AQUARIUMと愛のうたをめぐる冒険

AQUARIUMと愛のうたをめぐる冒険

十六夜まよ(@daimarco16)がおんがくを考えるところです

最高と言える今のために:私とμ'sの114ピース

皆様こんばんは。十六夜まよです。

 

今回はフォロワーである生春さん(@Time_mrsi)の企画である、μ's final2周年記念ブログ記事投稿に参加させて頂く形で、μ'sのことを語ろうと思います。

いつもとは少し違う主旨となり、恐らく少し読みづらく、長い文章になってしまうかと思われますが、お付き合い頂けたら幸いです。

 

 

●私とμ's

簡単にですが、私がμ'sと過ごしたこれまでを順に語っていこうと思います。

  • アニメ化前
    最初にμ'sを知った切掛は、フォロワーさんがUSTreamという映像配信サイト(今で言うツイキャス等ですね)でやっていた、アニソンカラオケ配信で歌われた「夏色えがおで1,2,Jump!」でした。
    PVも同時に流されるカラオケで、3D映像で踊る9人のキャラクター。最初はアイマスだと思っていたのですが、どうやらそういう雑誌企画で、今度アニメにもなるらしい。その程度の認識でした。
    最近の3D技術はすごいんだなー、と思った記憶があり、お金をかけた映像だと、当時は曲そのものやキャストの存在などを気にかけない、「聞いたことがある」くらいのものだったと思います。

  • アニメ1期
    「いつぞやのラブライブってやつがアニメをやるらしい」と、アニメ放送を観始めました。
    やはり転機となったのは3話「ファーストライブ」でしょうか。
    私が高校時代に所属していた合唱部も、それほど人気があるような部活ではなく、毎年の部員集めに苦労するような部でした。
    新歓のために行うミニコンサート、そこに来る客足はやはり多くなく、毎年その日が不安で仕方なかったのを覚えています。
    だからこそ、幕が上がった時に客がゼロ、という衝撃と悲しさはとても他人事とは思えなく、またそういった"現実を突きつけてくる"描写に、「一筋縄なアニメではないぞ」と度肝を抜かれた記憶があります。(正直、なんだかんだ客が入り、成功するものだと思ってました)
    13話にてもう一度9人で演奏された「START:DASH!!」は感動的で、当時配信が始まったスクフェスにおいても、「START:DASH!!をプレイするために音ゲー頑張る」と息巻いていたくらいでした。

  • 3rd LIVE
    「声優オタク」である私は、今でも堀江由衣さんを推しているのですが、当時は他の声優さんのことを考えてしまってはいけない、と思い、μ'sのキャストの活動に無頓着だったように思います。
    3rdに関しても行くつもりもなく、TL上で台風に打たれながら物販に並んでいたりする人たちをどこか冷ややかな目で見ていたかもしれません。
    「μ'sの物語は素敵だったけど、中の人はあくまでも声優でしょう?」
    ……なんて、当時の自分に会えるならぶん殴ってやりたいですね。

    ですが、そのライブ後の感想やレポをちらちらと目にするうちに、「この人達のやっていることは尋常なことではないのではないか」と、徐々にキャストの活動に関心を持っていくようになります。


  • 4th LIVE
    この頃にはニコ生でのキャストによる番組やラジオ等の活動も一通りチェックし、アニメ2期のスタートを待ち望むラブライバーへとすっかり変化していました。
    そんな時の4th。3rdの時とはうって変わって、なんとかチケットを手に入れようと初めて円盤の複数買いをしました。
    ですが、結果は残念ながらご用意されず。実はこれ以降、μ'sのライブに現地で参加する機会は1度もありませんでした。
    しかし、LVであっても伝わってくる彼女たちのエネルギーは変わりなく、映画館のスクリーン越しにラブライブ!というプロジェクトの底力のようなものを感じていました。

  • アニメ2期
    そしてやってきたアニメ2期。
    真姫推しである私は、当番回がないのでは…?というモヤモヤを抱えながらも、新たに追加された楽曲や目が離せないストーリーに毎週興奮し、たまに出てくる批判なんかに文句を言いながら(やってること今と変わらない)、少しずつ1度目の「終わり」へと向かっていました。
    もともと涙もろい人間でしたが、2期11話「私たちが決めたこと」では滝のような涙が溢れ出し、これ以降「アニメを観て泣く」という現象に対する抵抗力のようなものがガタッと落ちたように感じます。
    12話で披露された「KiRa-KiRa Sensation!」は特別に好きだった記憶があり、この曲と「僕らは今のなかで」が音楽的に近似していることについて、当時は情報収集して分析したりした記憶があります。

  • 5th LIVE
    先述の通りこの時もLVでの参加で、しかも天候に恵まれず、釧路から札幌までのJRが止まり、航空便を使って無理矢理移動したりしていました。
    キャストでは楠田亜衣奈さんが好きだったのですが、この5thでソロを歌う彼女の、緊張しながらも力強いステージに心を打たれ、「ライブの演奏を聴いて初めて泣く」という体験をしました。
    個人的に好きだった「Shangri-La Shower」の演奏が聴けたのも良かったなぁと思います。

    また、後述しますがこの時のDAY2の「Wonderful Rush」におけるPileさんの真姫ソロはμ's史上最高のソロパートです。喉からCD音源どころではない……凄まじいエネルギーが響きに調和し、聴くものの心を震えさせる、至上の名歌唱です。
    声の伸び、音程、リズム感、そして表情や表現、全てを取ってパーフェクトの500倍上を行く天上の歌声ですので、円盤をお持ちの方は是非そこを意識して再生してください。

  • 劇場版
    地元では観ることができなかったので、何かの機会で東京へ遠征した時に観に行ったのが最初でした。その後札幌でもう1回観る機会があり、劇場では2度観たかと思います。
    劇場版、どのシーンも思い出深いですが、私が一番好きなのは「Hello, 星を数えて」と、その直前の場面です。
    "あの"高坂穂乃果が、雨を前に表情を曇らせているその時に、次期リーダーの指名を受けている凛ちゃんが、ニッと笑って力強く1歩踏み出し、「大丈夫にゃ!」の一声。そこから始まる劇場版挿入歌1曲目……という流れは、挿入歌が持つ魅力全てを引き出す最高の演出となっていると思います。
    根拠が無いけれど、でも説得力のある言葉というのは、カリスマ性やリーダー性の発露。
    この1言で、星空凛という人間が次の年から相当にうまくやるであろうこと、同時に花陽・真姫2人が安心して素敵な部活動生活を送れるであろうこと。そんな勝手な安心と信頼を感じて、今でもこのシーンは観る度に涙ぐんでしまいます。
    そして忘れてはならない「SUNNY DAY SONG」。この曲は最強です。

  • ファンミーティングツアー
    ファンミでは、札幌のチケットを持っていました。持っていましたが、仕事の都合がどうしてもつかず、友人に譲って行ってもらいました。その友人は花陽推しになったようです。
    当時行けなかったニトリコトリ文化ホールへ、Aqoursのファンミで現地参加し、リベンジを果たせたこと。後述しますがこれは個人的に非常に大きなことでした。

  • final
    正直なところ、この頃の私の応援の仕方は、あまり熱心なものではなかったと思います。
    「finalから2周年」という節目で参加するこの企画の主旨に果たして私のこの言葉が相応しいかと思いつつも、正直に申し上げるのなら、私はfinalに向かっていく、その雰囲気がどうにも苦手でした。
    終わりだよ、最後だよという言葉や、そういった感傷を煽る数々の演出、「μ'sic forever」というキャッチフレーズ。
    そのどれもが重く心に響いて、確かに感動するしとっても感慨深くあったのですが、重たすぎて胃もたれを起こしたようになっていたように思えます。
    劇場版以降の楽曲についても正面から受け止められず、「MOMENT RING」のCDの購入は実はかなり後でした。

    そんな状態でのfinal、念願の現地チケットも入手し、どうにか無理矢理にでも東京ドームへ。そうすれば自分のモヤモヤもμ'sが晴らしてくれるはず。曲も好きになれるはず……そう思っていました。
    ですが、天候不順による職場システムの慢性的なトラブルが起こり、自分を含む社内の責任者クラスは現場を離れることができなくなりました。
    またしても、どころか永遠に「μ'sのライブに現地で参加する」という機会は奪われ、一度私のラブライバー人生は終わりとなります。

 

●皆とは違う「μ'sロス」

私は一度も、μ'sを失っていないのです。その機会は与えられませんでした。

finalを終えた皆がそれぞれの想いを抱えてμ'sやその楽曲と向き合う中、私はただ単純に「終わったはずなのに終わっていない」気持ちに閉ざされ、いつしかμ'sの曲を聴けなくなっていました。

あまり重たい話にするつもりはなく、これ以上何かあるわけではないのでこの先のことは簡単に説明しますが、そんな私を救ってくれたのはAqoursでした。

胃もたれを起こすくらいに重く、確実に心に刺さるμ'sの曲に対して、Aqoursのフレッシュで爽やかな楽曲は気持ちに涼風を運び、その苦しさを中和してくれました。

同時に、Aqoursが輝きを増す中で語られるμ'sのすごさ、先達としての尊さに改めて敬意を抱き、当時持っていなかったμ'sの残りのシングルを全て購入し、そこで私は初めて、μ'sと最後まで歩みきりました。

 

μ'sが終わったかどうかは個人の解釈になると思いますが、確実に2年前のあの日、そこに「別れ」は存在したはずです。

それを経験出来なかった自分にとって、ほんとうの意味でμ'sとの訣別をくれたのはAqoursでした。

MOMENT RING」や「僕たちはひとつの光」で臆面なく涙を流せるようになったのはそれからです。

そしていつか来るAqoursの「その日」に、きっと私は一緒にμ'sとの別れも体験するのだと思います。参加できなかったファンミ札幌に、Aqoursが連れて行ってくれたことは、それを確信させる出来事でした。

 

そういう経緯があったからこそ、私はAqoursに賭けているところがあります。

 

Aqoursが連れて行ってくれる最後の場所、そこで初めて私は「μ's final」も体験できるのでしょう。

もちろんfinalのBlue-rayは購入し、映像も観ています。
ですが、今でも私はそれで泣くことができません。何かを、ずっと2年前に置いてきたままなのです。

私にとってのμ's finalは、まだもう少し先の出来事なのだと思います。

 

 

●最高の「今」のために

とはいえ、μ'sに対してそんな態度のままではよろしくないとは常々思っており、今自分が自分なりにできること、ラブライブ!を通してブログでこのように文章を表現することで何ができるかを考えた結果、一つの形を思いつきました。

この企画を聞いた時に生春さんから「好きな曲って何ですか?」と問われることがあり、即答で「Wonderful Rush」と答えたのですが……。

考えてみたら自分は他にμ'sの曲は何が好きなのか、どういう風に気に入ってるのか。そんな疑問が出てきて、今ほど楽曲に真剣に向き合ってこなかったなぁということに気が付きました。

どういう経緯であれ、その瞬間、「今が最高」であるという精神は非常に素晴らしく共感できるもので、そうであれば私がμ'sに対して「今」できること、やっと全ての楽曲に対してフラットな気持ちが持てるようになった「今だから」できること……として、

 

全曲ランキング&簡易講評

 

を行おう、と思ったのです。
前置きが長くなりましたが、今回の記事の主旨はそっちです。

このブログらしく、楽曲について、思うところを語ります。

114曲。長いです。お付き合いくださいませ。

 

 

●ランキング方法と概略

まずは、今回使用したサイトを紹介します。有名なものなのでご存知のかたも多いと思いますが……。

ラブライブ!楽曲ソート

こちらです。ここではソロを除いたμ'sの楽曲、全114曲について「どっちが好きか」を連続で選択していくことで、順位付けを行うことができます。

ちなみに全ランキング出すまでに600回以上選択を行う必要があり、これだけで3時間ほどかかりました。尋常じゃない作業量です。

ですが、大変貴重な、自分でも明確には順位をつけられていなかった「どの曲が好きか」という情報が可視化できたのは大変興味深いことでした。

勿論、その時の気分や体調で左右されることは多いでしょうし、そもそも楽曲にランキングなんてつけても、どれも好きだったりするので差は些細なことかも知れません。

が、今回はこのランキングに従い、一言ずつではありますが曲についてを語って、それを2周年を迎えたμ's finalを祝う、自分なりの"ホンキ"とさせて頂こうと思います。

 

●もくじ

さすがに長いので、ある程度区切ります。

お時間の無い方は10位以上くらいだけでも読んで頂ければ、私の好みがよく解るのではないかなと思います。

 

 

 

●114~101位

114 なわとび
記念すべき1曲目は花陽ソロです。
残念ながらこの順位ですが、4thで久保ユリカさんが優しく歌い上げるステージは素敵なものでした。楽しい曲が基本的に好きである、私の好みの問題です。

113 baby maybe 恋のボタン
恐らくしばらく同じような"言い訳"が続くと思うのですが、おとなしい曲は基本的にあまり好まない傾向にあるようです。
技術的な面の話をすると、特に初期の曲はメンバー間のバランスも調整が甘く、荒削りな印象が多いです。

112 ありふれた悲しみの果て
佐伯高志さんの楽曲……なのですが、私の絵里のイメージとこの曲が離れすぎていました。

111 友情ノーチェンジ
前向きで素敵な歌詞ですし、ライブでのワイパー(手を左右にふるやつです)も楽しいので、自分でもこの位置にこの曲があるのは意外でした。
強いて言えば、ラストのLalala~の部分が蛇足のように感じているのかもしれません。

110 もぎゅっと "love" で接近中!
ナンバリングタイトルに対して大変申し訳無いと思いつつ、この曲にはあまり思い出がなく、特別好きとはなっていません。
間奏のポージングの部分や、マイクをぶん投げる穂乃果ソロ等見どころは多く、ライブ演出は派手なので実際にはめちゃくちゃ高まっています。

109 そして最後のページには
2期BD特典曲のラストですね。やはりおとなしい曲、落ち着いた曲、は琴線に触れないようでこの位置です。
この頃から漂い初めた「終わり」感が、前述した私の苦手意識と結びついている結果かとも思えます。

108 Silent tonight
めちゃくちゃ良い曲ですし、BiBiの歌唱スキルが存分に活かされていて楽曲としての完成度が非常に高いと思います。
これは上位にいけばわかりますが、それでもこの順位なのは私の好きなBiBi曲と方向性が違う、というそれだけの理由ではあります。

107 思い出以上になりたくて
リリホワに関してもではあるのですが、いや……この曲結構好きなんですよね。
つまり、この辺からはどれも本当に好きで、さほど差はない、ということだと思います。
ユニットテーマである「昭和歌謡」をド直球で行く曲調は清々しく、3人の声質とぴったり合った良い曲だと思います。

106 錯覚CROSSROADS
ユニット曲は平均してどれも非常に好きなんですよね……(困惑)
これも「Silent tonight」とほぼ同じ理由で、つまり、私はBiBiの曲の中ではわちゃわちゃして騒がしい曲の方が好き、ということですね!

105 これから
泣けます。いかにも「卒業」を想起させるピアノ伴奏。
だからこそ、ダメでした。好きだけど、好きになれない……その筆頭かなと思います。
2番からの合唱は完成度が高く、実際に卒業式の卒業合唱なんかで取り入れたいものですよね……。名曲だと思います。
落ちサビの無伴奏穂乃果ソロは鳥肌モノです。

104 にこぷり♡女子道
明るい曲で、「矢澤にこ」をしっかり表現している素敵な1曲。
ですが、キャラクターソングの域を出ていないように感じたのも事実でした。
ラブライブ!の楽曲は全体的に「キャラが現実の人間として歌うとしたら」という側面が趣深いものだと感じており、勿論にこのキャラクター的にリアルにこういう曲を歌うことは充分にあるのですが、少しキャラクター寄りになりすぎたかな?と。
ライブでのバックダンサーつきの演出は非常に楽しかったですね!

103 Wonder zone
アニメ1期の中で他の曲が強すぎたために埋もれてしまったような印象。
実際には明るくテンポの良いナンバーで、非常に元気の出る1曲です。
ことりの推し順がさほど上でないことも一因かと……?

102 WILD STARS
この曲がこんな順位なのか……と自分でも驚きの1曲。
男性パートと女性パートを交互に行き来する構成は非常に面白く、それぞれを演じるキャストの歌声も、技術力の高さを存分に味わえてめちゃくちゃ挑戦的な曲です。
特にソロライブでの聴き比べは驚きと感動の連続なので、是非9人分、いや18人分をじっくり味わいたいですね。本当に102位なのか……。

101 Daring!!
真姫推しなんです。なんですが、どうにもこの曲は私が求めていた西木野真姫のソロ曲ではなかった。
格好良いし、Pileさんの素敵な歌唱力も充分に押し出された楽曲なので普通に良いと思うのですが……でも色々悩んで、この位置です。

 

●100~81位

100 ENDLESS PARADE
ライブチケット付属の特典曲という、悪しき文化の1曲です……。
どうにもこの曲と、もう1曲は売り方に納得いかずにいるのですが。
曲そのものは「Music S.T.A.R.T!!」の裏テーマというか、真姫があの曲を作る過程で生まれたBプランのような、ありえたかもしれないもう一つの形、と考えるとなかなか面白いメロディとも言えます。是非「Music S.T.A.R.T!!」と一緒に流してみてください。
この曲はまあ、それでもライブで演奏しなかったので良いのです。

99 同じ星が見たい
リリホワ楽曲の昭和感は全体的に好きなのですが、この曲は2番以降も変化が少なく、少し単調だったと思います。派手さが無かったので、好みにはよると思うのですが。

98 CheerDay CheerGirl!
初のPrintemps曲ですね。
ユニット曲の中では安定して好きなものが多いのですが、全巻購入特典であることもあり、印象が薄めのイメージ。彼女たちらしくて可愛い曲調ですが、他の曲に比べてパンチが足りなかったような気がします。

97 恋のシグナルRin rin rin!
りんがべー。初期ソロ曲は全体的に歌声が未成熟で、特に飯田里穂さんのスキルはアニメ2期以降に急激に伸びた印象があるので、このときはまだ殻を破る前の歌声といった印象です。
ほのかな恋の歌は、彼女の素直な声質とマッチしていて爽やかであり、凛ちゃんを代表する1曲としては良い位置づけかと思います。

96 乙女式れんあい塾
のぞにこ曲。わがまま乙女の気ままな恋愛模様
曲調とかがかなり挑戦的で、割と好きな部類です。
当時まだ完成していない楠田亜衣奈さんの歌声を、上手にあわせて拾っている徳井青空さんのスキルが光ります。

95 もうひとりじゃないよ
初期穂乃果ソロ。
ソロライブ1の収録曲は名曲が多いのですが、この曲はカップリングのような位置づけだったこともあり、だいぶ印象が埋もれている気がします。
悲しい気持ちの時に、ただ励ますのではなく優しく寄り添ってくれる、慈愛の一曲。

94 孤独なHeaven
初期花陽ソロ曲。ソロ曲続きますね。
この段階で久保ユリカさんの花陽の歌声は完成しておらず、歌うとキリッとするかよちんも好きにゃー!という凛ちゃんの声が聴こえてくる感じ。

93 sweet & sweet holiday
所謂マカロンスクフェスを初期からやっている人はこの曲を飽きるほど聴いているのではないでしょうか。
私もその1人で、割とお腹いっぱいです。

92 純愛レンズ
「恋のシグナルRin rin rin!」と同じ理由でこちらも楠田亜衣奈さんの覚醒前、といった感じ。
曲のテーマとしては割と珍しい「恋する乙女を応援する乙女の曲」。三角関係とかのドロッとしたものではなく、純粋な友情からくる応援のようで、心が温まります。

91 ダイヤモンドプリンセスの憂鬱
BiBiの1st。「Darling!!」でも感じましたが、単純にこういうイメージの曲は肌に合わないのかなぁと思ってます。

90 まほうつかいはじめました!
前向きで「笑顔になれる」歌詞、アイドル矢澤にこの本領、といったところです。
実はこの頃から"にこラップ"の片鱗はあって、力強い単純音調をワードで押し出す歌い方は彼女に合っているのかなと思います。
ロードオブにこにー?知らない人ですね。

89 ぶる~べりぃ♡とれいん
色々な意味で本当にすごい曲。
南ことりワールド全開で、非常に、非常にこそばゆい歌詞です。
スローな歌い出しから突如飛び出すイントロのホイッスルによるテンションアップが心地よく、一気にその世界に引き込まれます。実は結構好き。

88 告白日和、です!
脳トロコンビことことぱなの1曲目。
大サビ前の2人の掛け合いが大好きで、そこばかりループしてしまう魔力があります。

87 愛は太陽じゃない?
初期穂乃果ソロその2。
穂乃果色全開!かと言われるとそういうわけではなく、まだ初期のキャラが定まらない雰囲気が漂う、そんな手探り感も趣深い曲。
イントロの畳み掛けるようなストリングスが良い感じのテンションをかけてくれていて好きです。

86 だってだって噫無情
園田流和ロック。
めちゃくちゃ格好良い1曲で、そしてμ'sのお家芸(?)でもある「間奏でのセリフ9連打」が存在します。(これ、実はAqoursには無いんですよね)
このセリフパートの真姫の「必ず、帰ってくるのよ」が迫真ですごく心にくるんですよね……。
そして三森すずこさんの歌声とマッチしすぎる落ちサビ。納得のセンターです。

85 シアワセ行きのSMILING!
ライブで車掌さんの格好をする新田恵海さんがひたすらに可愛かったですね。
掛け合いの部分が多く、ラジオで新田さんが「たくさん声出して欲しい」と言っていたのが印象的で、ライブのときには本当に楽しかったです。

84 冬がくれた予感
BiBiって冬の曲多いですよね……?
すっかりイメージが定着した感じのある表題曲。こういう……何ていうんでしょうね。オシャレな感じの女性シンガー的な、平成の歌姫感ある歌声。「流行の最先端」って感じで、背伸びする高校生の女の子の精一杯という感じが好きでした。
落ちサビからの、にこによるコーラスが割と斬新で、変化球好きな私としては非常にテンションの上がるところでもあります。

83 soldier game
俗に言う「ソルゲ組」というクール三人衆が生まれた名曲。
高校生としてはだいぶ挑戦的な歌詞ですが、このメンバーならまあ、という謎の説得力が心地よいクールな1曲ですね。
スクフェスでは最難関のひとつで、この曲に泣かされた人は今でも多いのではないでしょうか???

