愛のうたのようですね。

王道アイドルポップの例に漏れず、少しだけテンションが抑えめになるBメロ。

(Ah) 想像だけは (my summer time)
大胆な私(whisper me)
見てるだけでは (Ah) 始まらないと
わかってるけど 後1歩 勇気 ください

想像の中には大胆に、勇気を持って行動できる自分がいるのに、「あと1歩」が踏み出せない、迷う心がちょっぴり切ないメロディに載せられています。

コーラスの「whisper me」が半音だけ上がる動きをしていたり、「始まらないと」と「わかってるけど」で徐々に盛り上がる上昇音階はサビへの期待感を一気に膨らませます。静かな中に秘める想いが、音に乗って溢れそうになるこの表現は恋の歌として非常に魅力的で胸を打つものであると思います!

Love 胸に キラキラ光ってる
恋に憧れる 抑えきれない 熱い Sun Love
それは アナタのせいだと 思ってるのよ
気がついて欲しいのに ああまた言えない

その流れからのサビ。降幡さんルビィの声が、サビの高音部に入ってもブレずにキープされており、「Awaken the power」の時にも感じた彼女のスキルアップが確実に出ています。

「胸にキラキラ光る抑えきれない熱いSun Love」、これは情熱の石ルビーとかけた表現であり、同時に彼女の持つ「恋心」へのアンサーとなっているように感じられます。(後述します)

 

一通り聴いてのイメージは「夏」「青空」「積極性」そして「秘めた情熱」といったところでしょうか。

1歩が踏み出せない、と歌ってはいますが、この曲の本質は「積極的に恋へ飛び込みたい心」そして、「誘惑」あたりに結びついていくのでは、と私は感じています。

「あと1歩」があれば練習の通りに「アナタ」へ声をかけ、想像通りの大胆な自分の姿で接することができる……。そんな乙女の焦れったさは、きっと相手にも伝わる気持ちのはずです。

 

そして、試聴の範囲ではWINK」や、それに準ずる単語が歌詞中に出てきません

彼女が勇気を持って「1歩」を踏み出せるその時、「アナタ」に気づいてもらうために取る行動は、きっと情熱の篭った愛の目配せ。

ウィンクひとつが、この夏を変えるのかも……なんて思ってしまいます。

 

 

 

WHITE LOVE

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次はダイヤのソロ曲「WHITE FIRST LOVE」を見ていきましょう。

こちらも当然、作詞は畑亜貴さん、そして作編曲は渡辺拓也さんです。

渡辺さんと言えば、直近だとAqoursHAPPY PARTY TRAINの作曲者ということで聞き覚えのある名前だと思います。

決めたよHand in Handでも発揮した、明るいポップな曲調がHAPPY PARTY TRAINでも活きていましたが、今回は少し毛色の違う作品となっていますね。

ラブライブ!プロジェクトの中では新進気鋭、といった位置づけの彼の登用は、最初期から関わる高田さんのルビィソロとの対比と見ることができるでしょう。

 

タイトルの「WHITE FIRST LOVE」についても、ルビィの「RED GEM WINK完全に対になる名前となっています。

「WHITE」白・純白という色については「純潔」「原初の完全さ」を意味し、「最も高貴な色」とされることも多いです。

そして無垢透明という色・輝きは、彼女の名に冠された「ダイヤモンド」のそれであると言うことができます。

「FIRST LOVE」「初恋」と読み取ることができると同時に、「FIRST」という単語の持つ「初め」というニュアンスには、原初の輝きを放つ彼女の貴い名と、黒澤家長女である先達性も込められているように感じます。

 

ここからも主題に込められた多くの意味を読み取ることができ、曲に入る前から胸と目頭が熱くなっておりました。

それではこちらも、曲の中身を見ていきましょう……!