82 永遠フレンズ
Printempsの冬の表題曲。
Cメロからの絡み合うメロディフレーズがとても印象的で、ストレートな友情が素直に表現されている素敵な曲です。
ひたすらバックを走るピアノの軽快さが、ポップな曲に隠れる少しの淋しさのようなものを引き立て、曲全体を複雑な感情で覆っているような気がします。

81 もしもからきっと
満を持して繰り出された、2期特典の希ソロ。
前述しましたが、私が初めてライブステージを観て泣いたのはこの曲でした。
楠田亜衣奈さんの一生懸命さが伝わる歌唱、練習量を嫌でも感じさせる、以前からは考えられないほど正確な音程の取り方。そしてなにより、ステージのバックに咲き誇る大輪の花。
彼女の特技であるバレエダンスも組み合わせたそのステージは、成長を表現する最高のパフォーマンスでした。
物語の中での彼女の立ち位置と、そこにある感謝や祈りが表現された歌詞も雰囲気作りに一役買い、本当に素晴らしい1曲として仕上がっていたと思います。

 

●80~61位

80 Anemone Heart
めくるめくことうみの世界。
アネモネ花言葉には「儚い恋」などがあり、曲調も相まって色々と考えさせられるのですが、この対象が共通の幼馴染である穂乃果の場合、「オレンジのアネモネ」という可能性が出てきます。
オレンジのアネモネ花言葉は「無い」のですが、それはつまり、可能性が無限に広がるということ。
穂乃果とこの2人が組み合わさることで広がる可能性は、穂乃果本来の力か、ことほのうみ3人の化学反応なのか……?
ライブで魅せた、内田彩さんと三森すずこさんのコンビネーションも非常にアツく、格好良いパフォーマンスでしたね。

79 小夜啼鳥恋詩
Printempsのヤン……少し重めの愛の歌。
悲恋3人衆などと言われた彼女たちですが、自分の確固たる愛を手にしたとき、ある種の強さで世界を作り出せる、というのは儚さと強固さを持った危ない魅力として音楽に現れてきます。
このユニットのこういった曲調は結構好きで、おとなしめの曲を比較的好まない自分が例外的に好印象を持っている数少ない曲の一つかもしれません。

78 UNBALANCED LOVE
2曲連続Printempsですね。唇からあいらびゅー。
こちらは比較的悲恋寄りの、友情から抜け出せない愛情の切なさは、何故か彼女たちに非常に似合ってしまいます。
ことり、花陽、穂乃果それぞれの表現が、方向性は違いながらも自然とマッチする様子は奇跡的としか言いようがありません。

77 LONELIEST BABY
イントロが非常に格好良い1期BD特典曲のラスト。
サビの「ダイスキ」連打は曲調に反して非常にドキドキするもので、感傷的なナンバーが来るのかなあと想像していた「7曲目」のイメージをズバッと破ってきた衝撃は今でも忘れません。端的に好き。ライブで聴ける機会が少なかったのが悔やまれます。

76 Oh, Love & Peace!
ジャケットがめちゃくちゃ好きです。
歌詞も非常に勇気づけられる内容で、「自由と勇気のルール」は今でも私の活きる指標となっているかも知れません。
サビに向けて響くストリングスの上昇音階は一気に気持ちを高めてくれて、大空に羽ばたく鳥のような、外へ向かう力強さを与えてくれます。
Cメロからのコーラス含むソロのリレーは心に爽やかで優しい風を吹かせます。
ソロライブの音源、花陽ソロにだけ収録されているスペシャルな部分があるので、よく聴いたことがない人は是非、じっくり「最後まで」聴いてみてください。

75 知らないLove*教えてLove
俗に言う「しららら」。
この曲もマカロンと同じく、スクフェスを長くプレイしている人は飽きるほど聴いているのではないでしょうか。
月を感じるクールな1曲、実は結構テクニカルなリズム取りになっていて、ノリながら聴いていると不思議な酩酊感を得られます。

74 秋のあなたの空遠く
リリホワの「ザ・昭和歌謡」シリーズです。
三味線の音色でしょうか……和風とはまた違う、しかし確実にドメスティックな雰囲気を巻き起こす作曲の妙はこのユニットならではで、「秋」特有のアンニュイさが的確に表現されている名曲だと思います。

73 Happy maker!
2期ラストを飾った挿入歌……というよりはエンドロールのテーマですね。
ここから劇場版につながる「もっと」への第一歩となる、終わりと始まりの通過点の曲であり、後半シリアスに進行してきたアニメ2期を明るく締め括った奇跡の1曲でもあります。
そして衣装がかわいい。ちょっと色っぽい。それが良いんです。

72 キミのくせに!
いやこれめちゃくちゃかわいいんですよ。
全体的に「夏」を感じさせる曲は私は好きになる傾向が強いのですが、爽やかな熱さ、みたいな雰囲気は非常に和やかで、それがリリホワの歌声で表現されているのがとても良いです。
ライブでの雰囲気も素敵でしたね。かわいい振り付けと、楽しいクラップ。楽しかった……。

71 Love marginal
出ました、Printempsの悲恋の代名詞。
この歌詞の切なさにノックアウトされた人は数知れないと思いますが、それを支えるメロディも相当なものですよね。
イントロの段階で一筋縄ではいかない雰囲気。いきなりあの穂乃果が歌い出す、切なくも透き通る歌声。こんなのやばいに決まってます。
Printemps、ことりと花陽もそうなんですけど、穂乃果がマジモードに入ってしまうと本当にこういう系統の曲は手がつけられない感じになりますよね。

70 ラブノベルス
十六夜まよも、本編よりサイドストーリーを進めてしまってなかなか先に行けないタイプの人間です。
「がんばらねばねばねばぎぶあぷ」というコミカルな歌詞、ところどころに入るメンバーの合いの手、それをBiBiがやるというイメージのギャップ。
BiBiの打ち出した、この方向性は当時非常に驚き、そして私が惚れ込んでしまった部分でもあります。
大真面目に矢澤にこが、絢瀬絵里が、そして西木野真姫がこういう曲を歌うんです。面白くないわけがない。

69 これからのSomeday
レア中のレアである「7人のμ's」の曲。
アニメ本編でも過渡期にあった場面でのこの挿入歌は、μ'sの行く末全てを予言していて、なおかつ7人となった表現の幅広さをしっかりとアピールする、内容と文脈を兼ね備えた絶妙な曲だったと言えます。
穂乃果の言った「皆がセンター」という概念はしっかりと表現されており、ソロを繋ぐという典型的な演出が特別な意味を持っていたのはやられた、と当時感嘆しました。

68 SENTIMENTAL StepS
落ちサビをことほのうみに歌わせるのがズルいです。ズルい。
ライブで行われた、サイリウムの色を順番に消していく演出も非常に良かったですね。時計の音と一緒に徐々に静かになるアウトロに合わせ、メンバーカラーが一つずつ消えて、それに合わせて客席の色も徐々に失われていく空気感は、なんとも言えない感傷を与えてくれました。それが偶発的にできた、という特別感も良かったと思います。

67 きっと青春が聞こえる
1期EDテーマ。この順位なんですね。
ラブライブ!の魅力の一つはEDテーマに入るそのイントロのタイミングであると思っているのですが、毎話、この曲が流れてくるタイミングは本当に神がかっていたと思います。
ピアノの音色から徐々に音が増え、軽快に加速するイントロはそれだけでも充分にワクワクするのですが、それがアニメ映像と合わさって流れる演出は鳥肌モノでした。

66 ふたりハピネス
カップリングですが、これリリホワの名曲だと思うんですよね。
3拍子系の曲は全体で見ても多くないのですが、この曲はそのテンポ感で不思議な浮遊感を与えてくれて、夢の世界で光に包まれるような、優しく幻想的なイメージが頭をよぎります。
ライブでの演奏も気持ちが乗っていてとても良かったですね……。

65 るてしキスキしてる
非常に難解な歌詞と音使いのトリッキーな曲。
希のセンター曲ということで、非常に雰囲気がエキゾチックで、また間奏セリフもある飛び道具のオンパレード。でもこういうのが好きなんですよね……。
サブセンターがことりとにこという珍しい構成で、全体的に声が加工なしでふわふわしてるのもその印象を加速させます。
セリフパートの真姫の「必ず、努力は報われるわ」には何度も勇気づけられました。

64 好きですが好きですか?
脳トロコンビの2曲目。
こんなの脳がやられるに決まってるんですよね……。
ライブ衣装のエプロンには殺された人も多いのではないでしょうか。
曲調に反して、間奏からのトリッキーな強拍は流れを一新させて新鮮な響き方をするので、サウンド面での面白さもつよく、総合力が非常に高い1曲です。

63 さようならへさよなら!
もうイントロのギターからダメですよね。
爽やかな中に確実に存在する「エモ」、これこそがμ's最終盤での重たさの原因であり、私がなかなか触れられなかった想いなのかなと思います。
風が吹き抜ける青空と、少しのセピア色を想起させる曲調は、やはり特徴的なギター遣いから来るのかなと思います。ラスサビ転調も本当にズルい。
μ'sの持つ輝きの最終形態は、この「光と風」なのかなあ、と、今はそう思っています。

62 Listen to my heart!!
ラジオパーソナリティの曲がある、って良いですよね。
歌詞も非常に工夫が見られ、当時ラジオで募集したアイディアを取り入れつつ、キャラとキャスト両方を表現してくる歌詞の巧妙さがとても好きで、こういうことさらっとやってくる畑亜貴さんなー!と当時舌を巻いた記憶が。
楽しいラジオのOPテーマとして、毎回をしっかり彩ってくれたいぶし銀な活躍をした曲だと思います。

61 Pure girls project
ジャケットのイラストが蠱惑的すぎて全然ピュアじゃない?そうですね。
Printempsの元気方面のタイトルで、夏の表題曲です。
こういう素直に楽しい曲、やっぱりライブで映えるし好きなんですよね。
プリン体ズのアルコール!の替え歌もすきです。

 

 

●60~41位

半分まで来ました。ここからは曲ごとにコメントも多くなるのでさらに長いです!

60 愛してるばんざーい!
穂乃果と真姫の、始まりの曲。
この曲だけはμ'sに、ではなく真姫が自分で作ったものだったり、作詞も海未ではなかったりと、かなり特殊な動きをした曲ですが、1期1話でこの曲とともに登場した西木野真姫の、あの衝撃は忘れられないでしょう。
これをきっかけに私は真姫推しになり、そして最終回の演出でがっつりやられることになります。
2期13話、卒業式のシーンで阿吽の呼吸でイントロを始める、真姫と穂乃果の信頼関係は個人的に非常に推したいところであり、スペシャルほのまきポイントとして皆さんに再注目してもらいたいところでもあります。

59 あ・の・ね・が・ん・ば・れ!
テンション感がめちゃくちゃ好きな1曲。しゃばだどぅびどぅば。
テクニカルでダンサブルなメロディは裏拍のノリが心地よく、そこに乗るリリホワの硬めの歌声は曲に隠れるアツさを引き立てます。
初期の曲なので実は凛も希も歌声が定まっていないのですが、それを補って余りある曲のパワーみたいなもので、上位に食い込んできています。

58 Snow halation
みんな大好きスノハレ。ですが、私はこのくらいの位置なんです。
もちろん大サビ穂乃果ソロでのUO大点火や、アニメ2期での演出は鳥肌モノですし、μ'sの代名詞と言われる名曲なのもわかります。
ただ、個人的には曲として見た時にそこまで刺さらない、という印象で、初期の楽曲であるため歌声のバランスも完成しておらず、非常に荒削りだと思っています。
皆が好きなものを好きと言わない面倒な人でいたいわけではないのですが、この曲が曲としてそこまで刺さらなかった、というやつです……。
とはいえ、大サビでの新田恵海さんのソロ歌唱はやはり圧巻ですし、切ない中にも疾走感を表現するメロディラインは貫禄を感じさせます。
いや、もちろん好きなんですよ。普通に好き。

57 ぷわぷわーお!
わーい!たーのしー!
あたまをからっぽにしてたのしむことができる、すてきなおんがくです。
ぷわぷわ。
実は途中で長短が入れ替わったり、ラスト転調があったりとテクニカルな面も多い曲なんですが、余計なことを考えるのはナシです。
思考を放棄して、ただただそのぷわぷわに身を任せるのです……。

56 Paradise Live
楽しいメロディの中に潜む、静かな淋しさ。
これと同系統のアンニュイさは「Pops heartで踊るんだもん!」なんかも持っていると思うんですが、これがライブのEDになるような演出が無くて良かったと思っています。そんなことされたら涙が止まらなくなってしまう……。
演奏機会に恵まれなかった曲ではありますが、バランスが取れていて非常に楽しい、素敵な楽曲だと思っています。

55 どんなときもずっと
「きっと青春がきこえる」と同じく、2期EDテーマですね。
こちらもEDに入る演出が毎話本当に上手く、やはり11話での被せ方はより一層涙を誘う最高にズルいものだったと思います。
優しいメロディで進行するAメロBメロに対して、サビ前から一気に駆け上がるメロディでのサビは、今にして思い返せばμ'sの「光と風」の片鱗を発揮し始めていましたね。
歌詞のメッセージ性も高く、今改めて聴くと色々くるものがあります。

54 夏、終わらないで。
ストレートにこういう雰囲気、好きなんですよね。
このブログで何度か触れている、「夏」のセンチメンタルさに、BiBiらしくアプローチした切なくも明るい1曲。
寄せて返す波の音や、眩しくもどこか幻想的な陽射しのイメージは私の永遠の憧れでもあります。
アウトロの最後の音まで行き渡った、透き通るイメージのメロディは、混じり気のない純粋な水の青さを想起させます。

53 Cutie Panther
BiBiといったらこれ、みたいなところありません?
真面目なのにふざけてるようで、でも格好良くて可愛い。BiBiの持つギャップの魅力と、狡賢さが巧みに表現された名曲です。
ライブ演出の飛び出す登場や、しっぽを振り回しての振り付けなんかも非常にたかまるものでしたね。
サビの「変身!」みたいなフリが好きで、だいぶ振りコピの練習をした記憶があります笑

52 after school NAVIGATORS
ラジオ「にこりんぱな」のEDテーマ。作曲河田貴央
まさかのハードメタル。お遊び全開で清々しいです。
でもサビはしっかりメロディアスで、どこか淋しげな雰囲気も出してくるあたり、本当河田さんはズルいと思います。所謂「泣きサビ」というのがこういう曲でも出てくるのは……大変なことですよ!

51 僕らは今のなかで
ザ・ラブライブ!と言っても過言ではない、アニメ1期OPテーマ。
一人称が「僕」っていう表現、μ'sらしいというか、すごく爽やかで前向きな印象を受けますよね。
希望と未来への輝きに満ちた、真っ直ぐなメロディは、そこから伝説まで駆け上がる彼女たちの、夢への第一歩でした。
キラキラと降り注ぐような音色は、要所要所で光のメロディとして使われており、それはμ'sに留まらずAqoursにおいても表現される重要な表現となっていきます。

50 勇気のReason
海未ソロ。
非常に爽やかで、決意と確信に満ちた1曲。
太陽を反射してキラキラ光る水面と、どこまでも続く水平線を想起させる、光と海のメロディだと思います。
作品が違えば主人公のメインテーマになれたような、とにかく爽やかな曲ですよね。彼女の真っ直ぐな想い、真面目な人柄がよく現れた、良いソロだと思います。

49 COLORFUL VOICE
所謂「自己紹介曲」。メンバーのイメージカラーをソロで繋いでいく、現実とのリンクが強い2.5次元特有の曲といえます。
残念ながら私が参加したライブでは演奏されなかった(5thは初日のみだった)のですが、各ソロパートでの色変えが成功していたと聞いて非常に嬉しかった1曲です。
当時はこの曲の色変え対応のブレードを用意してライブに臨んでいました。
曲そのものもアップテンポで盛り上がるもので、賑やかな雰囲気が楽しい、ライブに映える1曲だったと思います。

48 Dancing stars on me!
ハロウィンの格好して踊るやつ。
2期6話、声優さんの底力が垣間見えるキャラチェンジが大好きで、そのすったもんだから導かれた、「結局個性的な私たちが良い」という結論がμ'sらしくて好きだな、という回なので、そこにハロウィンのイメージが合体するこの曲は、そんな「多様性」を是とする話の流れに非常にマッチした最良の挿入歌だと思います。
ライブでは楠田亜衣奈さんの誕生日を祝うバースデーケーキのようなフォーメーションもあり、衣装も可愛く、とても楽しいイメージの曲ですよね。
ラジオでキャストが語った、「ハロウィンの時期にこの曲を皆が思い出してくれると良いな」という願い、今でも大切にされているようで毎年とても嬉しかったりします。

47 タカラモノズ
スクフェスコラボシングルの記念すべき1曲目。
スクフェスのチア衣装、好きなんですよね……。
そしてストーリーで語られる、「スクールアイドルフェスティバル」に対するμ'sの想い。
特に真姫推しである私は、この曲に込められた彼女の気持ちを思うと非常にアツくなるものがあり、スクフェスを一段と好きになれる話でした。
この曲に限らずスクフェスのコラボシングル関連のエピソードはどれも出来が良いと思っているので、気になった方は読み返してもらえると嬉しいです。

46 MUSEUMでどうしたい?
曲全体の雰囲気というか、メロディの構成がすきです。この曲に関しては手に入れたタイミングが遅く、聞き込みの量が少ないのですが、それでもなおメロディが好き、というだけでこの順位にいるあたりだいぶ好きな曲のようです。
イントロや間奏で印象的な、ダメ押しのように押し寄せるフレーズが非常に心地よく、曲の終わり方も大好きなんですよね。

45 最低で最高のParadiso
上記「MUSEUMでどうしたい?」とほぼ同じ理由で、ほぼ同じ順位にいるのは、音源を手に入れたタイミングとも関係がある気がします。
2番からの変化が強い曲は全体的に好みなので、BiBiの声質ともマッチしたトリッキーな楽曲となっており、耳をくすぐる心地良いテンポ感とともに前売り券付属曲は全体的にすきですね。