 

 

●小宮有紗が「演じる」黒澤ダイヤ

冒頭、サビフレーズからスタートするこの曲ですが、まず受けた印象は「小宮さん、本当に上手い」でした。(実際はこんな冷静な思考状態ではなかったことを報告しておきます)

開始1小節でオクターブの範囲で音が上がり、その上下も激しく、その後にはさらに上の音も控えています。

それを叫ぶことなく、ピンと張り詰めたピアニッシモ(pp=とても弱い)の音量で歌いこなす彼女の発声は、私の知る小宮有紗とは別人と言えるレベルのものでした。

上品で丁寧かつ、伸ばすべきところは情感豊かに響かせる。黒澤ダイヤが本気で歌った時にこうなるであろう、という極上の歌声だと感じます。

そもそも彼女の歌唱スキルについて、初期ではAqours9人の中でもさほど高くない部類であると私は考えていました。

音程が悪いとか言葉が不明瞭ということはないのですが、生来の生真面目さが祟ってか、表現が硬く面白みに欠けると思っていたことがあり、それはある意味彼女の演じる黒澤ダイヤらしい、とも取れる雰囲気ではあったのですが……。

「GALAXY HidE and SeeK」の冒頭ソロを経て、明確な変化を私が感じたのはアニメ2期第4話EDの勇気はどこに?君の胸に!のダイヤソロの時でした。

表現の硬さが抜け、音の動きが活き活きしてきており、鼻に抜けるような発声の癖もマイルドになっているように感じ、「これはすごく練習したのだな」と感動した記憶があります。

そして今回。私のその経験を踏まえてなお、この曲を最初に聴いた時に「別人だ」と感じたのです。要するにめちゃくちゃ上手くなっています。とんでもないくらいフレーズが大切に処理されていて、発声に無理が無いのです。

 

そして、ここからが本当に彼女のすごいところなのですが……

 私は以前、小宮さんの歌い方についてこのように印象を述べていました。

これについては今も変わらずそう思っていて、彼女が女優であるが故に、1人の人物を演じるにあたって本気で役と向き合っている結果だと思うのですが、この2種類のニュアンスの違い、伝わるでしょうか。

前者は一般的な声優さんのアプローチで、これも十分にすごいことなのですが、「歌声」って「地声」と結構違うものだと思うんですよね。

普段低めの声の人が、歌になるとキレイなハイトーンを張れたり、逆にキンキンの声質の人が歌う時にはしっとりした響きを持たせられたりと、「人物の地声」と「歌声」は関係しながらも少しだけ別のものである、というのが私の持論です。

彼女は、黒澤ダイヤという人物を自身の中に吸収することで、黒澤ダイヤとして歌う」に留まらず、「歌う黒澤ダイヤの声」を「演じる」ことができるようになっているのではないか、と私は考えています。

これは自身にルビィを投影し再現する、といった降幡さんとは真逆の方法(当然ながら降幡さんはその純度が桁違いに高いので彼女も本当にすごいです)、どちらかというと彼女にしかできない手法であるように感じているのですが、やはりそこは女優としての彼女の役との向き合い方からくるものだと思います。

このアプローチが以前は歌そのものに慣れていなかったことも含めなかなかダイヤと噛み合わず、表現力が十分に発揮できない状態だったのではないかと思うのです。

そして今、スキルアップと共にダイヤへの理解も深まり、いよいよその芽が花開こうとしている、そんなタイミングなのだと感じました。

以上、だいぶダラダラと持論を語りましたが、小宮有紗さんが他の声優さんとは一線を画す方法で、素晴らしい伸び幅でもってダイヤのソロを歌いこなしてくれている、非常にレベルの高いことをしているのだということが伝われば私は満足です……!

 

 

和楽器とともに奏でる「冬」と「恋心」、そして「夜」

話が逸れましたが、曲が始まるとまずサビフレーズが飛び込んできます。

想いが届かないって悩むのは 苦しいだけでしょう?
誰にも言えなくって アナタへと 心が揺れる夜 恋が始まるの

切ないピアノの伴奏と掻き鳴らされるギターをバックに、前述したとんでもない精度の、張り詰めるような丁寧な表現で曲が始まります。

キーワードとして、「夜」が出てきており、ポツポツと鳴らされるピアノのメロディとタイトルの「WHITE」から、雪が舞い降りる、寂しげで孤独な冬の夜が想起されます。

そして明確に歌われる「恋」という単語。こちらも心と身を焦がす、愛のうたなのですね……。

調性は恐らく嬰ハ短調で、暗めの表現が主体とされる調です。

悲愴感や皮肉、といった意味が込められることが多く、恋い焦がれる心をただただ耐え忍ぶこの曲のイメージには合っているのではないでしょうか。

 

冒頭のサビが終わるとイントロが盛り上がり、ストリングスが重ねられていきます。

答えはいつだって 正しく見つかると
思っていたけれど 例外もあるのね

しっとりと始まるAメロ、「答え」「正しさ」と繋がるのは、人の心が関与しない理屈や理論の中でだけ。

恋を知った彼女は、その苦しみの中で「例外」の存在を知ります。

そして、この「例外もあるのね」の気づきを得たその時から、伴奏に和楽器が加わっていきます

ポロンポロンと下降音階を奏でるは和琴の音色。ダイヤの代名詞とも言える「和」の要素が、ここにきてついに本領を発揮します。

白さが物足りない 曖昧な状態で
手がかり探すなんて 途方に暮れるわ

「白さが物足りない」というのは前フレーズの「正しさ」と繋がるのでしょうか。白黒がはっきりできる明確さに欠け、曖昧であるもどかしさを知り、少女の心が上げる悲鳴を代弁するかのように琴が再びその美しい音色を奏でるのです。

言葉一つで希望を持ったり 勝手に絶望してみたり
持て余す熱さが(怖い)

Bメロは非常にアツく、情熱的に心情を吐露する様子で歌われます。

「希望」「絶望」というギャップのある言葉が表現にアップダウンの起伏を持たせ、それに一喜一憂する胸の奥の熱さ。「秘めた情熱」がここにも登場しました。

想いが届かないって悩むのは 苦しいだけでしょう?
誰にも言えなくって アナタへと 心が揺れる夜 恋が始まるの

サビに入り、歌詞自体は冒頭と同じですが、その熱量が全く違います。

Bメロで歌った「持て余す熱さ」のままの勢いでサビに突入するため、舞い落ちる雪のイメージだったピアノがストリングスの勢いに押されて吹雪のような印象になります。

そしてここでもその弦の音に紛れるように、また時に主張しながらが伴奏に入ってきています。

この表現が本当に絶妙で、00年代に多く見られた女性シンガーのパワフルな歌声で表現される近代のポップソングのような曲調の中に、「和」の要素が混ざってきて、黒澤ダイヤの持つ「和」と「洋(というよりは現代っぽさ)」のバランス感が良い塩梅に表現されているように感じます。(「ダイヤ」という名前が純和風ではないような、そういうところです)

 

一通り聴いてのイメージは、「冬」「夜の雪」「消極性」そしてこちらも「秘めた情熱」でしたね。

とにかく自分の気持ちに蓋をし、我慢を重ね、「アナタ」へ伝えることなんて到底できない。

耐え忍びただただ「待つ」という精神性は、ある種黒澤ダイヤの専売特許と言える部分かも知れません。

そして、よりによってこれが「初恋」の苦しみとなるのです。

未だ知らぬ恋へと身を投じた夜。その夜に果たしていつ終わりが来るのか、そこに至るまでにどれだけの苦しさがあるのか、彼女には知る由もありません。

頑強なダイヤモンドの結晶構造は、物事を「自分から進んで積極的に行ない、自らの力で取り組んで最後までやり抜く力を促す」とも言われていますが、これが短調の曲に転用されたことで、より消極性が強調されるものとなっているのは、調性が示す「皮肉」が恨めしいほどに反映された結果なのかもしれません。

この苦しい恋の行方は、果たして……?フルバージョンの歌詞に期待を込めて、我々もひたすらに待つしかなさそうです。

 

 

●紅と白から始まる対比と共通項

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ここまで2曲をそれぞれ見てきて、お気づきの方も多いと思いますが、この2曲には明確な対比構造が存在します。

まずはタイトルの「RED」「WHITE」

クリエイターについても、最古参である高田さん新進気鋭の渡辺さんは全く逆の存在であると言えるでしょう。畑亜貴さんは概念なので例外です)