44 Someday of my life
クッソ格好良い穂乃果ソロ。桜色の風が吹き抜ける、主人公力全開の無敵のソロ曲です。
イントロの徐々にエネルギーが高まるイメージが、コーラスでさらに加速されてAメロに繋がり、それを受けた新田さんが真っ直ぐで表現豊かな歌声で風を吹かせる……。
明るいながらもパリッとした緊張感を保つメロディラインは、アウトロの最後まで気を抜けず、穂乃果の持つ可能性やエネルギーといった不可視の魅力を存分に引き出す力を持っていると思います。

43 Angelic Angel
宣伝の段階での劇場版表題曲。その前評判に違わず、洗練されたここぞの1曲として劇場版のL.A.編を締め括りました。
この曲のサビ、「Ah!『もしも』は欲しくないのさ『もっと』が好きAngel」の部分が、劇場版でのμ'sの選択全てを表していて非常に尊いものであるなぁと感じます。
結局の所AngelicなAngelとはどういう意味だったのか、あるがまま、自分らしさや用意された現実に逆らわず、ありのままを愛して自分たちらしく前に進んでいけ、という、ある種μ'sに用意された運命を暗示している1曲だったのかもな、と今は思っています。

42 ミはμ'sicのミ
歌詞も含めて、読者応募で少しずつ完成した、ファンミーティングテーマソング。
「μ'sic forever」というフレーズはここで登場しましたね。
この曲が完成し発表されたとき、その終わりが近いことを感じ取った人も多かったと思います。
そんな中でも変な悲しさを生まない、明るくてポジティブなメロディは、ファンミーティングで共通の振り付けを会場全体で行うというイベントでさらに「一体感」を増して強化されていきました。
finalで説明無しで振り付けが揃っていたのは後にBDで観た時にも一目瞭然で、歌詞などがファンとの関わりの中で生まれた楽曲に相応しい、素敵なステージだったと思います。
この時期にあってμ's側から出てくる「キミはどうだい?」という問いかけ、本当に良いと思います。

41 乙姫心で恋宮殿
いや、これ好きです。イントロ聴いたその瞬間に好きです。
所謂海未ちゃんの作詞センスが炸裂してしまった系のビックリ曲なのですが、あまりにもメロディがガチです。こういうテクニカルなことを平気でやってくるリリホワ、本当に何者ですか……。
転調を繰り返す内容もさながら、テンポ感も非常に難しく、これはライブで聴きたかった……という、非常に位置づけが勿体無い曲だと思います。
2番Bメロ、あのメロディに乗せて「ラブです」ってもう何を考えて作ったのかわからない(褒め言葉)。
落ちサビの裏で小気味よくダンダンダンと叩く伴奏の使い方も本当に気持ち良く、何度も聴きたくなる魔力を持っています。
何度も言いますが、メインシングルで発表されていたら、ライブで演奏されていたら……と残念に思う気持ちの方が強い、名曲だと思います。

 

 

●おまけ

40位、の前に、少しオマケの曲を。
今回このランキングには入ってこなかった、特殊な4曲が存在するので、その曲たちの講評も置いておきます。

EX1 Private Wars
1期1話挿入歌なんですよねこれ。A-RISEの1曲目です。
μ'sに対して、クールで格好良いイメージで来ている彼女たちですが、3人のボーカルであることを活かして言葉をしっかりと立てた、キビキビとした1曲です。

EX2 これまでのラブライブ!~ミュージカルver.~
所謂「前回のラブライブ!」です。2期1話で物議を醸した「急に歌うよ~」ですが、OST収録のこの1曲、新田恵海さんの最強歌唱力が存分に発揮されている化物曲です。
ニコ生で度々歌っていたフレーズなので、印象に残っている方も多いと思いますが、ラストの伸びは本当に信じられないくらい上手いです。流石声楽科……というビブラートとダイナミクス。響きの膨らませ方が尋常じゃなく上手いです。

EX3 Shocking Party
ダンシンッダンシンッ
A-RISEの2曲目です。これ実はめちゃくちゃ好きなんですよね……。
1期でもあった、キリッとした言葉の格好良さを残したまま、よりメロディアスに格好良くブラッシュアップされたサウンドはまさに王者の風格。OST収録のフルバージョンでは、2番からの格好良さが際立ってくるのでファンは必聴だと思います。

EX4 As Time Goes By
劇場版で女性シンガーが唄うジャズナンバー。実はこの曲、ラブライブ!の楽曲ではなく、元々ブロードウェイのミュージカル用に制作されたものなんですよね。
歌詞の意訳は色々ありますが、「どんなに時が流れようとも、どんな未来が訪れようとも、大切なものを掴み取るために伸ばすその手を世界は歓迎している」という解釈が好きで、ラブライブ!の世界観とよくマッチしていると思います。
高山みなみさんのフレージング、ブレスの入れ方や発声も流石といった美しさで映画のあの一幕は、本当にブロードウェイにいるかのような、そんな幻想的な雰囲気を醸し出していたと思います。

 

●40~21位

いよいよ終盤戦です。ここまでずっと読んできてくれた方は、本当にありがとうございます。ここまでで約2万文字でございます。本当にお疲れさまです。

40 Dreamin' Go! Go!!
売り方が納得いかない曲その2。
こういうこと言ってる時点で曲に対してフェアじゃないですし、あまり言いたくないことではあるのですが、倍率の高いライブチケットについてくる特典曲というのはやはり悲しみしか生まないのでダメだったと思います。しかもそれをライブでやった、となると、やっとの思いでLVだけでも、と参加した客はポカーンとしてしまいます。まさかμ'sのライブで知らない曲を聴くことになるとは……と当時非常にショックでした。
せめて試聴があれば……。
と言いつつ、この上の順位に来ているのは本当に悔しいのですがめちゃくちゃ曲が良いからに他なりません。良い曲なんですよね……。

39 Future style
劇場版の2年生曲です。
可能性を見つけ、走り出した3人が制服で繰り出すこの曲は、自然と1期1話の「ススメ→トゥモロウ」との対比構造となります。(劇場で初見時は河田さんの曲だと思いました)
サビでの小気味良いドラムが織りなすリズム感は、キレのある3人のダンスで引き立ち、幼馴染のコンビネーションの良さを感じさせます。
イントロメロディがサビと同じなのもワクワク感を増長させて、劇場版シナリオの終盤へ差し掛かるあのタイミングの挿入歌として相応しい、貫禄ある1曲だったと思いました。

38 ?←HEARTBEAT
同じく劇場版から、3年生の曲。
コミカルなイントロとAメロからは想像できない、メロディアスにまとまったサビの情感豊かさといったら!
ネタにされがちな位置づけの曲ですが、3年生が持つ想いをしっかりと形にした、素敵な曲なんです。
個人的には2番からの歌詞が好きで、「♡←HEARTBEAT」を「ステキハートビート」と読ませるセンスは誰にも真似できないなと思います。
落ちサビでの跳びポイントも忘れてはいけませんね!

37 僕らのLIVE 君とのLIFE
すべての始まり。ここから伝説が始まりました。
時を経てなおその歌詞が持つ精神性は高まり続けており、ラブライブ!だけではなく、後続プロジェクトであるラブライブ!サンシャイン!!においてもこの曲に秘められている思想は脈々と受け継がれています。
シリーズが広がり、多くの文脈が広がって、なおその輝きを増していく曲の力は、原初の輝きと呼ぶに相応しい楽曲となっています。
ただ明るいだけじゃない、少しだけ切なさも秘めたサビのメロディは、現実のほろ苦さも容赦なく突きつけてくるこのプロジェクトによくマッチした、全体を表すメロディなのかなと思います。

36 輝夜の城で踊りたい
アニメが始まり、本格的にラブライブ!に興味を持った頃、OPシングルを買ってそのカップリングとして聴いた時に衝撃を受けた1曲。
和風とも何とも言えないそのメロディと、ふんだんに使用される印象的なセリフの数々。そして合いの手。ライブで絶対に楽しい曲だ……!と確信しました。
ソロライブでの冒頭の「フィーバー!」は全員分聴き比べると色々楽しくなれます。
あ、もしもし、コール警察ですか?今すぐ現場に来てください!

35 ススメ→トゥモロウ
可能性を感じた曲。
アニメ版で最初に耳にした音、声がこの曲の冒頭の穂乃果ソロです。
この1フレーズだけで、多くの人を惹き付けてきた新田さんの歌唱力、ホンモノなんですよね。
この曲からスタートして本編が終わり、1話の終わりで再び冒頭に戻っての、続きを演奏するスタイル。アニメ1期1話を見終わる頃には既にこの作品の術中にハマっていました。
作曲は私が敬愛する河田貴央さん。流石なんですね……。

34 Storm in Lover
夏曲。すきです。
この2人がこういう曲歌えばそりゃあこれだけ格好良くなりますよ、という、約束された勝利の1曲。μ'sの情熱枠ですよね。
巷では豆3とか4とか言われていますが、個人的にはそのあたりとは少し外れた系譜のものだと思っていて、「夏、終わらないで」と似た雰囲気の内容だと思っています。
向こうよりもだいぶ陽射しは強いと思いますが、ひと夏の情熱という意味では、2曲で1つの物語を歌っているのかも知れません。

33 ずるいよ Magnetic today
にこまき磁石。
内容やセリフはさておき、大正義にこまきの裏に隠れた超絶格好良いメロディがこの曲の真価です。
なんですかこれってくらいに掻き鳴らされるギターと、鳴り響くベースが織りなす伴奏はRPGのボス戦のようなアツさを持っています。
普段あまりオフボーカルは聴かない派なのですが、この曲だけはインスト版を聴いた回数のほうが多いかも知れないです……。
あまり聴かない、という人はお試しあれ。知らない世界が見えてきますよ。

32 Love wing bell
言わずと知れた名曲。2期5話のエピソード全体も好きですし、楽曲全体で見た時に2年生曲が多くなっていることに対してバランスを取る意味でも1,3年生の曲があるというのは良い事ですし、なによりやはり演出が非常に素晴らしいです。
ライブでは劇中再現でウェディングドレス風衣装とタキシード風衣装のメンバーがこの曲を演奏しましたが、特に1年生組の似合っている感じといったら……!
それぞれ凛を気遣うようにソロを盛り上げる、花陽と真姫のフレーズが、時を経て確実に育まれた友情を表現していて何度聴いても泣ける1曲となっていると思います。

31 ユメノトビラ
2期3話挿入歌。
私の持つ「挿入歌は物語のそこまでのまとめ」という持論を地で行く、挿入歌オブ挿入歌です。
合宿の成果で作られた曲と詩と衣装は、ユニットごとに分けられてパートを交代していきます。
新しいμ'sの第一歩として、確実にその力を知らしめるという役割も確実にこなし、優しい中にも力強さのある、信念を持ったメロディはメンバーの強い意志の篭った瞳に表現されています。
そして後に、そのメロディは桜内梨子へ。佐伯高志さんのメロディは、ここから時を経てAqoursへと引き継がれる……。そういった意味でも、大切な1曲と言えるでしょう。

30 くるりんMIRACLE
この曲好きなんです。
凛ちゃんが2期5話を経て「変わることができた」という喜びを、全身で表現してなお有り余るエネルギーでもって全力で伝えてくるこの曲は、その想いで溢れて止まらないんですよね。
飯田さんがライブで歌った時にも、彼女も慣れないソロ歌唱で不安だったはずなのに、そんなことを感じさせない天真爛漫なパフォーマンスで我々を魅了してくれました。
あの時に彼女の歌唱力も完全に完成されていましたし、何より本当に楽しそうだったんです。その姿をみて、「凛ちゃん、本当良かったね……」と何故か嬉しくなった記憶があります。
「女子力」という点で「女子ロード」という単語を使っている彼女ですが、さり気なく「女子道」という先輩のフレーズを引っ張ってくるあたりに、にこりんぱなの絆の強さを感じますね。

29 HEART to HEART!
スクフェスコラボ2弾。譜面ではEXPERT最難関と言われる例のアレです。
「穂乃果のラブソング」のサブタイトルに恥じない、ストレートな「スキ」が表現された楽しく明るい1曲。
2番以降はかなりテクニカルな場所も多く、聴き応えのある曲でもあります。
断続的に押し寄せるアップテンポなフレーズはバイタリティに溢れており、元気をくれる、本当に楽しい音楽に仕上がっていると思います。
裏拍でズダズダと叩く曲は基本的に好きなので、これがライブで演奏されなかった曲であるというのは非常に残念ですよね……。
落ちサビで無音の中堂々とソロを唄う穂乃果の歌声は、リーダーとして貫禄ある素晴らしいものに仕上がっています。

28 僕たちはひとつの光
「今が最高」というフレーズ、本当に尊く素晴らしいものだと思います。
過去にすがるのではなく、生きている「今」を全力で楽しむ、という精神性は、当時μ'sがどういう形であれいつまでも続くと思っていた自分を強力に牽制しました。
同時に、そういう形で常に最高の今を生きること。そんな刹那の輝きを灯して生きていくことは、人間の最も幸福な生き様なのかもしれないと、何か諭されたように当時思いました。
言わずと知れた劇場版ラストの挿入歌。設定上では、μ'sが最後に行ったライブの、最後1曲。
「光」という、μ'sの概念そのものについて、「ひとつ」だと歌い上げる歌詞は、やはりμ'sの考え方の中に「全てとの調和」があるのだと思います。
心を一つに、同じものを目指して、みんなで叶える物語。
本当に筋が通っていて、文句のつけようがないフレーズなんですよね。
曲の中にも、メンバーの名前がそれぞれ使用される特別感が用意されていたりと、本当に、誰にとっても「特別」な、大切な1曲だと思います。

27 No brand girls
河田神降臨です。ぶち上げMAX曲その1。
ライブでの定番かつ、コール&振りコピの代表曲ですが、実はこれ1期の挿入歌なんですよね。本来の立場から考えるとその後の定番になる、というのは大出世だったと思います。
ライブ版の、ドラム音がひたすら続くイントロメロディが否応にも気持ちを高めてくれる感覚、本当に好きなんですよね。いつ来るんだ……!というワクワク感と、μ'sがポジションについて、いよいよ来た!という時のギター音。カタルシスの開放です。私の音楽の楽しさは、やはりそういうところにあるのかなと思います。

26 夢なき夢は夢じゃない
穂乃果の「ファイトだよっ」という代名詞を生んだソロ曲。
まさに主人公曲……!といった圧倒的な展開力と爽やかさは他の追随を許しません。
サビのメロディが風に乗って高く舞い上がるイメージなんですけど、その時に見える青空と太陽はまさに高坂穂乃果!という感じで、ソロ曲らしいソロ曲に仕上がっていると思います。

25 Beat in Angel
まじえんじぇー。
テクノポップ曲として驚異のBPMを叩き出すこの曲は、スクフェスでもかなり何度の高い譜面となっていますね。
真姫の楽曲、基本的に誰かと組むと凶悪な速度になっていくあたり、彼女の容赦ない一面が現れているようで非常に楽しく感じます。
ライブ時につけていた羽根の衣装がとっても可愛く、曲のイメージとのギャップでもうイミワカンナイ状態になってた記憶が。

24 夏色えがおで1,2,Jump!
前述の通り、私がラブライブ!と出会った、ある意味運命の曲。
1番の明るいイメージよりも、PVの2番以降で表現される夜のイメージがつよくて、やはり夏の持つ「過ぎ去る刹那性」が表現される切なさが魅力として伝わってきますね。
サビ後半のコーラスの応酬は寄せては返す波で遊ぶような雰囲気で、視点がぐるぐると回るPVの演出がとても楽しげでテンションの上がるものになっています。
間奏からにこソロにかけてのギターソロ、格好良すぎるんですよね……。
そして真姫の「あーついかーらー!」のコーラスはガチです。

23 それは僕たちの奇跡
2期OPテーマ。
アニメ2期1話で、穂乃果が雨を止ませていよいよμ's再始動!となったあの演出からの、この曲に突入する空気が本当に好きでした。
冒頭穂乃果ソロから「あしーたーへ\デデデン/」で右腕を一斉に掲げるあの動き、あれが大好きです。
アニメ1期のBDジャケットを盛り込む演出もステキで、特にサビ前の真姫のシーン、楽譜が風になびく中で気持ちよさそうにピアノを弾く、あの場面はそれだけで泣けてくる素晴らしいカットです。芸術。
OPに相応しいながらも、ところどころで「別れ」を感じさせる歌詞は、当時2期の行く末を考えた時に楽しみであると同時に淋しさも感じるものでした。
衣装もパリッとしていて格好良い、素敵なデザインだったと思います。

22 KiRa-KiRa Sensation!
2期ラブライブ決勝曲、挿入歌。
振り付けがこれまでの曲から拾い集めたものであるという、ある意味μ'sの集大成。しかも、メロディラインは「僕らは今のなかで」とシンクロするもので、先述しましたがこの2曲は同時に流すことで良い感じにシンクロしたりします。マッシュアップした音源やアレンジミュージックも探すと出てくる気がするので、気になる方は是非。
曲中で歌われる、「奇跡それは今さここなんだ」という歌詞が、「今」を生きるμ'sらしくて、そして少しだけ淋しくて、当時だいぶ泣かされました。「みんなで叶える物語」という、μ'sのキャッチコピーが含まれているのも強いですよね。

21 Mermaid festa vol.1
夏曲再び。
やはり、夕暮れの浜辺というものに私は弱いようです。
μ'sの曲の中では初めて「間奏でのセリフラッシュ」が採用された曲でしょうか。何度か触れていますが、この演出好きなんですよね。
スクフェスでは当時まだEXPERTも存在せず、HARDが難しい譜面だった頃に苦しめられました。サビ前が難しいんですよね……。

 

●20~11位

いよいよラストスパート。11位まで一気に行きます。

20 スピカテリブル
最強ことりソロ曲。
ことりのふわふわした声質と、それに似合わない格好良い曲調が何故かがっちりとマッチし、無限に引き込まれる魅力が生まれている1曲。
セリフ朗読も強いし、それを抜きにしてもメロディラインがとにかく格好良い。
イントロの段階で「!?」ってなる上に、それを唄うのがことりというギャップが本当に耳にくる。内田彩さんの、ことりっぽさをキープしながら最大限格好良く発声できるその限界ラインを見極めるセンスが光っていて、こういう技は声優ならではの妙技であるなあと感心しまくることしかできないです。
サビのコーラスに入ってくる高音が、悲痛な心の叫びのようにも聴こえる調整が本当に巧く、全てが混ざり合って唯一無二の世界観を作り出している名曲です。

19 MOMENT RING
μ'sのファイナルシングル表題曲。
その肩書きに相応しく、本当に全ての魅力を詰め込んだ、集大成の1曲ですよね。
イントロで基本的にはもうダメなんですけど、やはりこのギターの爽やかに駆け抜けるメロディはμ'sが辿り着いた「光と風」のメロディなのだと思います。
そしてこの局面でラップを持ってくる演出もとんでもないですよね……。
サビの歌詞、「無謀な夢から始まって奇跡のように全てが繋がって」、これにμ'sの軌跡の全てが詰まっていて、このワンフレーズだけで何回泣けるか、というくらいです。
2番サビ前の無限に伸びる穂乃果ソロ、これまたずるいですね……。いや、この曲本当にヤバいポイントが多すぎて、この中で語るにはやっぱりスペースが足りないんですよね。
でも、それくらいが良いんだと思います。だって、僕はまだ「終わらない青春」の中にいるのだし。
「何度だって青春」というフレーズ、とても好きなんですよね。
キャストだって、我々ファンだって、大半は青春時代を終えた大人たちなんです。
そんな人達がスクールアイドルという刹那の輝きを追う時に、再び「青春」を体験することができる。これこそプロジェクトラブライブ!の真髄なのかなって思ったりもします。

18 硝子の花園
この曲あたまおかしいです(褒め言葉)
そもそも女子高生2人の作り出す世界観ではないのに、絵里と希なら許される気がするのがおかしいし、南條さんと楠田さんの作り出す雰囲気がそもそも尋常ではない。
曲を観ると、サビまえのピアノのグリッサンドで一気に世界観に突き落とされる感覚が心地良く、各フレーズでの息遣いまで聴こえる表現力は流石としか言いようがありません。いや、ほんと何だこの曲……。
雰囲気が18禁(褒め言葉)
ライブで披露された時の、周りの観客全員が「メスになる」あの感覚、ヤバかったですよね……。男性がほとんどのはずのラブライブ現場で、あそこまで黄色い歓声が飛び交うというのも半端なものではなかったなぁ……と。

17 微熱からMystery
リリホワの超楽しい夏のパワーソング
ライブ映えするし、音源聴いても楽しいし、スクフェス譜面も楽しい、とにかく楽しい1曲。
サビの勢いがとにかく心地よくて、駆け抜ける熱気と情熱の雰囲気がまさに「微熱」。浮かされながらもどこか気持ち良い、そんな感覚は初めて聴いた時に鳥肌がすごかったです。

16 WAO-WAO Powerful day!
続いてPrintempsの超楽しい朝のパワーソング
可愛いのに格好良くて、何より楽しい!そんな「音楽」の良さが詰め込まれたぶち上げナンバーです。曲聞いた段階でだいぶ好きなんですけど、ライブ映像見て度肝抜かれましたよね。
もう本当に楽しそうじゃないですか。現地でこの曲を聴けなかったのは後悔だな、という曲はいくつかありますが、この曲はその筆頭の1曲だと思います。

15 Trouble Busters
そしてこの流れでBiBiの超楽しい(ry
この曲、コールがとにかく楽しくて、これを完璧にできるようになりたい!って当時たくさん聴き込んでLVに臨んだのですが、5thではDAY1に演奏されたきり、DAY2では演奏されなかったんですよね。
そのフラストレーションは、未だに抱え続けています。いつかどこかで、この曲のコールへの想いをぶつける場面が来たら、私の理性はどこかに吹き飛ぶかもしれません。

14 START:DASH!!
アニメ1期で、μ'sの始まりとなり、締め括りともなった1曲。
前述の通り、この曲に受けた衝撃は凄まじく、当時1番好きな曲はこの曲でした。
「悲しみに閉ざされて 泣くだけのキミじゃない 熱い胸きっと未来を 切り開くハズさ」
この歌詞に込められた願いと思いと、全てを賭ける情熱のようなものに、私の心が揺り動かされ、"もう一度"青春へと足を踏み入れることになったんだと思います。
曲の最終局面、落ちサビからの大サビへ入る「切り開くは!ず!さ!」で3人ずつが腕を振り上げて振り返る動きが狂おしいほど好きで、その背中が物語る決意のようなものに、本当に魅了されたと思います。

13 私たちは未来の花
園田流最強和ロック。
単純に曲がすきです。もう格好良いの他に言いようがないですね……。
三森すずこさんの歌唱力は当然ながら、海未のキャラクターとリンクした、鮮烈で、しかしどこか奥ゆかしいメロディラインが見事に決まっており、サビが2段構えになる構造も、おさまらない興奮を呼びます。
サビ後半、「そして私たちは巡り逢う」の部分でバックに流れる琴の淀みないメロディが強調する「和」が、彼女の凛とした格好良さとマッチしてどこまでも気持ちを高めていきます。
この曲、札幌のファンミで演奏されたんですよね……。現地に参加できていれば、と後悔が止まらない曲のひとつです。
ソロ曲部門、第1位となりました。

12 PSYCHIC FIRE
説明するまでもない、BiBiのリーサル・ウェポン。最強無敵のコール曲です。
当然ながらこの曲も、現地で味わえなかった後悔シリーズです。(多分この先の曲全部そうですね……)
こういう曲、こういうのが好きなんです……という性癖がすべて詰め込まれた公式コール入りぶち上げナンバーですね。
もうユニット名どころかキャラ名まで叫ばせてくれるその構造は、曲のとおりに一緒に唄えば観客を舞台装置として音響が完成するという合理的かつ効率的な名曲であり、これが完成したfinal現地の熱気は、BDの映像越しにも伝わってきます。
BiBiコール、私もやりたかった……。

11 春情ロマンティック
はじまりですか?
ここまで最強コールだのぶち上げだの、激しい曲ばかりが並んでいましたが、この曲は芸術点100万点っていう感じの評価でこの順位というのも納得の1曲です。
正直シングルで聴いた時には普通に良い曲だなーくらいの印象だったのですが、finalの映像見た瞬間に評価が一変しましたよね。
Lilly White、なんだこの人達は……!?
ダンスのキレと歌詞に合わせた表情作り、会場を呑む迫真の表現力。このユニットの真髄がこの曲で大開花した、という印象でした。
これももちろん、現地で観たかった後悔だらけの曲です。
リリホワの総合力がとにかく光る、圧巻のステージでしたね。特に3人が順にふわっと花開くような動きをするフリがあるのですが、そのタイミングの合わせ方が完璧すぎて鳥肌が止まらない状態です。アウトロのダンスも素敵だったなあ……。

 

●10~1位

いよいよ最後の上位10曲です。完走は近いですよ……!

10 嵐のなかの恋だから

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この曲、めちゃくちゃ面白いですよね。
とにかく短調長調が入れ替わりまくって、世界観が目まぐるしく2転3転します。
最初は「るてしキスキしてる」みたいなエキゾチックなものかな?と感じますが、アラビアンナイト風の世界観は途中から切り替わり、様々な童話の世界を冒険しているような、不思議な感覚の中で曲は進行していきます。
Bメロのコーラスではついに2種類の歌詞をメンバーが歌い分けるというテクニカルさも極限に達しており、最終的にはセリフラッシュも打ち込んでくるという、μ'sの「ヘンな曲」全部乗せを実現したかのような超絶技巧曲です。
そして私、こういう飛び道具大好きなんですよね。
しかも今回のセリフラッシュ、単発のセリフが9人分ではなくて、1つのセリフを全員で繋ぐっていうこれまた声優的超絶技巧を取り入れていて、本当に「ヘンな曲のヘンなところ欲張りセット」と呼ぶに相応しいものになっています。大好き。
ライブで演奏される機会が無かったのがこれまた非常に残念です。が、「現地で聴けなかった」後悔を抱えることにならずに済んでいるのは救いかもしれません笑

 

9 Music S.T.A.R.T!!

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我らが西木野真姫ちゃんのセンター曲です!
私がラブライブ!に惹かれて、初めて行われた、そしてμ'sでは最後となったセンター総選挙の結果が反映された1曲。
歌詞の中に「Love Live!」が含まれる特別感は、キラキラしていてまさに「お姫様」というような衣装に現れています。
この時の総選挙、上から真姫、絵里、穂乃果……と、偶然にもμ'sの誇る歌唱力オバケが3人上位に名を連ねており、2番からのその3人の掛け合いはとてつもないクオリティになっております。
そしてCメロの真姫ソロから連なる「消えない ずっとね 消えない」のコーラスは、非常にバランスが取れている極上のハモりを生んでいます。
からの大サビは転調しての突入と、もう文句なしの編成。
パーティのようなきらびやかなPVも、パジャマパーティーの楽しげな様子も、非常にクオリティの高い完成度となっていると思います。
ライブではサビの振りコピが本当楽しくて……。パンフにも「みんなで一緒に踊りたい」とPileさんのコメントがあったのですが、その浸透率があまり高くなかったのは少しだけ残念なところでした。

 

8 LOVELESS WORLD
からの、ラブレスワー!(同じジャケ絵になるため画像は省略します)
焼き肉が食べたいですね。
嵐の中開き、閉まるドア……という若干ホラーテイストな特殊イントロから始まるこの曲は、表題曲とは一転、バリバリのロックナンバーとなり、格好良さを前面に押し出した構成となっております。
どの部分を取っても非常に格好良い1曲でありますが、何と言っても特筆すべきはラスサビからのコーラス、でしょうか。
この曲のラストはサビメロディとコーラスにパートが分岐するのですが、驚くべきことにコーラス側に上記「Music S.T.A.R.T!!」での上位3人、真姫・絵里・穂乃果を配置するという大胆な構成が炸裂します。
ぶっちゃけ、カラオケにいったらそっちが歌いたいですし、実際歌います。落ちサビから絵里→穂乃果→真姫と繋げ、最後に叫ぶ「LOVELESS WORLD!」から3人はコーラス担当となりますが……そっちばかり聴いてしまう存在感といったら!
4thの本番ではそのテンションの高まりのあまり、少し走ってしまい空中分解の危機もありましたが、気合いでテンポを戻し事なきを得るというひやひやする一幕もありましたが、そもそも曲のエネルギーがとてつもないのでその当たりは全く気になりません。
表題曲とカップリング、2曲揃っての演出は非常に完成度が高く、このシングルは総合力が凄まじいものとなりました。完敗です。

 

7 Shangri-La Shower

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PSvitaで発売された、「ラブライブ!スクールアイドルパラダイス」のテーマソング。
結構バカにされてますけど、私このゲーム大好きなんですよ。
ユニットごとのストーリーをテーマに扱った3バージョンが存在したため、この曲のパート分け構成もユニットごとの3人組となっております。
「パラダイス」の名の通り、リゾートでのライブをテーマに作成された新曲だったので「夏」全開のナンバーになっており、まあ要するに、すきです。
特に2番サビ前の「ストーーーーリーーーー」が長いところ、そのバックでダンダンと叩き込んでくるドラムのメロディが非常に心地よく、サビメロディの活発な中に潜むアンニュイさは、夏の楽しさと切なさを絶妙に表現しています。
そもそも「シャングリラ」って響きがすごく煌めいていて、ステキなワードだと思いません?とってもロマンティックな1曲。ワクワクが止まらないですね。

 

6 NO EXIT ORION

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超好きです。このくらいの順位に来ると語彙が失われていきますね。
Printempsの格好良い部分が全力で表現された、最高に高まるロックナンバー。
特にfinalでのライブパフォーマンスといったら……新田恵海さんの超格好良いマイク回しは必見です。
サビの中盤、「ふたりきりの夜空で」あたりで突如やってくる「タメ」と「開放」がリズム、メロディともに抜群に気持ち良く、直前のピアノ伴奏のグリッサンドもその助走に一役買っています。もうこんなの全力で跳ぶしかないんですよね……。
全体的にストリングスが強めのアレンジメントは非常にPrintempsにマッチしており、少しヤンデ……重たい恋の歌詞も、切ない歌いまわしで雰囲気作りを手伝っています。
当然ながら、「現地で聴きたかった」と後悔が尽きない1曲でございます。
スクフェス譜面も叩いていて楽しいので総合力本当に高いですね。
堂々の「ユニット曲1位」でございます。

 

5 Hello, 星を数えて

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いよいよここからベスト5。
劇場版1年生曲。
この曲が好きな理由は冒頭の「劇場版」の部分でも語ったのですが、とにかく音使いがオシャレで、踊るようなピアノ伴奏は真姫の「楽しさ」が全開で表現されているようで聴いていて嬉しくなります。
サビ直前のグリッサンドはお互いに勇気づけあった、凛と花陽を優しく支えた真姫の「背中を押す手」そのものであり、2人を見守る優しい気持ちの現れなのかなと思います。
Cメロからの変奏部分は非常にポリフォニックに展開され、ドラムロールがそこから始まる「新しい世界」への入り口を盛り上げます。
そこからの大サビ、「Hello, 星から メッセージ」の部分で少し発生するタメが大好きな部分です。ここで力の限りペンライトを……振りたかった……。
凛が、花陽が、そして真姫が、μ's無き次の年へ向けて、それでも力強く進んでいく成長を垣間見ることができる1曲として、本当に素晴らしく素敵な曲だと思います。

 

4 Mermaid festa vol.2 ~Passionate~

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ここでデュオトリオなんですよね……!
所謂「豆2」ですが、この曲の素晴らしさは本当に奥深く、ただテンションの上がる楽しい曲、で終わらせるのは非常に勿体無いです。
まずそもそも、歌詞が非常にえっちいです。18禁と評した「硝子の花園」を軽く越えてくるエロさです。それを、この2人が唄うというのもこれまたダメさを強調しています。
まあそのあたりはさておき。
スローテンポでスタートするイントロメロディから、突如として加速する「くるっとくるっとくるっと回ろう!」はその瞬間にテンションがぶち上がるトリガーであり、一瞬アンニュイな表情を見せた元気な少女2人の、本領発揮といった元気が爆発するエネルギーは歌詞の微妙に性的な雰囲気など吹き飛ばして炸裂します。
全編に渡ってサンバリズムが伴奏を叩き、自然と身体が動くビートは曲の雰囲気とも合わさって無限に楽しさを高めていきます。
セリフを挟んでからのCメロは一旦落ち着きますが、伴奏はその逸る気持ちを抑えられず、ひたすらにメロディをかき鳴らしていきます。
落ちサビでもその勢いは収まらず、一気にクライマックスに突入するテンション感は、他のどの曲よりもアツく、元気で、エネルギーに満ちていると言えるでしょう。
音楽の持つ根源の力、魂を揺さぶり、身体を動かす原始のエネルギー。そういったものが全力で表現されているこの曲は、μ'sの曲の中で私が最も好きな部類の音楽です。

 

3 SUNNY DAY SONG

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いよいよベスト3へ突入します……!
もう説明の余地がないくらい誰もが大好きな、μ'sをμ'sとして構成に伝わる"伝説"たらしめた、まさに神話の1曲です。
劇場版タイトルが「The school idol movie」だった理由が、今後生まれる全てのスクールアイドルに祝福の光を、という内容だったから、と解釈しているのですが、だからこそ後発のプロジェクトである「サンシャイン!!」にも関わる「SUNNY」という単語が含まれているのだと、私は信じています。
さて、曲はというと、振りコピ&転調&跳び曲であり、要するに私の好きな要素が全て詰まった最強の曲、ということになります。
サビの、指を天へ向かって突き出す振り付けも、9人だけではなく、参加した全てのスクールアイドルが行っていたもので、つまりそれは「10人目」である我々もまた真似て良いモノだったはずです。
そんな楽しい振りを繰り返していった2番の後、劇場版ver.に収録される間奏の超格好良いフットスタンプ9連打を経て、落ちサビ穂乃果ソロです。
ここの声の伸びがたまらない。ありがとうえみつん。あなたがμ'sのリーダーで良かった。
そしてそのロングトーンを尻目に、曲は転調をし、エネルギーを最大限タメての、大ジャンプ!です。ここで跳ばなきゃいつ跳ぶんだ!という誘導は、東京ドームでは最高の形で表現されたようで私はもう思い残すことはありません……。
わがままを言うのであれば、現地で私もやりたかった。これに尽きます。
この後の全てのスクールアイドルの福音となる、この曲。もしも今後、何かのプロジェクトや企画にて、どういった形であれ演奏されるのであれば私は全面的に支持し、何があってもその場に居合わせ、全力で跳びたいと、そう思います。

 

2 Super LOVE=Super Live!

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河田神降臨です。これぞ……なんすよね。
もうここまで来ると何の説明もいらない(このフレーズ何回使った?)、最強無敵ぶち上げMAX全開ハラショーソングです。
こんなの演奏されたら、ただ喉を枯らして叫びまくるしかないんですよね。
「Come on!」と「Go!」と「OK!」これが言えれば他は要らない。ただただ、μ'sと一緒に「声を合わせて」唄えば、成立するのは「We are the ONE!!」のフレーズ。
そして間奏を挟んで迫る、「Super LOVE=Super Live!」の9連ソロ。
もうなにこれ。とにかくライブで楽しくなるためだけに作られた、そんな曲なんですよね。それもそのはず、タイトルに「Super Live」って入ってるんですもん。
サビメロディはそんなぶち上げ曲に対して、例のごとく入り込んでくる「泣きサビ」という徹底っぷり。大サビではコーラスまでついてくる、こちらもぶち上がりフルコースです。
河田貴央さんは、とんでもない曲をこの世に生み出してしまった……。
もう残り1曲なんでこれを言うのも最後ですが、この曲を現地で死ぬほど叫びたかった。好きだけど、やっぱりその後悔を思うと苦しくもなる1曲ですね。
そしていよいよ、1位。

 

1 Wonderful Rush

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この曲のPVを初めて観たのは、アニメが始まって少し経った頃、徐々にμ'sに興味を持ち、シングルを買い始めたときでした。
飛行場という特殊な場で展開される風と光と、青空のダンス。バックに流れるのは希望に満ちた、ひたすらに前向きなメロディ。良い曲で可愛くて格好良くて、とにかく楽しい!ラブライブ!ってすごい!
そんな想いを、PVから喰らいました。

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とりあえず冒頭から好きです。イントロ前の飛行機が通過した後、シルエットで映し出される9人。ここが既に格好いい。
そしてセンターであることりが覚醒し、「未来をしっかりみて!」の歌い出し。

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ここの「ハイ!ハイ!すすめ!」の部分、このポーズのままぴょんぴょんするメンバーが全員かわいくて好きです。真姫推しの私はヽ(・∀・)ゞこのポーズで一緒にぴょんぴょんします。楽しい!

何度か記事で触れていると思いますが、私は2番から曲がガラッと変わる曲、というのが大好きです。単純に変化があれば飽きが来ないですし、ただ繰り返すだけではない特別な次のフレーズが飛び出してくるのは、作り手の拘りが感じられるからですね。
この曲はその点、大満足です。2番から一気に変化が来ますからね……!

そしてそんな2番のサビを終えると、曲最大の盛り上がりポイントがやってきます。

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えぇ……

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何この子……

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美しい……。
真姫による「Wonderful……」のソロ。歌姫かよ……。
しかし、見どころはこれでは終わりません。ここからこの雰囲気を文字通り「切り裂いて」、にこラップが炸裂します!

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そこからさらに3,2,1,0!のカウントダウンが始まり、腕をぶんぶん振り回す最強の高まりポイント、「Hi!Hi!Super Jump!」のラッシュが。

そこからことりソロに繋がると、彼女が一番格好良い「天を指す」ポーズからの引きカメラです。もう最強。最高に格好良い。

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そしてドパーン。

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この水柱が、この後の大サビでの清涼感、疾走感を強調するんですよね。
サビに伴って舞う水しぶきはキラキラと輝き、流れる風を表現し、爽やかでひたすらに気持ちの良い空気をリアルに感じさせてくれます。

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掌を胸の前で上向きに揃え、くるっと回す振り、何度も振りコピしてきました。でも、何度やってもやっぱり楽しいんです。
この曲は、そんな"楽しい"がそこかしこに散りばめられていて、シングルで音源を聴いて、PVを観て、ライブ映像を見て、その度に新しい発見と感動で心を満たしてくれます。
言い忘れていました。河田神、降臨ですね。
この人の書く曲はどこまでも私の心にぶっ刺さるようです。何なんでしょう、本当。
この曲のとにかく前向きで、希望に満ちた歌詞も、清涼感溢れる衣装や振り付けも、そして勇気と元気をもたらす最高のメロディも、全てが大好きで、文句なしの1位である、そう言えます。
冒頭で5th LIVEのことを語った時に少し触れましたが、この曲、個人的に最強の演奏音源は5thのDAY2、これです。しつこいようですが、この日の真姫ソロ、Pileさんは絶好調オブ絶好調です。驚天動地の上手さです。絶対に損はさせません。finalも良いですが、5thのBDを1曲だけ観てもだれも怒りません。さあ!