曲調が明るい長調暗い短調であるところから始まり、イメージされる風景は「初夏の青空」「冬の夜空」積極的な気持ち消極的な気持ち

ジャケットのイラストでもルビィが暖色なのに対し、ダイヤは寒色になっており、また、ルビィはこちらを振り返り、その先にあるもの/場所へ一緒に向かう感じが、ダイヤは手をこちらへ差し伸べ、自身のところへ寄せようとする動き逆ベクトルの動作であると感じられます。

さらには前述の通りキャラクター表現についても、降幡さん小宮さんとでアプローチが真逆で、ここも対比であると言っても良いでしょう。

勿論各自のソロ曲なのでそこに意味を求めすぎるのは良くないのですが、2人が姉妹であること、同じBDの特典曲としてセットになっていること等から擬似的にこの2曲は同一シングルの両A面タイトルであると見ることができると私は考えます。

そうであれば、テーマ性や傾向が2曲の間で関連付けられていても良いはず……というのがこの記事のスタートとなっています。

だいぶ恣意的に対比となる部分に注目してきた感は否めないですが、ざっと見ただけで、しかも試聴のショートver.だけでこれだけの要素が見つかるのであれば、フルだとどうなるのだ、と今からワクワクしてたまりません。

2曲の対になる部分を考えながら、同時に読み解いていく面白さを皆さんにも感じて貰えたなら幸いです。

 

そして、ここまで真逆のものが多く存在する中で、共通する部分があるとすれば、それはかなり重要な要素と言えるのではないでしょうか。

 

 

それは、「秘めた情熱」でしたね。

 

 

●秘めた情熱・姉妹の恋心

私のブログの熱心な読者様は、また私のことを良く知る方には、ここで私が言いたいことはもうバレバレだとは思いますが。

現実にはならない、自分たちの幻想にだけ存在する儚い夢。

"今年の夏"のようにもう二度とはやってこない……熱く、身を焦がす想い。

デュオトリオ「承」:姉妹が夢見た情熱と幻想 - AQUARIUMと愛のうたをめぐる冒険

手前味噌となってしまいますが、以前の「真夏は誰のモノ?」の記事で、黒澤姉妹が「愛のうた」を歌うことについてを考察しています。

内容を端的に言えば、この姉妹が「恋心」をテーマに曲を歌うとき、そこには魂の色である「不死鳥の情熱」が乗っかってくる、というものです。

「積極性」が歌われるルビィソロの恋心は、感情に身を任せたい本能の部分。

「消極性」が歌われるダイヤソロの恋心は、感情を律したい理性の部分として。

未だ見えぬ将来への、幻想的な憧れとしての恋心は、それぞれのソロとなった時により顕著な形として現れ、それぞれの形でその心を焦がす炎となっていくのかな、という風に感じます。

そもそも共通したテーマとして、黒澤姉妹のソロで急に「恋愛」が出てくるのが露骨すぎるのです。

なればこそ、同じ愛を歌った曲と存分に関連させ、じっくり歌詞の意味を読み取っていきたい、となるのが私の癖であり、どうにも避けられない性なのかと思います。

 

アイドルに取って、ある種避けられない「愛」というテーマ。

Aqoursの楽曲でもこれを取り扱ったものは数えるほどで、未だ未開拓な要素として残っているように感じますが、黒澤姉妹「情熱」というテーマのもとに、先んじてそこに触れている存在であるように感じます。

今後生まれる、もしくは既存のラブソングの中で、愛をうたう時に、彼女たちはどういった役割となるのか。

今回のソロ曲をきっかけに、そんな「愛のうた」に対しても新たな思考のとっかかりができれば良いなぁという期待も込めて、フルバージョンの発表が本当に楽しみですね!

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発売は、4月24日。

函館の景色をバックに映る彼女たちがジャケットを飾るこの巻の発売が、HAKODATE UNIT CARNIVALの直前、というのもまた運命的ですよね。

 

2人のソロ曲が、素敵なものとして多くの人に愛されるよう願いを込めて、この文章を〆ようと思います。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

 

紅白の キセキの調べ 愛のうた
秘めたる情熱 つひになりけり