 

●あとがき


と、いうわけで、私のμ's114+4曲講評、如何だったでしょうか。後半、ランキングの高い曲になるにつれ、やはりテンションが抑えられずに文章量が多くなっていきましたね。
ここまで全て読んだあなた、現在33500文字です。ごくろうさまです。マジでありがとうございます。

そして、現在4月2日の午前6時です。本来であればこの記事は3月31日にアップされ、4月1日のμ's final2周年に合わせ、タグと共に宣伝される、そういうものでありました。
個人的なスケジュール管理の甘さ故に、足並みを揃えられなかったことを、主催の生春さんをはじめ、企画に賛同し各々忙しい中執筆を間に合わせ、記事を投稿した他の参加者の皆様にお詫び申し上げます。

 

私が今後ここまでμ'sについて語ることは、きっと無いと思います。そしてここまで長いものを書くこともきっと無いでしょう。
それだけの想いを、この機会にとぶつけさせて頂きました。曲の講評を全曲なんて無理をしなければ間に合っていたところ、ワガママでここまで勝手に走りきったことはすみません、と思いつつ、今だから、今を最高と言うために少しだけ勝手をさせて貰いました。

遅れてしまった分は、皆さんを満足させる(?)内容でもって罪滅ぼしとさせて頂こうかと思います。

 

ではでは、またAqoursの曲の記事にて。

 

♪♪♪♪♪♪♪♪♪

2018年4月 十六夜まよ

紅白の キセキの調べ 愛のうた

皆様こんばんは。十六夜まよです。

 

4月24日の発売に先駆けて、ついに!いよいよ!全世界黒澤姉妹推しファン待望のラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期Blue-ray第5巻購入特典撮り下ろしAqoursオリジナルソングCD」より、黒澤ルビィ黒澤ダイヤがそれぞれ歌うソロ曲の試聴動画が公開されましたね。

この記事を読んでいる方で、「まだ聴いてないよ」という方がいるとは思えませんが、念の為まずはリンクを置いておきます。

www.youtube.com

今回は、この試聴動画から

RED GEM WINK Sounded by 黒澤ルビィ

そして

WHITE FIRST LOVE Sounded by 黒澤ダイヤ

この2曲について思うところをひたすらに語っていこうと思います。

歌詞、キャストによる歌唱、メロディ等の音楽的要素などなど……多方面から総合的に分析・考察をしていこうと思いますので、お付き合い頂けると嬉しいです。

 

注)歌詞は下線と斜体で引用とします。(音源からの耳コピであるため、正式版とは異なる可能性が多々あります。ご了承ください。)

 

続きを読む

P.S.「ありがとう」:旅立つあなたへ贈る唄

皆様こんばんは。十六夜まよです。

 

唐突ですが、単発で楽曲考察をしてみようと思います。

今回のテーマは

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P.S.の向こう側 Sounded by CYaRon!

です。

 

Aqoursから派生する3人組ユニットのうち、千歌ルビィからなるこのユニットは、正統派アイドル!といった感じの可愛らしい曲と、シリアスな顔がギャップの魅力を生むバラード曲とを巧みに操る元気系ユニット、といったところでしょうか。

そんな彼女たちの楽曲の中でも熱狂的なファンが多い(?)この曲は、様々な観点から歌詞考察ができ、私の親交の深いフォロワーさんの中にも素敵な記事を書いている方がいます。

ぺこさん(@pecopeng)の書いた以下の記事は、読んだことのある方も多いのではないでしょうか?

ameblo.jp

この記事でぺこさんが語る「次元超越説」は非常に興味深いもので、楽曲の持つ可能性や歌詞の広がり、キャラとキャストが2人3脚で成長していく2.5次元コンテンツにおいての相互作用やさらにはコンテンツ終焉後の行く末等、深い考察が歌詞に沿って非常に納得のいく形で展開されていますので、まずはご一読をお願い致します。

 

ぶっちゃけこの曲についての解釈はぺこさんのこれで十分というような気が私自身してしまっていたりもするのですが……。

実はこの曲、私も結構好きです。CYaRon!の魅せる可愛い中にもアンニュイさや淋しさが滲んでくる絶妙な表情感は他の曲では味わえないものですし、描写されている世界観が本当に柔らかく、温かい。

だからこそ私は、別のアプローチでこの曲を読み解いていきたいと思います。

ぺこさんの記事を読む前に実際に私の頭のなかで展開されていた解釈を、TVアニメ2期が終わったこの段階で根拠を補強する形でアウトプットしようと思いますので、お付き合い頂ければ幸いです。

注)歌詞はいつものように下線と斜体で引用とします。

 

●手紙の行方

まずはポップなイントロからスタートするこの曲、Aメロ→Bメロの間はロ長調での展開だと思われます。このロ長調という調性は「積極的になると、大胆な誇りを表し
消極的になると清潔な純粋さを出す」と評されることがあり、この曲の持つ明るく動的なアクションと、ピュアでもの淋しげな感傷との2面性が見事に表れていると思います。

誰もいない カフェのテーブル
頬杖ついて考える
どうしてるかな 君は今ごろ
誰と過ごしてるの?

というルビィパート、この「君」が誰であるかは曲の解釈において注目点となりそうです。

この時「誰もいない」というのは、この曲の主人公が誰かと相談するわけではなく、ひとりで考え事をしている、ということが想像できますね。

なんとなく さっき買った
ポストカードを取り出して
「お元気ですか?」 書いてみたけど
次の言葉が探せない

千歌のこのパートではポストカードが登場します。「なんとなく」という気分は「さっき買ったポストカード」にかかっているように感じられて、何らかの目的を持った主人公がポストカードを購入することを決め、何かのメッセージを書き始めたことが推察できますね。

毎日 話しても足りないって 思ってた

曜のアンニュイなこのパートで、毎日話しても足りないと思ってた存在と、次の瞬間には「毎日話せない」関係になってしまう、別れが近いことが想像できます。

 

サビからは転調が入り、メロディのイメージもガラッと変わってきます。

調性は変イ長調「夢想的で繊細、抒情的で壮麗」と表現される調です。

いまは遠いんだね さみしい気持ちで
つめたくなった 紅茶飲んでるよ 
でもいつかいつかね 
また会える気がするからさ
落ち込んでないよ

「さみしい気持ちで」と唄った直後に「落ち込んでないよ」というのは矛盾した感情ではあるのですが、淋しさを感じないわけもなく、だけど彼女たちは落ち込む素振りは見せずに、別れを迎えねばなりません。

「今は遠い」という心境は未来の自分たちを想像してのことか、ここは少しだけ、楽曲としてのアンリアルな部分が含まれる表現だと感じています。

「いつかまた会える気がする」という表現は、決して近くはない場所へ相手が行ってしまうことを逆説的に表現しているように感じられ、希望を持つような歌詞が逆にその淋しさを引き立てます。

こういった心の機微を繊細に表現するメロディはそれでもなお明るく、テンションの高い構成となっており、こちらでも裏に潜む淋しさが強調される形となっているように感じられます。

 

手書きだと照れちゃうね
ちいさな文字をながめ
だんだん下手っぴになってきたみたい
ボールペン くるりとまわした

2番頭は曜のソロパートからです。

現代の女子高生として描かれる彼女たちの普段のやり取りは、やはりメールやメッセージアプリなのだと思います。そんな中で敢えて手書きでのメッセージを贈るというのは照れもあるのでしょうか。

「下手っぴ」という言葉のチョイスがすごく可愛くて、等身大の魅力が溢れてきますよね。真剣に相手を想うからこそ、その字が下手に、不格好に見えてきてしまい、息をつくためにペンを回す。適当な手紙ならば、文字が下手っぴであることなんて気になりません。

離れてしまうなんて
ありえないことだよと 笑ってたね

こうやって笑いあった仲であっても、自然と時間は流れて別れはやってきます。

だからこそ、

最後にひとこと オマケみたいに
伝えておこう (P.S.…)
「どうもありがとう」
だっていつかいつかね 
また会えるはずだからきっと 
その日を待ってる

伝えるべき一番の言葉は「感謝」

さあ、このP.S.が届く先、即ち「向こう側」にいるのは誰?という話になってきます。

 

 

●一瞬の気持ちの揺らぎ

前述のように、この曲は別れを迎える関係性を前に感謝とありったけの愛情を伝える物語を唄うものです。

そんな気持ちを伝えるため、少女たちは精一杯の明るさで一抹の淋しさを隠し、アップテンポなメロディを奏でるのですが……。

曲中に1箇所だけ、「淋しさ」の方が表に出て隠しきれなくなるポイントがあります。

返事なんかいらないけど
楽しかった季節
すこしだけ思い出して
胸がしめつけられて
切ないんだ

それがこのCメロ。

伴奏のメロディもこの瞬間は凪のように一瞬鳴り止み、3人の歌声だけが響きます。

「返事なんかいらない」から、せめて「すこしだけ思い出して」と願うのは、「楽しかった季節」

pecopeng.hatenablog.com

再びのぺこさんです。

「季節」の解釈についてはぺこさんの記事でこの上ない説明がされているので、こちらを引用させて頂きます。

「楽しかった季節」の「季節」という言葉。ラブライブ!及びラブライブ!サンシャイン‼の楽曲では度々出てくる言葉で、私がとても好きな言葉です。

ラブライブ!シリーズの楽曲における「季節」という言葉は、単に春夏秋冬という意味ではなく特定の期間、瞬間、時間の流れといった意味を含みます。

この場合は「楽しかった季節」。昔の、「君」と一緒に過ごしていた時間、ということでしょうか。スクールアイドルである彼女たちの目線で考えると、それはスクールアイドルとして輝いていた瞬間と捉えることもできますね。

春夏秋冬それぞれの想いを紡ぎ、走りきった1年間。ともすればこの「季節」は「四季」。つまり1年間のスクールアイドル活動と取ることもできそうです。

 

では、3人が別れを告げる、スクールアイドル活動を共に過ごした人たちとは?

結論へといく前に、もう少しだけ曲を見ていきます。

 

大サビは1番2番のサビの繰り返しですが、

でもいつかいつかね 
また会える気がするからさ
気のせいかもね

で少しだけ変奏があり、勢いを保ったままサビのメロディが繰り返される演出はポップな音使いをしながらも滝が落ちるような強烈な圧力をもたらす効果があり、ダメ押しと呼ぶに相応しいラスサビへとエネルギーを高めていきます。こういうの大好きですね。

 

歌い出しや、ライブの立ち位置から考えると、センターはルビィなのだと思います。

それでは、この曲は姉であるダイヤに宛てたものでしょうか。

それともCYaRon!が歌っていることを鑑みて、将来進学などで内浦を離れたを想い、千歌が歌う曲でしょうか。

 

それぞれそういった解釈も可能だと思いますし、聴く人の数だけ曲の世界は存在するはずなので先のぺこさんの解釈も含め、色々な可能性を考えながら曲に触れるというのは大変おもしろいことだと思います。

 

ではいよいよ、この曲にまつわる物語を、私の視点で展開していきましょう。

 

 

●3月、ある日の浦の星

 

「「「引退式?」」」

 

部室に揃ったメンバーが口を揃えて私に疑問符を投げかける。

まあ……いきなり言われても何のことだかわからないよね。

 

千歌「そう、引退式だよ、引退式!私達は部活動としてAqoursをやってきたでしょ?」

 

梨子「それと引退式?ってどういう関係が……?」

 

千歌「だから!どの部活も、最後の大会が終わったら3年生とのお別れ会みたいなのをやるでしょ?私達スクールアイドル部も、3年生の引退式をやる必要があると思うんだ!」

 

「あー……たしかに言われてみれば、そういう部活がほとんどだよね。水泳部でも夏の大会の後にはやってたかも。」

 

ルビィラブライブ決勝大会が3月だったから、バタバタしてそれどころじゃなかったもんね……。もうすぐ卒業式で、そっちのことばかり考えちゃってたし。」

 

善子「なるほど。それで1,2年生だけが集められたってことね。クックック……我が眷属の旅立ちを祝福する最後にして最大の儀式、この堕天使ヨハネも全身全霊をもって……。」

 

花丸「善子ちゃんがやる気で何よりずら。でも千歌ちゃん、時間はあまりないよ?」

 

ヨハネよっ!」という善子ちゃんのいつものセリフを聞きながら、私は皆にアイディアを説明する。

 

「--手紙と、唄が良いと思うんだ。」

 

 

と、いうわけで、少々私の妄想を垂れ流してみました。(やっぱりSS書くの難しいですね)

 

皆さんは学生時代に部活動をやっていましたか?

スクールアイドルに限らず、全ての学生の部活動やサークル活動には必ず期限があり、時が来れば最高学年の部員は引退という形で部を去ることになります。

大会の時期やその部の活動時間によってタイミングはまちまちだとは思いますが、いずれはその時が訪れ、部に残る他学年に送別される形で彼らは引退していきます。

 

そんな部活の引退式、心のこもった手紙や色紙等……温かい想いが、部に残るメンバーからプレゼントされるものではないでしょうか。

例えば私が所属していた合唱部では、3年生の引退によせて1,2年生は1曲新たな曲を練習し、引退の手向けとして演奏したりしました。

人数が多い部活だと色紙に寄せ書きをするパターンが多いですが、9人のAqoursだったら、手紙やポストカードといったメッセージを個人で用意することになるかもしれません。

 

そして浦の星女学院のスクールアイドル部でも、その例に漏れず3年生の引退式がひっそりと行われるのではないでしょうか?

 

もうおわかりかと思いますが、この「P.S.の向こう側」は、そんな3年生の引退式で、3つのうち唯一「3年生が含まれない」ユニットであるCYaRon!が手向けとしてプレゼントする、送別の1曲なのではないか、というのが私の解釈となります。

善子と梨子、花丸はそちらも3人でチームを組むかもしれませんし、それぞれ独自の方法で何かを用意するかもしれません。

ですが少なくとも、CYaRon!の3人はアイドルとして、今後も部に残る(浦女が廃校した後のAqoursの所在については明言されていませんが、ここでは特に気にしないこととします)メンバーとして、今できる精一杯のことは何だろう?と考えたときに「曲をプレゼントしよう!」となるのは自然のことかと思うのです。

そして同時に手渡されるメッセージカード。それを作成する際に悩んだり、淋しくなったり、そんな物語が紡がれた1曲。

サプライズ的になるのでしょうか。部室に3年生を招待し、突然始まるパーティ。

3年生へ口々に告げられる感謝の言葉達。

そんな中、あの軽快なイントロが流れ出し……。

曲の最後にはきっと、「ありがとう」の言葉とともにポストカードが手渡されるのだと思います。

真剣な想いを込めた、唄と手紙。

 

P.S.の向こう側には、苦楽を共にした最上級生、3年生の3人がいるのでした。

 

 

以上、如何だったでしょうか。

「こういう解釈もありだよなぁ」と、一つの可能性の形として。

いつかこの曲に再び触れた時に、そんな浦女での日常の一コマを「すこしだけ思い出して」貰えたら嬉しいな、と思います。

 

だらだらと続けてもこれ以上は説明ができそうにないので、今回はこのあたりで。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました!

Curtain Call:みんなが叶える物語

ーーみんなで叶える物語。

例えばそんなキャッチコピーをもつ、伝説となったグループがこの曲を唄ったのなら、タイトルは「WONDERFUL STORY」だったのかもしれません。

 

 

皆様お久しぶりです。十六夜まよです。

 

TVアニメラブライブ!サンシャイン!!が大団円を迎え、早くも2ヶ月近くが経とうとしております。

挿入歌に絡めて感想や曲考察をまとめていくこのブログですが、しばらく13話を真剣に考える時間を取れず、ズルズルとこんな時まで引っ張ってしまいました……が、そろそろ自分の言葉をまとめる時かなと思いやっと筆を執った次第です。

 

今回は2期第13話挿入歌

WONDERFUL STORIES Sounded by Aqours

2期最後の挿入歌となるこの曲について、感じたことをつらつらとまとめていこうと思います。

だいぶ時間が経ち、各々の中で第13話が、この曲が、そしてアニメ2期全体が整理され理解を深めている段階かとは思うので、新しい視点や奇抜な考察等は含まれていないと思いますが、お付き合いいただけると幸いです。

 

注)歌詞はいつものように下線と斜体で引用とします。

 

 

●STORIES

私が一番最初に気になった部分は、タイトルの「STORIES」が複数形であったことです。

勿論これは「STORY」=「物語」の複数形です。

つまるところ、「WONDERFULな物語"たち"」が唄われるこの曲ですが、この「物語たち」は一体誰の、どんな物語たちなのでしょうか。

まずは私なりに考えた数パターンの「STORIES」の解釈についてをまとめてみようと思います。

  1. Aqoursの物語
    グループとしてのAqoursが、これまでに辿ってきた"キセキ"。
    輝きに触れた千歌が自身も「輝きたい!」と始めたAqours
    実はこのAqoursには既に歴史があり、3年生が2年前に結成し、一度は夢破れ、そしてダイヤの働きにより再び動き出した物語。
    夏の大会では一度敗退するも、新たな目標を得て再度走り出したAqours
    初の決勝大会出場を決めるも、廃校を免れることはできず再び目標を失ってしまったAqours
    最後は浦女生徒全員の希望を繋ぐため、歴史に名を刻むことで「物語」を永遠のものとしようとしました。
    そして3年生の卒業を迎え、Aqoursのこの先は……?
    実はまだ終わっていないAqoursの物語は、それだけでも多くの場面、歴史を切り取ることができ、この数々の"キセキ"はそのまま「STORIES」だと言うことができるでしょう。

  2. Aqoursメンバーそれぞれの物語
    「スクールアイドルとして、輝きを目指しがむしゃらに駆け抜ける、9人の少女たちのストーリー。それがラブライブ!サンシャイン!!です。」
    浦ラジでよく耳にするこのフレーズは、そのまま「STORIES」の答えになっていそうです。
    勿論、1つの目標を目指し力を合わせているメンバーですが、ことAqoursに関してはその活動の中で各々が個人の自己実現のため、多くの葛藤や経験を通して成長を遂げています。
    特に2期に入ってからはその描写は多く、メンバーそれぞれにフォーカスした時に9人分の色濃い物語が展開されていました。
    Aqoursの活動を通して語られた、9人9色の青春の物語。これも「STORIES」となるでしょう。

  3. Aqoursの音楽の物語
    私は挿入歌について、過去の記事で「節目節目でその歌詞には意味があり、内容は物語に寄り添ったものである」としていますが、それはつまりストーリーの中で物語を象徴する大きなまとめであるということです。
    歌詞の中にも
    思い出からは 流れるメロディー
    とあるように、思い出(=物語)とメロディー(=挿入歌)は密接な繋がりがあります。
    そしてこの曲の映像では、過去の挿入歌の場面、衣装を1期からすべて挿入してくる、という超必殺技が炸裂しました。
    これまでのAqoursのキセキの中で、節目節目を飾ってきた挿入歌達が、最後のこの場面で一堂に会し、目まぐるしく画面を彩る光景はまさにキセキの共演と呼ぶに相応しく、それこそがAqoursが奏でてきた物語たち」なんだと言えます。

  4. "みんな"の物語
    そして、ラブライブ!サンシャイン!!を通して輝くのは、千歌達Aqours9人だけではありません。劇中に登場した浦女の生徒たちをはじめ、応援してくれた家族、そしてSaint Snowの2人、決勝のAqoursを見た少女たち等、Aqours以外の登場人物について、それぞれの物語がそこにはありました。
    さらにはキャストのあんちゃん達9人のAqours、楽曲のクリエイター陣や制作スタッフなどなど……現実世界まで広げると、そこには無数の輝きが存在します。極めつけは、私達ファン一同でしょうか。これまでのAqoursの輝きを目撃し、それぞれの形で自己実現を目指し、「輝きたい」と願う気持ちは、既にひとつひとつの「物語」として動き始めているはずです。そんな、輝きに触れたすべての人々の物語。これら全てについて素晴らしいものなんだよ、気がついてよ、と唄うこの曲は、まさしく「WONDERFUL STORIES」の名を冠するに相応しいのではないでしょうか。

 

冒頭で触れた、「μ'sなら『WONDERFUL STORY』だったのでは」という考えは、比較してどちらが良い悪いという話ではありません。

μ'sは、穂乃果は常に「みんな」との同調を大切にし、多くの問題は皆と分かち合うことで解決してきました。(責任感を一人で抱え込んでしまったために問題が起こったこともその一端だとは思います)

そうやって紡がれた物語は、μ'sが、そして地域の人々とが強く結びついて実現したひとつの大きな夢でした。それはまさしく「みんなで叶える物語」であり、「WONDERFUL STORY」と呼べるものでしょう。

 

一方Aqoursは、特に千歌は常に個々との対話を大切にしてきたように感じます。例えば1期第10話の梨子との場面、第11話の曜とのやりとり。

他のメンバーも3年生はそれぞれが悩みを抱えた時に別の2人が動く形でしたし、2期第8話ではルビィに対してダイヤだけが対応していました。

そして2期第12話の「勝ちたいか」を全員に問いかけるシーン。穂乃果だったら9人で会話し、「気持ちは一緒だよね」というようなまとめ方をするところを、千歌は全員と1対1で会話し、全ての想いを拾い集めていました。(直前の神田明神でのお参りのシーンも、願いをそれぞれが口にするというμ'sとの違いが印象的でした)

上記2.の項目とも関わりますが、Aqoursの活動の中でAqoursとして」とは別の形で、それぞれが「私はこうしたい、こうなりたい」という想いを持って、それぞれの輝きを求める物語が「ラブライブ!サンシャイン!!」だったというように感じているので、それぞれの想いを大切にする、というAqoursのスタイルは「みんなが叶える物語(達)」、即ち「WONDERFUL STORIES」と言えるのではないか、と私は結論づけました。

 

 

●千歌の「輝き」

そんな、それぞれの輝きを実現したい少女たちの物語で、主人公である高海千歌は、結局何を求め、何がしたかったのでしょう。

彼女の求めた「輝き」とは?という部分について、曲の内容ともリンクするので少しだけ考えてみようと思います。

    • 紙飛行機の件
      千歌の母と、志満、美渡がいる場面での会話で、「紙飛行機」に触れる部分があります。
      紙飛行機についてはOPの中や2期第1話の段階から登場しており、当初から何を象徴するものなのか、という考察は色々されていたように感じます。
      これが「自分の力で飛ばすもの」「自然には動き出さないもの」であり、夢や目標、輝きといった空へはばたくためには、最終的には自分の強い気持ちや胸に秘めた情熱のようなものを原動力としていかねばならない、という象徴であると私は感じました。

      それはさておき、この高海千歌という人物、やはりなかなかに大変な人生を歩んでいるように感じています。
      老舗旅館を切り盛りする夫妻のもとに生まれた、3人姉妹の末っ子ということになりますが……。
      長女はその手腕から女将の不在を預かる若女将と言える存在で、器量もよく常に周囲からの期待を受け、また本人も努力を伴いつつそれに応えてきたと思います。
      次女は多少ガサツなところがありながらも要領よく立ち回ることができ、竹を割ったような性格は人を惹き付け周囲の人間関係に恵まれているのだと思います。
      そんな2人の姉と共に育った千歌にとって、どうしても超えられない壁はこの2人だったのではないか、というのが私の考えです。

       以前Twitterにこの考えの元になる思考を投下していましたが、果南や曜の存在以前にやはり姉2人は「普通怪獣」を生む理由となり得るのかな、と。
      幼少期の遊びとして姉と一緒に作った紙飛行機、千歌のものだけ上手に飛ばない、長い時間飛ばせない……そんなことがあって、真っ先にやめるようなことがあったのではないか。
      美渡に憧れて「みとねえと同じことがしたい!」と始める習い事やクラブ活動なんかも、少し歳の離れた姉には敵わず、そして美渡も性格上千歌に容赦することは少なく……もしも千歌が普通以上に何かをできていたとしても、常にその上に立つ存在はいたのではないか、そんな風に思えてならないのです。
      これは志満や美渡が悪いという話ではなく、姉妹という存在の設定上避けて通れない構造であると思いますし、末っ子はそういうもの、とも思えます。
      私自身の経験上、どうしても弟妹には負けたくない、とか格好良いところは見せたいとか……守るべき存在であると同時に、やはり負けられないライバルみたいな感覚も存在しました。特に美渡に関しては、千歌との関係の中で図らずとも「敵」として君臨した次期は存在するのかと思います。
      そんな千歌のある種「敗北の人生」を親として見てきた彼女の母親は、やはり心配になるのでしょう。
      「紙飛行機の件」でも、今回のスクールアイドルの活動でも、自分ではどうしようもない壁とぶつかり、折れそうになった時に「今度は諦めない」という選択肢を娘が掴み取れたこと。それは親として本当に喜ばしいことであったのだと思います。

    • 歩いてきたこのキセキが、輝きだった
      そして千歌は結論を手に入れます。「輝き」はこれまでの自分の歩んできた全ての道にあった。そのものが「輝き」だった、と。
      ラブライブ大会を制覇し、得た喜びは、もしかすると期待していたものとは少し違ったのかもしれません。

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      「わかった。私が探していた輝き、私達の輝き。
      足掻いて足掻いて足掻きまくって、やっとわかった。
      最初からあったんだ。初めて観たあの時から。
      何もかも、1歩1歩、私達の過ごした時間の全てが、それが輝きだったんだ。
      探していた私達の、輝きだったんだ……!」
      曲の間奏でそう語る彼女の、この一瞬の表情が本当に印象的で、この瞬間についに千歌は自分の「本当にしたかったこと」に気付くことができたのだなぁ、と感慨深いものがありました。

      そんな彼女、もしくは彼女達が辿り着いた「輝き」の形はシンプルで、それが歌詞の
      本当は持ってたんだよ
      という部分に繋がっていくのだと思います。

      この「求めた幸せや夢、大切なものは、自分の手近なところにあった」という結論を得る物語は、俗に言う「幸せの青い鳥」理論だと思います。
      メーテルリンクのこの『青い鳥』は、「2人兄妹のチルチルとミチルが、夢の中で様々な国に幸福の象徴である青い鳥を探しに行くが、結局のところそれは自分達に最も手近なところにある、鳥籠の中にあった」という物語で、Aqoursの活動の中で鳥の羽が青に変わっていったことや、歌詞中の
      青い鳥 探してた 見つけたんだ
      でも カゴにはね 入れないで 自由に飛ばそう
      の部分等、モチーフだと見ることができる根拠は多いと思います。
    • 夢みたものは
      少し話が逸れてしまいますが、私の好きな合唱曲の中に「夢みたものは…」という曲があります。
      作詞立原道造、作曲木下牧子による混声4部合唱なのですが、私は第13話を観て、WONDERFUL STORIESを聴いた時にこの曲のことを強烈に想起しました。
      モチーフはこちらも「青い鳥」となっていることは想像に難くないですが、その上で歌詞の内容がだいぶAqoursのこととリンクするなあ、と、感動を覚えた次第です。
      本来、物語と無関係な曲や詩を持ってきて「似てますよね」という話はさほど意味を成さない……というか、様々な意味がそれぞれの音楽に含まれるのでそれをつなげることはこじつけに近いのですが、だからこそ「この曲は実質ラブライブ!サンシャイン!!なのでは」という考え方は面白く、他のアニソンやポップスからも「輝き」を見出している人が多く感じられたので、私なりの立ち位置からひとつの可能性を提示させて頂きます。
      名曲なので、皆様にも是非聴いて頂きたいです。

      『夢みたものは』
      夢みたものは ひとつの幸福
      ねがったものは ひとつの愛
      山なみのあちらにも しずかな村がある
      明るい日曜日の 青い空がある

      日傘をさした 田舎の娘らが
      着かざって 唄をうたっている
      大きなまるい輪をかいて
      田舎の娘らが 踊りをおどっている

      告げて うたっているのは
      青い翼の一羽の 小鳥
      低い枝で うたっている

      夢みたものは ひとつの愛
      ねがったものは ひとつの幸福
      それらはすべてここに ある と

      www.youtube.com

 

 

●誰のためのカーテンコール?

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それでは曲本編に入りましょう。

とはいえ、あまり語るべき部分は多くありません。ほとんどの要素はこの記事のここまでで触れてしまいました。 

スタートの調性は変イ長調で、これは未来の僕らは知ってるよ「WATER BLUE NEW WORLD」のサビと同じ調……平たく言えばラブライブ!サンシャイン‼」2期を象徴するメロディセットです。(本当にざっくりですが)

この曲の最大の特徴はそのてんこ盛り感といいますか、これまでの挿入歌衣装が全て登場し、めまぐるしく場面転換していくところですが、これがまさに私が「カーテンコール」と呼ぶ理由となっています。

 

カーテンコールとは、舞台などで演目が全て終わった後、役者さんが全員出てきて観客に挨拶をする、というものですが……これは「終演」時に行われる挨拶です。

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本編最後にこうやって幕が下りたため、それについて「Aqoursのカーテンコールだ」と考える人もいるとは思いますが、私は少し解釈が違います。

「STORIES」の項目でも触れましたが、これまでの物語を彩ってきた挿入歌達は、その映像と、衣装と共にありました。

Aqours9人は今後の劇場版等でまだまだ姿を見せることとなるため、言わば「出番がある」状態ですが、各挿入歌の衣装達はどうでしょうか。

アニメ2期を締め括るにあたって、1期から通して「曲の顔」として輝いてきた衣装達……これらは、十分に「登場人物」と呼べる存在ではないかと私は考えます。

そして、だからこそこの曲はその挿入歌達・衣装達にとっての最後の顔見せである「カーテンコール」なんだ、というように感じました。

常に挿入歌という名の物語達と共にあった物語。その締めくくりとして、またさらに先への展開として、今は一旦幕を下ろす。そんな意味を持たせるものとして、この演出は素晴らしいものだなあとただ涙を流すばかりでした。

 

●思い出からは流れるメロディ

蛇足かもしれませんが、順にその物語達を観ていきましょう。挿入歌と共にあったこのブログにとっても、それは必要な振り返りだと感じます。

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決めたよHand in Hand

まずこの段階でズルいですよね。

千歌と曜と梨子、3人が出逢うことで始まる最初の一歩の曲の再現を、9人で、しかも最後に「寄せ書き」を行った校舎をバックに行うなんて……。

あの時の桜が、今では180℃別の意味を持っていて、でもだからこそ先に進める。

いつもいつも 追いかけていた
届きそうで 届かない ミライを

この歌詞は、ただただ憧れて燻る、千歌の最初の心だったのでしょう。

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ダイスキだったらダイジョウブ!

だから だから 君に会えたよ
一緒に いてくれて ありがとう

梨子との出逢い、そして曜がいつも一緒にいてくれたこと。

その2人に支えられ、3人のAqoursは最初のステージを迎えます。

善子が変装してたり、ダイヤの足元に発電機があったりと、完全に当時を再現する芸の細かさ、大好きです。

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夢で夜空を照らしたい

足りないって気分 悔しかったんだ
もっと 欲しくなる
特別な何か 探す冒険
そして ここに来て
やっと みつけた!

「悔しい」という気持ちは、東京で「0」を突きつけられて、初めて手に入れた感情でした。

ここからAqoursが、Aqoursだけの特別な輝きを求める活動に入ります。東京のエピソードに合わせて初代Aqoursの姿がちらっと見えるのも、愛が詰まっていて素敵だなぁと思いました。

 

そしてサビです。

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未熟DREAMER

ここで未熟DREAMERを持ってくるのも本当にズルいですよね。

曲の冒頭、9人揃ってスタートするこの曲のサビメロディを、本サビのタイミングで「9人が初めて揃った曲」とリンクさせて展開する流れは鳥肌モノです。

主題である

本当は 持ってたんだよ
僕たちは みんな持ってた
胸に 眠る輝き めざめる前のチカラ

この歌詞をこの曲と、次の曲で1番のサビとして使う演出は、1期からこのアニメを愛してきた人たちにとってどれだけ感動的なものかは、この記事を読む全ての人が知っていることでしょう。

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想いよひとつになれ

まあ、今更私が何か言うことはないです。本当にありがとうございました。

本来のフォーメーションとは違い(いや、これが本来のフォーメーションなのか)、梨子のスペースがあること、1期11話に比べて客席のサクラピンクが満開であること等、この曲に付与された新たなストーリーが反映されているのは流石としか言いようがありません。

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MIRAI TICKET

リピートしてのサビメロディ2回目は1期のラスト、MIRAI TICKET

夢を 駆けて来た 僕たちの 物語

この「駆ける」という歌詞が本当にこの曲とマッチしていて、さらに腕を振って足を上げる振り付けがそれを強調しています。

サビ全般に言えることですが、この振り付けはなんとかコピーしてライブの時には一緒に踊りたいくらいですが、少々難易度が高いですよね……。

 

そして!

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「MY舞☆TONIGHT」

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「MIRACLE WAVE」

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「Awaken the power」

思い出からは 流れるメロディー
あたらしい夢が 聞こえる

怒涛の2期挿入歌ラッシュです。

音楽は、時に歌詞そのものと密接にリンクした表現がされることがあります。

例えば「冷たい」という歌詞で暗く低く響く音を出したり、「ノロマ」という歌詞の時には長い音符をじりじりと演奏し、鈍重な感じを出したりします。

「風」という歌詞に対しては途切れない、繋がった音を細く美しく繋いだり……そういった、歌詞と同じイメージのメロディを流すことでお互いが強調される手法があり、ここではそれが用いられているように感じました。

つまり、「流れる」というフレーズに合わせて一気に「思い出」となる2期の挿入歌たちを順に繰り出すことにより、流れる思い出=一種の走馬灯のような、駆け抜ける青春のイメージを歌詞以外の部分でも表現しているのがここのパートなのだと思います。

そんな「流れるメロディー」からは「あたらしい夢」、つまり2期からの新曲が「きこえる」という、詩と曲が多重に絡み合った濃厚な演出がこの数フレーズに詰め込まれています。

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「WATER BLUE NEW WORLD」

遠くへまた 行こうよ
DREAMING DAYS

最後はWATER BLUE NEW WORLDでシメ。完璧な流れです。

「ミライへ向かおう」と唄ったこの曲の衣装で「遠くへまた行こうよ」と、何度でも夢を見られるよと言ってくれるのは救われた感じがしてこみ上げるものがあります。

最後が「DREAMING DAYS」というフレーズで締め括られているのは、「WONDERFUL STORIES」と同じ意味なのかなという気がします。

 

●輝きのメロディ

間奏の千歌のセリフを挟み、曲はCメロへと展開していきます。

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青い鳥 探してた 見つけたんだ
でも カゴにはね 入れないで 自由に飛ばそう

前述の通り、ここで「青い鳥」という言葉が出てきます。

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大きな丸い輪をかいて、田舎の娘らが踊りを踊っているんですよね……。

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答えはいつでも この胸にある
気がついて 光があるよ

歩んできた道が、輝きだった。その言葉が、その全てがこのCメロに詰まっています。

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「光があるよ」の声とともに、Aqoursは天を仰ぎ、体育館の窓からは降り注ぐサンシャイン。まさに、といった感じで、そこからいよいよのクライマックスです。

 

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そうだね!

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本当は!

ここにきてサビのフレーズリピートからの転調ですよ!転調!

大好物です。本当にありがとうございました……。

そして、転調後の調はイ長調勇気はどこに?君の胸に!「WATER BLUE NEW WORLD」のクライマックスと同じ、前回の記事では「輝きの調」だと定義したメロディです。

「ラ」という音は、度々音楽の基本点となります。

例えばドイツ音名のABCD…はA(ラ)からスタートですし、楽器のチューニングに使われる基準ピッチはA440と呼ばれる、440Hzの音で、これがラの音です。

赤ちゃんが生まれて初めて泣く時の鳴き声は、世界共通でラの音なのだそうです。他にも時報がこの音だったり、サイレンだったり、響きやすくて耳で認識しやすい音だからなのでしょうか。

イ長調は、そんな「ラ」の音を基本とする、音楽の王道とも呼べるメロディだと言うこともできるでしょう。

「輝かしく確信と希望に満ちる。単純、純粋、快活。誠実な感情に適する」

と表現されるこの調は、まさしく「ラ」ブライブ!にぴったりで素敵な調性といえるのではないでしょうか。

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キーが上がって、本格的にクライマックスといった雰囲気のサビは、光溢れる校庭の風景も相まってとてつもなく大きな力を感じるものとなっています。

調性が同じなので当然といえば当然なのですが、「勇気はどこに?君の胸に!」でも感じるこのグランド感というか、世界の素敵な響きを全て内包しているような壮大で突き抜けるような高さの、青空と青い海のメロディはまさにAqours、といった感じで感動的と言わざるを得ません。

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ラストは虹の"輝跡"でシメ、と徹底しております。

本当に、キラキラしていて壮大な「物語たちの物語」となりました。

いつかまた はじまるんだよ
次の DREAMING DAYS

「次の」という部分に「終わりではない」という明確な意志が感じられて、希望に満ち溢れる終わり方が本当に大好きです。

 

 

●L

最後に、この曲の振り付けで私が一番好きな部分を紹介して終わりにします。

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いつかまた!で掲げられるこの指の形は、空を指差し上へ向かう紙飛行機の心を、

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それが前に向けられる様は「前へ進み続ける」意志を。

そして同時に折り曲げられる手首は「手招き」のようで、「あなたも一緒に」というAqoursからのメッセージにも見えます。

また、「L」の形は「ゼロからイチへ」進んだAqoursの精神そのものでもあり、ひいては「Love Live!」の「L」でもあります。

行進のようにテンポよく刻まれる伴奏に合わせてLの字にした指を徐々に下ろしていくこの振り付け、どう考えても「皆で一緒にやろうよ」って言われているように感じますし、私はこの曲が演奏される場面ではきっと一緒にやると思います。

 

輝かしく希望に満ち溢れたこの挿入歌でアニメ2期が終わりを迎えられたことは、本当に嬉しく思えますし、そんな曲の考察で幸せな気持ちでアニメ2期の記事を書き終えることができることは素敵なことだなぁと改めて感じます。

挿入歌は節目で物語を彩るものである、という中でカーテンコールとなったこの曲の立ち位置については、挿入歌というよりもエンディングテーマに近いものだとは思いますが、そもそもの主題が「これまでを振り返る」「ここまでの道程が輝きである」というテーマの曲なので、アニメ全体を振り返る形で幕を下ろす、最高の挿入歌であることは間違いないと思います。

 

といったところで、今回の記事を締め括ります。

放送終了後からかなりの時間が経ってしまいましたが、改めてアニメ本編を振り返りつつ、やっぱり感動的な話だったなぁと再度涙することができたので素晴らしい機会だったと思います。

 

今後の予定はしっかりとは考えていませんが、曲の考察ブログらしく、各曲を唄うそのメンバーの歌声に焦点を置いた記事なんかを書いてみたいと画策していますので、そちらの更新の際には改めてよろしくお願いいたします。

 

それでは、またの機会に!

水色の新世界:「今」を重ね向かう「未来」は

皆様こんばんは。十六夜まよです。

 

ラブライブ!サンシャイン!!TVアニメ2期 第12話「光の海」、そして挿入歌の

WATER BLUE NEW WORLD Sounded by Aqours

素敵でしたね。

今回も挿入歌があり、「歌」を中心としたストーリーの展開、そして物語の本質である高校生の部活動と、その大会出場への意味や意義、「勝つ」こととは?等多くの感動を引き寄せる内容が盛り沢山だったと思います。

この記事では私なりの視点から「大会に出場し、勝つこと」と、挿入歌の楽曲分析を中心に第12話を読み解いていこうと思います。

 

注)歌詞は例に倣い下線と斜体で引用とします。

 

 

●いってらっしゃい!Aqours

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いきなりですがアバンのここで学校に向かって「行ってきます!」と宣言するところ、なんかすごく泣けたんですよね。

学校の名前を、そして生徒や地域の人々の期待を背負うことを覚悟して、いよいよ大会へと臨む出発の段階で、各々がこれまでを振り返って順番に集合し、合流した最後に発する「行ってきます」。

今回、本番直前にAqoursメンバーがそれぞれ向き合うのは、自分自身と、そして「勝ちたいか」という大会出場への本質的なテーマでした。

その一番の動機となる学校のことを踏まえた上で、ここの出発のシーンを観ると感慨深いものがあります。

 

 

●「勝つ」とは

少し本編の内容とは逸れますが、ラブライブ大会は高校生の部活動における全国大会であり、そこには順位をつけ、優劣を決める競争のシステムが取り入れられています。

例えば得点を競う球技や、ゴールへの到達スピードを純粋に比べる陸上競技等と違い、スクールアイドルの大会も審査員や観客の投票というある種の「見えづらい」基準で優劣を決定する芸術分野の大会であると思われるのですが、こういった大会に付き纏うように考えられる1つの不思議な思想があります。

 

「勝ちたいか。勝つために(音楽を)するのか。」です。

 

……少し自分語りが入ります。

私も高校・大学を通して合唱団に所属しており、各種コンクールや大会への出場を経験しました。全国大会で金賞を取るレベルまで勝ち進んだこともありました。

それでもやはり皆壁にぶつかるのです。「勝つために演奏をするのか」と。

 

「いい演奏をすれば満足だ」「自分との戦いなのだから相手は関係ない」といった声もありますし、それはとても高尚なことでしょう。当時は私もそういった、いわば「平和主義な」考えをしていたかもしれません。

ですが同時に、「勝つこと」を見失ってしまうと何も叶えられないという限界も確かに存在しました。

大学時代、私の学年が中心となる年に、その年の開催を目指して計画していた他大学とのジョイントコンサートが頓挫しました。その活動予定だった時間を埋めるため、では何をしようかとなった時に出場を決めたのがコンクールでした。(毎年、コンクールに出るかどうかは協議の上で決める団体でした。)

傍から見れば八つ当たりです。仕方なく出ることにしたのか等と言われることもありました、が、我々はそこに情熱を集中させました。

結果は全国大会初出場、そして金賞獲得。プロの指揮者ではなく、学生指揮者による演奏での快挙でした。

成し遂げられなかったことの悔しさをぶつけ、歴史に名前を刻む。思い返してみれば、あれもある種の「キセキ」の物語だったのでしょう。

「今はただ、勝ちたい」という闘争心のようなものを、当時の私達は確かに持ち、それこそが結果へと繋がるエネルギーであったのは間違いありません。

 

「勝ちたい」も1つの根源的な欲求であり、「楽しむ」や「良いパフォーマンスがしたい」というキレイな動機にも迫るエネルギーを持つことができる。そんな「大会」としての本質に、真っ向からAqoursが挑むのが今回の話の根幹だったのではないかと思うのです。

 

μ'sは、今を精一杯楽しんで、一生懸命走ったら結果がついてきたという奇跡の物語を展開しました。それは本当に眩しくて、誰から見ても王道の素敵な神話です。

Aqoursの物語は、そんな神話に憧れた、ただの人間たちのお話でした。「やれることはなんでもやる」と千歌が宣言したように、やはり大会だって「楽しむ」「輝く」といった気持ちだけでは先に進めなかったのでしょう。

足掻き、もがき、自分を乗り越えて決勝への切符を手にした時に改めて考えるべき「勝ちたいですか?」という問い。

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1期第12話の意趣返し。たまらないですね。

当時は「勝ちたい」というSaint Snowの思想は、どちらかというと不純なものとして見られがちでした。音楽や芸術の分野では、どうしても「相手を倒す」という考え方は直接的には避けられているのかもしれません。

夏大会にAqoursSaint Snowの差として現れた「勝利への渇望」については下記記事でも触れているのでお時間があれば目を通してみて下さい。

 

それでも「Come on」と呼ぶ相手は:吹雪と姉妹の円舞曲 - AQUARIUMと愛のうたをめぐる冒険

 

ともあれ「勝ちたい」という本来であれば「楽しむ」とは正反対となり兼ねない要素を持つこと。そのくらいの覚悟と決意がなければ最後の舞台では戦えないこと、を最後に聖良からアドバイスされる形になったのだと思います。言わば、Aqoursが気付くべき「最後の勝利条件」とも言えるでしょう。

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そして「勝つ」ことを意識すると同時に見えてくる他者の存在

第7話で「他のグループなんて関係ない」と宣言した千歌でしたが、自分たちが、学校の皆が勝利への強い想いを抱いていると気付いた時に、他者もまた同じ想いと物語を背負って大会へやってきていることに気付きます。

「勝つ」とは、そんな他の存在すらも薙ぎ倒し、最後に自分たちだけが立っていることを望むということ。

敗者の物語を辿ってきたAqoursには、負けることの悔しさは誰よりも理解できます。

自分たちが勝つことで、他の誰かは敗者になる。そういった気持ちも全て背負って尚「勝ちたい」と言うことは、実際どれだけ強いことか。

神田明神に飾られた他グループの絵馬は、そんな「大会の残酷さ」を際立たせ、Aqoursが勝利へ向けて並の覚悟ではないこと、それでも勝つという選択をする意志の尊さを描写していたように感じました。

 

 

●春の息吹のリフレイン

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一夜明け、メンバーは本番前にそれぞれの気持ちと向き合うために個人行動を取ります。

ここで梨子の弾く想いよひとつになれからの「海に還るもの」は、それぞれの想いを紡いでいく演出と見事にマッチし、非常に感動的なものでした。

そもそもこの曲が上手に演奏できないことがキッカケでオトノキを飛び出し、内浦へとやってきた梨子。そこで千歌達と彼女が出逢ったのがAqoursの始まりのひとつでした。

その因縁とも言える曲を音ノ木坂学院の音楽室で晴れやかな表情で演奏できるようにまでなった梨子の成長と、その歩みには確実に意味があったことが感じられて、とんでもなく涙腺に来る場面でしたね。

梨子がオトノキの思い出をリフレイン。素敵でした。

 

そんな演奏をバックに千歌が他メンバーとの「勝ちたいか」というやり取りを思い返す演出は、決戦前の意思確認というような感じで王道を辿っており、徐々に高まるボルテージを彩るものでした。

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「勿論、勝ちたいですわ。」

と言い切る我らがダイヤさん。

スクフェスでパートナーに設定してあると聴けるボイスに、「黒澤家に相応しいのは常に勝利のみ。覚えておきなさい。」というものがあるのですが、メンバーで一番負けん気が強いのは彼女なのではないかな、と密かに思っています。

それと同時に、生きていく中で当然のように勝利を義務付けられている、なんて側面も存在するのかもしれません。

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そしてその上で、Aqours黒澤ダイヤとして誠心誠意歌いたい。どこであろうと心を込めて歌を届けるのが、スクールアイドルとしてのわたくしの誇りですわ!」

と晴れやかに語る表情には迷いがなく、本当に「好きなこと」であるスクールアイドルと向き合える喜びに満ちているように思えました。

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この想いは「ルビィは一人じゃ何もできなかったのに、スクールアイドルになれてる。それだけでも嬉しい」と語るルビィと共通するもので、スクールアイドルを愛した姉妹の想いはここで繋がっているのだとしっかり確認できました。

勝つことと同時に自分たちの満足をも求めている姿勢、実はとっても欲張りで難しくて、だからこそ「何かを掴むことで何かを諦めない」と唄う想いよひとつになれがBGMとして添えられているのかもしれないと思いました。

そんな、様々な理由を持ちながら、それでも全員がハッキリと「勝ちたい」と口にする決意の確認。少しずつ「想いの欠片」を集めていく、そんな千歌のリフレイン。温かかったです。

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そして動機をめぐる物語は千歌本人へ。

1年前、全てが始まった場所で曜とともに再び走り出す千歌。

伊波杏樹さんが一番好きだと語る1期第1話のアバンシーンと構図を重ねる演出は、24話越しの長く遠いロングパスとなって我々の記憶を掘り起こします。劇伴も重ねてきているあたり本当に憎い演出ですよね。

ラブライブ!サンシャイン!!そのもののリフレイン。あの時と同じ春風に乗せて、いよいよ最終局面へ動き出します。

残るは2年生の決意の確認です。

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「勝ちたい?」という千歌の問いに曜はノータイムで「勿論!」と返します。

「やっと一緒にできたことだもん。」と。そしてその上で

「未来のことに臆病にならなくて良いんだよ。」と今の千歌の僅かな迷いを拾い、想いをぶつけることに対して、曜自身ももう臆病ではありません。

ここまで積み重ねてきた千歌と曜の関係が最高の形で昇華され、この2人はもう大丈夫なんだと安心させられます。曜ちゃん、良かったね。

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そして梨子です。「奇跡」の文脈を用いた上で、

「この道で間違ってなかったって証明したい。今を精一杯全力で、心から!」

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「"スクールアイドル"をやりたい!」

1期第2話のリフレインです。ずるいですよね。ここにきてついに梨子が「スクールアイドルをやりたい」って願いを持ってくるなんて誰も思わないじゃないですか。

普段あまり涙を見せずに、冷静に全体を見ていた彼女が、ここまで感情を露わに「勝ちたい」と叫ぶ。これぞ青春です。

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「ありがとう。ばいばい。」

そして千歌は、最後に「あの頃の自分」と別れを告げ、勝つために普通のまま、怪獣で良いという決意で前に進みます。

「全力で勝ちたい!」という宣言は、先述した想いの全てを背負って勝者になるということ。ここで覚悟完了したことにより、最後の勝利条件はクリアされました。

 

あとは、演るだけ。

 

 

●過去から今へ、その一瞬の交差点

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考察と言うほどのものではないですが、集合のシーンでメンバーが集まっていく際に各学年ごとに時間軸が決まっているように感じました。

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過去を話す3年生。ですが、「ずっと一緒に」というダイヤの「書いたこと」が実現しているこれからは、過去であり未来です。

離れていても、同じ空の下、心は繋がっている。これ本当良い言葉ですよね。

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1年生は未来のことを語ります。きっと来年にもこの3人は一緒にいるのでしょう。

なんとなくそれを不安に思う善子も、それを察して大丈夫、と元気づける花丸とルビィも、1年を通して逞しく成長しました。

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そして「今」を駆ける2年生。千歌のこの後姿、EDと同じですよね。

この背中を追いかけて、皆が走ってきた。そんな「今」のAqoursそのものである千歌と2年生に引っ張られて、1年生も走り出します。

そしてそこへ合流する3年生ですが、いるのは道の反対側。

初代Aqoursと2代目Aqoursが、歩道橋という道の交点でその運命を交わらせます。

この後はまた、それぞれの道を歩む3人と6人が瞬間的に1つになれているその交点こそが、「今」そのものであり、その瞬間の輝きこそがAqoursそのものだという、刹那的な輝くの美しさを描くスクールアイドルの描写だったのかなと考えることができる気がします。

 

 

●高空から望む新世界

さて、いよいよライブパート、曲分析です。

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今は今で昨日と違うよ
明日への途中じゃなく 今は今だね
この瞬間のことが

冒頭、鞠莉→花丸→梨子のソロが繋がる歌声は、鞠莉の柔らかいタッチを活かす形で花丸がふんわりと引き継ぎ梨子がさらに後続の黒澤姉妹に受け渡す構図となっています。一番槍となり先陣を切るまるまりこ。春の風に乗り、ハリケーンブロッサムの本領発揮です。

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重なっては消えてく
心に刻むんだ WATER BLUE

ダイヤとルビィ、それぞれが曲の雰囲気に合わせてかなりの音色の変化をつけているように感じます。ダイヤは重たさを無くし、ふわっと軽い声にルビィはキンキンした高音を抑え、しっとりと優しい響きに。それぞれをキャラの声をキープしながら表現してきている小宮さん降幡さんの、技術レベルの高さを感じるソロでした。

歌詞は「昨日(=過去)」とは違い、さらに「明日への途中」でもないという「今」を刻むというAqoursらしい内容です。

神田明神Saint Snowの2人が語った、「まるで雲の上を漂っているようだった」という表現がそのまま演出となっているのですが、この「雲」は「憧れの舞台」の象徴でまさに「雲の上」の場所であること、そこでの演奏は天にも昇る気分である、という心理描写なのだと思います。その上で、もう一つ仕掛けがあるのですが……。それは後述します。

 

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ギターの疾走感あるイントロを抜けたAメロはまず残りの千歌→果南→曜→善子のソロとなります。

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悔やみたくなかった気持ちの先に
広がった世界を 泳いできたのさ

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"諦めない!" 言うだけでは叶わない
"動け!" 動けば変わるんだと知ったよ

先述したダイヤとルビィの声質コントロールに合わせるような形で、曲前半では全員一貫してしっとりめの音色で声が作られているように感じます。普段高めでピリッとしがちな果南の声も、音程の割に上手く抑えられており、極めつけは善子の「知ったよ」の抜け方が本当に優しく、丁寧に表現されていました

歌詞の「言うだけでは叶わない 動けば変わるんだと知ったよ」はユメ語るよりユメ歌おうで唄われる、「理想を語るよりもまずは行動」という「輝きへの第一歩」の条件を提示しているものであり、Aqoursのこれまでの道のりを端的に表す素敵なフレーズだと思います。

ちなみに、大量の転調(=キーの変更)で印象をくるくると変えてくるこの曲ですが、このAメロからBメロの頭までは「MY舞☆TONIGHT」サビと同じキーが使われており、「道のり」を示すイメージとリンクさせているのかな、と考えることもできます。

 

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ずっとここにいたいと思ってるけど
きっと旅立ってくってわかってるんだよ

3年生パートと1年生パートの対比は歌詞の内容と振り付けそれぞれが真逆のことを行っており、去る者残る者送られる者送り出す者の立場をハッキリと描写しています。

この曲は、大会での決戦曲であると同時に、Aqours1,2年生から3年生への卒業ソングでもあると思っています。だからこそ、3年生は今を重ねた先の未来を見つめ、最後の舞台での輝きを精一杯に楽しんでいるのでしょう。

 

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だから この時を楽しくしたい
最高の ときめきを 胸に焼き付けたいから

そして、Aqoursを復活させて、「今」を創り出した2年生が「この時を楽しくしたい」と歌い上げます。

転調したキーは届かない星へ手を伸ばし、奇跡の波紋(=MIRACLE WAVE)を起こす変ホ長調千歌が掴み取った、決勝へ繋がるメロディです。

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1年生と3年生のハイタッチは、先述した「送る」「送られる」関係の現れのように見えました。立場のスイッチは、これからのAqoursを担うのが現1年生であることを示唆しています。

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そして、この曲最大の演出であるスカートのパージ。

舞い散る青い羽根は、Aqoursの掴んだ希望の象徴か、新たな輝きの可能性か。

モニターの前の少女達にも、その輝きは羽根の形で届けられます。かつてμ'sが掴み、飛ばした白い羽根はSUNNY DAY SONGで全てのスクールアイドルに平等に振り撒かれました。

1期ではそれを掴んだ千歌でしたが、あくまでもその輝きはμ'sの考え方の上でのもの。2期第7話で透明に消えかけるも、浦女の生徒の声で青く色づき再び舞い上がったWATER BLUEの羽根こそが、Aqours色の新たな輝きの形だったと言えるでしょう。

 

そして、「羽根を飛ばす」ことでAqours空から海へと降りてきます。
先に述べた「雲」のもう一つの仕掛けがこれで、サビ前に上昇音階で盛り上がりを演出するギターと同時に、舞台の視界が一気に晴れ、会場一面のWATER BLUEのペンライトが輝きます。これがまさに「光の海」

水の名を冠するAqoursは、「雨」を味方にし虹をかけ、「波」となってついに憧れの舞台へと届き、北の地では「雪」と共に秘めた可能性を呼び起こし、空に昇っては「雲」となり、そして最後にWATER BLUEの「海」に還るものとなります。

全てが自由に形を変える「水」だからこその柔軟な世界観の形成。2期の物語はそんなAqoursの成長と変化の物語だったのではないでしょうか。

 

 

●衣装イメージに込められたメンバーの役割

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ここでロングスカートをパージしたのは冒頭で最初にソロがあった鞠莉・花丸・梨子でした。この3人の衣装は共通で、純朴な「村娘」のようなイメージに見えます。

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そして次にソロがあったダイヤ・ルビィ・千歌の3人が同じモチーフです。これは正統派の「お姫様」でしょうか。

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最後に果南・曜・善子の3人がセットとなっていますね。こちらもドレス風ですが、黒が取り入れられ少し攻撃的に、「女王」といった印象です。

 

「村娘」は途中でそのスカートを脱ぎ捨て、ドレス風の衣装へと変身を遂げます。

梨子・花丸・鞠莉。「変化を望んだ」のがこの3人だったのではないでしょうか。

花丸は本の世界に篭っていた自分から梨子はピアノも、何もかもが楽しくなかった生活から

鞠莉の場合は他2人と少し違い、最初からティアラが頭にあります。これは生まれがロイヤルな家系でありながら、果南やダイヤと一緒にいること(=普通であること)を望んでいた彼女を表すものとして描写されているように思えます。

 

「姫」は各学年の実質的・精神的な「支柱」であると言えます。

千歌は言わずもがな2代目Aqoursの発起人であり、梨子も曜も彼女がいたからこそAqoursとして活動しています。
ですが、彼女だけ頭の飾りが逆に少し「村娘」っぽいのは、普通怪獣の名残でしょうか。

ルビィは函館でのライブを通して、Aqoursの次の時代を担えるリーダーへと成長しているのは第9話を観ても明白でしょう。

そしてダイヤは、空白の2年間を耐え忍び、千歌達にAqoursの名前を引き継ぐことで「Aqours」そのものを守り、繋げてきました。果南と鞠莉を再び繋げたのも彼女の働きです。

 

「女王」はその学年でのバランサーとして働くと同時に、もう一つの役割を持ちます。

現実的な意見を口にし、勢いづくAqoursへブレーキをかける役割が多い善子と果南に、千歌のストッパーである曜。

そしてこの3人は特に「勝ち」を意識した言葉を口にしていたように感じます。

もともと1流のアスリートである曜は、やっと見つけた「千歌と一緒にできること」で迷いなく「勝ちたい」と述べました

学校のため、生徒のためと立場を気にするダイヤや鞠莉に対して、「その2人ともこれで本当に最後だからこそ勝ちたい」と言った果南の気持ちは相当に大きいでしょう。

「勝ちたい?」の問いかけに対して「あんた何言ってるの!?」と反応していた善子にとって、勝つことは当然の目的であり、「感謝しかない」と言った先輩への恩返しであると思われます。

そして「勝ちたい」という気持ちは、北海道でステージを共にした仲間であるSaint Snowのシンボルとも言えます。

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菱形の髪飾りや全体的な色使いは彼女達の想いを受け継いでいるような気がして、さらに「村娘」も「姫」も全体的なドレス感は「Awaken the power」を演奏した時の衣装とイメージが一致しているように思えます。

惜しくも勝利を逃し、決勝では同じ舞台に立てなかった彼女達ですが、そんな想いもAqoursは引き連れて、この舞台に立っているように思えてならないのです。

 

 

●海を渡る歌声

そんな最高の盛り上がりを見せて入ったサビです。

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MY NEW WORLD 新しい場所 探す時がきたよ
次の輝きへと 海を渡ろう

3年生の卒業ソングである、と前述しましたが、このフレーズは特にそれが強いと思います。

それぞれの新しい場所を探して外の世界へと出ていく3年生。

「海を渡る」は海外へ飛び出す鞠莉や果南のことでもありますし、「次の輝き」が次世代のAqoursだとすれば、初代Aqoursを乗り越え、先へ進むことになります。その初代Aqoursを乗り越えるという行動は、大きな海を渡るにも等しい、偉大なことだと言えるでしょう。

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夢が見たい想いは いつでも僕たちを
繋いでくれるから 笑っていこう

ここにきてメンバーごとのカットが渾身の笑顔で映され、最後の転調で「輝かしく確信と希望に満ちる」と評されるイ長調へキーが受け渡されます。

勇気はどこに?君の胸に!もこの調で作られており、きっとこのメロディは「輝きのメロディ」そのものなのではないかと思います。

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今を重ね そして 未来へ向かおう!

そしてラストフレーズは、そんな「今」を重ねて、その先にある「未来」へ向かうというもの。千歌がぐりんぐりん動きます。

「過去」を大切に振り返りながらも巻き戻すことは望まず、「今」が最高と唄ったμ'sに対して、そのμ'sが残した最大の遺産とも言えるドーム大会の場で、「今」を重ね「未来」へ向かおう!という言葉はAqoursの明確な前進と新たな道を歩いて行く覚悟とで彩られていると思います。

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キラキラとしたステージから「未来」を指差す彼女達が見るものは。

 

転調を多用する曲の構成はMIRAI TICKETと通じるものがあり、梨子が繰り出す気合の入った曲ではそんな傾向があるのかなと感じたと同時に、想いよひとつになれ佐伯高志さんの作曲であるこの曲は、そんな「想いの欠片」を集めた第12話の、ひいてはラブライブ!サンシャイン!!のこれまでを総括する、最強の挿入歌であったように思えます。

 

このパフォーマンスがどういう結果を残すのであれ、次回でいよいよAqoursの物語は一旦おしまいとなります。

ホンキをぶつけ合った先に、どういったミライを手に入れたのか。楽しみに見届けることとしましょう……!

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次回は最終話挿入歌によせて。

それでも「Come on」と呼ぶ相手は:吹雪と姉妹の円舞曲

皆様こんにちは、十六夜まよです。

 

Saint Aqours Snowの挿入歌シングル「Awaken the power」、いよいよ発売しましたね。

どの曲もフルバージョン音源が解禁となり、予想以上の盛り上がりが2番以降に用意されていて興奮が止まらない!といったところです。

今回はその中でも特に破壊力が高かった、

DROPOUT!? Sounded by Saint Snow

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この曲の分析・考察をしていこうと思います。

アニメ本編の文脈から独立した、曲単体での分析は久々ですね。

……と言いつつ、アニメの描写からの推測も多く含まれますので、実質第8話・第9話の感想の続きとも言えるかもしれません。

 

注)歌詞は例に倣い下線と斜体で引用とします。また、フルバージョン音源の感想が含まれますので、未視聴の方はご注意下さい。

 

 

●もうひとつの「輝き」を求める物語

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TVアニメ1期では「なんとなくイヤな印象のライバル」として登場するも、2期に入り彼女達をピックアップする物語が展開され、その内面や背景が明らかになったSaint Snow

 アニメ本編では敗者として描かれたSaintSnowですが、彼女たちや他のスクールアイドルにも人生があって、矜持があって、物語がある。

 当初、理亞にはあまりいい印象を抱いておらず、「スカしたヤツ、なんかいけ好かないヤツ」というイメージでした。

  #8・#9を観た今ではもうそんなことは言えません。鹿角理亞のファンです。

 「知ることは好きになること」の第一歩、というのが個人的な持論です。

 

 Aqours 1stライブにて伊波杏樹さんが口にした「Aqoursをもっと知ってもらいたい」という言葉、これはAqoursだけじゃなくてSaintSnowもずっと思っている気持ちのはずです。

 そんなSaintSnowを、鹿角理亞を好きになるためにこの物語を作ってくれた、「知る」きっかけを作ってくれて、ただなんとなく散っていったライバル的なキャラで終わらせるのではなく、SaintSnowを愛せるようになったことに感謝したいです。

 

サンシャイン!!2期感想「#9 Awaken the power」篇|肯定ログ

 私の敬愛するブログ書きである瀬口ねるさん(@_Sengnel_)の第9話記事は全編通して素敵で美しい日本語に溢れていますので、是非ご一読を。

その中で「知ることは好きになることへの第一歩」という言葉は本当になるほどだなぁと思ったところですし、鹿角姉妹がここに来てすんなりとファンに受け入れられているのも、本編での彼女達を「知らせてくれる」描写が多かったことが大きな理由となっていると思います。

 

そんな彼女達の曲、「DROPOUT!?」ですが、私は自分の記事内で以下のように「役割付け」を行いました。

ちなみに時系列的には間違いなくこの曲は「ラブライブ決勝に進むため」作られているものなのではありますが、物語の効果として挿入歌という形を取った時に「Saint Snowの敗退の後悔を映すもの」という役割を持つものに変化してしまっています。

冷静に考えればおかしいのですが、だからこそ本編では歌詞が明かされず、その終了後に内容が公開されています。

そのあたりは、演出材料としての挿入歌が持つ役割ということで素直に受け取るのが1番なのではという風に思います。

 

"Come on!!"の喚び声に引き出される可能性:北海道編・後編 - AQUARIUMと愛のうたをめぐる冒険

Aqoursを中心とした物語の上で、挿入歌の意味を考えたときにはこの曲はそう位置づけられる、と考えるのですが、今回はその文脈を一旦横に置いて、純粋にひとつのスクールアイドルグループであるSaint Snowの、北海道地区予選大会で歌われた曲としての「DROPOUT!?」を読み解きたいと思います。

それだけのことを考えさせてくれるエネルギーがある曲だというのが最初に音源を聴いて思ったことですし、とにかく込められたメッセージが重く、切なく、でも暖かい。

彼女達もまた、スクールアイドルとして「輝き」を求めて大会を勝ち上がろうとした物語の主役の一人であり、そこにもAqoursに負けないくらいの想いがある。

そんなことを思いながら、曲を考えていこうと思います。

 

 

●極寒の闇で「見える」光とは

曲を聴いた時に見えてくる風景や色といったものは、皆さんあるでしょうか。

共感覚」といった鋭敏な能力を持った人には、例えば音を聴いた時に色が視えたり、味や匂いを感じたり、といった現象が起こっているらしいのですが、そうではない人にとってもイメージや印象に自分の経験や記憶を重ねることで、曲の表す世界を想像できることがあると思っています。

私はこの曲を聴いた時に、暗闇に冷える雪原と、容赦なく吹き付ける吹雪を感じました。

イントロで柔らかく始まるピアノのメロディも束の間、アップテンポに鳴り響くダブルバスドラムには、風に舞い叩き付けられる吹雪の厳しさが表現されています。

 

「勝って、その頂きに立ち、そこから見える景色を見てみたい」

以前に彼女達がAqoursへと語った大会出場への動機は、ともすれば勝利至上主義にも見え、「楽しむことは輝くこと」とするAqoursとは相反するもののように思われました。

しかし、言わば「スクールアイドル戦国時代」ともなったサンシャイン!!の時代では「楽しむ」程度の動機では先に進めなかったのも事実であり、夏の大会ではSaint Snowが本大会へ出場する中Aqoursは地区予選敗退と、結果の差が出ているところでした。

その後Aqoursは様々な経験から「自分たちの輝き」を見出して決勝へとコマを進めますが、「勝ちたい」という純粋な欲求が足りないという弱点は、ある意味夏の段階で聖良によって既に指摘されていたとも言えます。

 

そんなSaint Snowが決勝大会へと進むために作ったこの曲ですが、この吹雪のような厳しさは、勝利を目指すにあたり彼女達が自らへ課した高く厳しいハードルなのでしょう。

ここまで来ても 答えが わからない
迷いの中 つかんだはずの光は
本物じゃなかった 闇に 飲み込まれて

勝利を目指し、研鑽を積んでもまだまだ見えない「頂点」という目標。

「自分たちの輝き」としてつかんだはずの光はまだまだ弱々しく、不安という闇へと飲み込まれていきます。

必ず 手に入れるはずの 輝きは どこにある?

地区予選の場面では、未だ届いていない「輝き」。それを模索している最中にあるという苦悩と、それをまだまだ諦めないという挑戦がこの曲のテーマなのかなと感じました。

それでも go to the world!
止められない 出口のない 夢の先を
探そう go to the world!
孤独がほら 今を 引き裂いてる

出口のない夢の先を探す、というのもその「挑戦」であり、「それでも行く」という強い意思は極寒の闇の中にあっても消えない情熱を唄っています。

 

雪の少ない地域の方にはピンと来ないかもしれませんが、雪が降る夜は明るいのです。

雪の結晶が僅かな光を反射し輝くことで、闇を照らし視界を作ります。

吹き荒ぶ吹雪は厳しさの象徴ですが、同時に背景で優しく支えるピアノの音色は、「雪」そのものであるSaint Snowの姿に見えます。

2番歌詞の

空の色が見えないのに 輝きを感じてる!

の部分は、闇にあっても尚もがきながら自らの力で輝きを見出す雪に自分たちの姿を重ね、戦う意思と強烈な感情を表しているように思えます。

 

曲の調性はハ短調。「悲劇的な力、超自然的な感情が込められる」と表現されると同時に、「柔和の中に真剣な情熱を持つ」とも言われています。*1

未だ及ばない頂点に対して悲観することはあれど、その中で輝く「真剣な情熱」という言葉は、まさにSaint Snowの2人を的確に表現していますね。

 

 

●吹雪のワルツ

ところでこの曲、テンポが独特ですよね。

イントロのダブルバスドラムと、理亞のラップパートを除いて、他のパートは三拍子の動きで進行しています。

※四拍子系は「ワンツースリーフォー」、や「いちに・いちに」という、1小節を4個に区切る音の並べ方をするのに対して、三拍子系は「ズンチャッチャ」という3分割の動きです。

激しいロックの中に優雅なワルツのイメージを持つ三拍子の動きが加わると、独特の浮遊感が曲の中に生まれ、激しさの中に柔和さが入り交じる複雑な感情を表現してきます。

その上で、途中最も激しいドラムの連打は四拍子で力強く、また理亞によるラップもそのテンポから「足を踏み外す」ことで切り取られたような世界観を演出しています。

 

SELF CONTROL!!を披露した時やその前の神田明神でのシーンには、彼女達の漲る自身やプライドといった強さが表現されていました。

しかしそこまで順調に勝ち進んだ中で本大会では8位という敗北(それも充分にすごいのですが)を味わい、世界の広さを知った2人にとって、それは"DROPOUT"とも言える衝撃として自尊心を盛大に傷つけられたのではないでしょうか。

2番のサビにある

痛みで Out of the world 胸が裂ける
こぼれ落ちた夢の欠片 ひろえば Out of the world
嘆きのあと いつか動きだせる だから顔上げて…

この部分は、負けた後の「次」を目指す気持ちとして、冬大会に臨む姿勢とそこに至る復活の姿を歌っているのだと思います。

そんな「まだ力は優勝には遠く及ばない」という苦悩を曲に表現した時、強烈な感情をダイレクトに打ち出せるラップのパートは特にその気持ちが表に出る部分であり、だからこそマイルドなニュアンスを含む三拍子のリズムからは独立させたのかなと考えることができます。

 

そういった複雑なテンポの中で歌声を踊らせる姿は、雪と聖良と理亞の三者が舞うワルツのようで、敵とも味方ともなる雪の存在が、その美しさと危うさを同時に表現しているようにも思えます。

(だからこそ難しいステップが導入され、本番でミスが出ることになるのかなとも思えますが、そこは曲の本質には関係しないため、掘り下げは行いません。)

 

 

●誰を呼びたいの?

理亞にとって、やはり姉は世界の全てで、スクールアイドル活動をする上で必要不可欠なものでした。本編ではルビィの活躍により、「新しいグループで頑張る」と決意を新たにしていますが、この段階ではやはり「姉と勝つため」活動している側面が大きいと思います。

SELF CONTROL!!で見せた力強い「聖良、Come on!!」の叫びには、「私の姉様はこんなにもすごいぞ」という誇りや自慢が見え隠れしていました。

彼女にとってCome on!!」と誰かを呼ぶことはある種「自分の限界を超えるために新たな道を探す救援の意味を持つ」、ということは第9話の記事で述べた通りです。

そして、この曲でも「聖良、Come on」が再び使われています。

 

ですが、前回のような自慢げな様子ではなく、今回は儚さと優しさを持った、丁寧な「Come on……」というニュアンスでした。

そこから続く聖良のパートは、ドラムが鳴り止みピアノ伴奏一本で歌声を聴かせる、孤高のソロパートです。

理亞が彼女に信頼を置き、決戦の場面で全てを託せる、そんな気持ちを込めて呼ぶ「Come on」の声には、きっと聖良も勇気をもらって歌い出せることでしょう。

抑えることなど できない力
持て余してるこの想い

普段、冷静に丁寧な口調で話す彼女が内に秘めた情熱。その想いがここで爆発しており、そこまでの演出も相まって最高に泣かせる落ちサビになっていると思います。

明日が描けない時も夢は 熱く蠢いてる

続く理亞のパートもその想いを受け継ぎ、燻る感情を存分に歌い上げていますね。

ここからのラスサビには強烈に気持ちが乗り、戻ってきたドラム伴奏の勢いとで歌声は非常に熱く、激しく踊ります。

誰を呼びたいの? 呼べばいいよ!

このメッセージには、聖良の「いつでも私を頼って下さい」という妹への祝福の想いが込められているのではないでしょうか。

 

そして、「聖良」と呼ぶ理亞の台詞について。

普段彼女は聖良のことを「姉様」と呼びますが、曲の中では強気に、もしくは慈愛を含ませて「聖良、Come on」と呼びますね。

下の名前で呼び合うことは、対等な関係の「仲間」として信頼している証。

ステージの上で、スクールアイドルでいるその瞬間は、姉妹という関係よりも「仲間」として姉に並び立ちたいという理亞の想いが表現されている素敵な台詞のように感じます。

 

 

●一瞬の静寂が魅せる光明

この曲で私が好きなポイントの1つに、アウトロの終わり方があります。

ラスサビ終了後から再びダブルバスドラムの強烈なビートが叩き付けられ、ワルツメロディの程よい安心感は吹雪の中に消えようとします。

ですが、イントロとは違う演出として、一瞬だけ存在する「間」

吹雪の夜に、風も雪も両方がふと止み、静寂と安寧が訪れる瞬間があります。

この曲を通して過酷な吹雪と戦い、諦めずに自分たちの輝きを失わず手を取り円舞曲を踊る姉妹の姿から、「次の可能性」が見えてきます。

その時、闇は晴れ、新たな光が見えるかもしれない。そんな光明が感じられるアウトロの一瞬の間は、厳しい曲調の中で最後に現れた救済の形なのではないかと思えてならないです。

 

ここまで魅力的で独特の世界観を持つSaint Snowのステージが途切れてしまっているのはとても残念なことではありますが、彼女達の持つ可能性はAqoursとの交わりの中で、新たな姿で喚び起こされました。

この曲の失敗の後に、「Awaken the power」を演奏するステージが持てたことは鹿角姉妹にとって本当の救済になったことを考えると、同じシングルCDの表題曲がAwaken the powerであることは喜ばしいことだと思います。

 

以上、「DROPOUT!?」を私なりに読み解いてみました。

彼女達がこの曲を完璧に演奏し、Aqoursと決勝で戦うという歴史も本当は少しだけ気になりますし、その時に彼女達が作る曲は、これを乗り越えたものになっているのではと想像すると切ないものですが、「Ah もしもは欲しくないのよ もっとが好き」と歌う先代に従い、ifを想像するよりも今ある全てを愛そうと思います。

解釈は無限にあると思いますので、これが全てではないですが、この曲が良い!と感じた人に取って、その良さを考える1つの手段として参考になる内容であれば良いと願います。

 

 

次回は、第12話挿入歌の考察記事でお会いしましょう。

 

 

 

 

●オマケ:Saint Snowの名前について

彼女達のことを考えた時に、曲とは関係ない部分でぼんやりと思い浮かんだことをメモっぽくまとめておきます。

Snow=雪=北国・冬のイメージ、及び海や夏のイメージが強いAqoursのライバルとしての位置づけ

Saint=聖良の「聖」、「函館聖泉女子高等学院」の学校名判明からは学校の名前を背負うという意味もあるのかなと考えていました。

理亞の「亜」には「次」とか「続くもの」という意味があるので、次女であることは勿論、聖良が抜けたSaint Snow(「聖」が抜けるため「Saint Snowは終わり」にもつながる)の「次のグループ」を継ぐものであるという役割。

雪は上から下へ降るものであり、μ'sのライバルであったA-RISE(昇りつめる者)とは対極のイメージ。「A-RISEとは全く違うライバル」と言われていた通り、ただ目の前に立ちはだかる壁の役割では終わらなかったですね。

 

以上、黒澤姉妹に負けないくらい魅力的な鹿角姉妹の、Saint Snow大好き記事でした。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

*1:引用:新版「音楽の理論」 門馬直美-箸 音楽之友社 より

イカロスの翼~太陽に近づき過ぎた男が灼かれて堕ちた話~

ギリシャ神話のエピソードの1つ、「イカロスの翼」。皆様はご存知でしょうか。

背景や設定を全て説明すると長いので要点だけ述べると、「鳥の羽根をロウで固めた翼で空を飛んだイカロスが、調子に乗って高く飛びすぎた結果太陽の熱で翼が溶け、落ちてしまった」というお話です。

身の程を弁えずにあまりにも高望みをする者への戒めとして引用されることが多いと思います。

 

 

まあそんなことはどうでも良いのです。

 

皆様こんばんは。十六夜まよです。

もうかなりの時間が経過し、需要はあるのか?とも思われますが、一度やってみたかったことなのでイベント参加レポなるものをやってみようと思います。

記憶の風化が激しいためトークパートのボリュームは少なめですが、音楽を語るこのブログのテーマに逆らわず、ライブパート感想多めで参ります。

 

 

●SAPPORO

来る12月9日・10日に行われた、ラブライブ!サンシャイン!! Aqoursクラブ活動 LIVE&FunMeeting~Landing action Yeah!!~」札幌公演に参加してきました。

地元から夜行バスに乗り、揺られること約5時間、到着した時にはまだ朝の5時半でした。

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バスから降りると丁度さっぽろテレビ塔が見えたので撮影した1枚。少しだけ雪も降りましたが、概ね晴れていて過ごしやすい気候でしたね。

久々の札幌でテンションが上がり、地下に潜ったり地上に出たりして散歩しているうちに会場のコトリニトリ文化ホールへ。勢いで物販の整理券配布待機列に並んでしまいましたが、今にして思えばあんなに無理する必要なかったですね。ひたすら寒い思いをしただけでした。慣れているとはいえ、-7℃の寒空の下2時間程度棒立ちは流石に冷えます。

あれだけ事前に「防寒しっかりね!」なんてドヤ顔で関東の人へ言っていた癖に、自分は持参したヒートテックを未装備のまま列に並ぶという舐めプ。

さむい!さむいです!ここにバカな道民がいます!!!

 

なにはともあれ物販も終わり、無事会場限定ブロマイドとルビィの生首を購入。

生首、ダイヤさんだけのつもりだったんですけど8話9話がエモすぎてやっぱり姉妹揃えたくなっちゃいました。オタクあるある。

ブロマイドは10枚中5枚が伊波杏樹さんという謎の推しっぷりを発揮して満足でした。サイン?そんなものあるんですかね?

 

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今回、地元ということでアオめがねさん(@aomegane0919)主催のスタンド企画にも参加させていただきました。

ツリーの形にまとめられた花と、それを彩るイルミネーション。そして9人……かと思いきや11人の可愛いポップ!

鹿角姉妹が採用されていたのは本当に嬉しかったですね。素敵な企画をありがとうございました。

 

 

●入場~開演

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宿で身を清め、荷物の準備をして再び会場へ。

ライブ前の雰囲気って好きなんですよね。なんかこう、血が冷たくなるっていうかさ……

これからすごいものが始まるぞ!っていう期待感と、ちょっとした緊張感と。興奮と謎の冷静さが入り交じった不思議な感覚を覚えながら、ペンライトの点灯確認をし、携帯電話の電源を切り、余分な荷物は鞄にしまい、タオルを取り出す。

何度も経験する直前の準備ですが、隣にいる人や目の前の景色、流れる音楽、会場の温度や匂い……そういった5感全てに感じるその瞬間、一期一会の空気を味わいながらドキドキが加速していく高揚感は、誰しもが味わったことのある心地良い緊張だと思います。そんなところも含めて、ライブイベントへの参加って、好きです。

 

そうこうしているうちにアナウンスが流れ、スピーカーからは聞き慣れた3人の声が。私が参加した初日は3年生、2日目夜は1年生による注意喚起でした。

1年生組のアナウンス、途中明らかに台本とは違うとちり方をしたルビィの声が聞こえ、「あ、やややっちゃったー!やっちゃったー!」と一瞬素に戻っていた降幡愛さんが最高に可愛かったことだけを覚えています。

 

ちなみにこれただの自慢なんですが、大変幸運なことに、初日は2列目ドセンターという素敵な席で参加させて頂くことができ、スクリーンを見ずともしっかりとメンバーの表情が見える場所にいることができました。眼福です。

 

そして、いよいよ客席が暗転し、夢の時間がスタートします……。

 

 

●OP~挨拶コーレス

まずは「Landing action Yeah!!」の1コーラス版に合わせて、Aqoursの登場です。

最初に目に入ったのは衣装。1年前、豊洲で初めてAqoursを生で観た時の、あの「ジングルベルが止まらない」の衣装です。
今回はセトリに入ってくるだろうと予想はしていましたが、衣装までこれで来るとは思っていませんでした。ケープでモコモコして見えるんですけど、その下の胴体部分がウエストに合わせてキュッと締めてあったり、実はノースリーブだったりと結構見どころの多い衣装だと思います。白と赤の色使いがTHE・冬!で、札幌の地で再びあの衣装を纏うAqoursと再会できたことには感謝しかありませんでした。

クリスマスミニライブの段階では下に「君のこころは輝いてるかい?」の衣装を着込んでいる早着替え対応版だったため細部がありませんでしたが、今回は完全版。素敵でしたね……。

曲の中、ひたすら観客席へ手を振ってくれるAqoursメンバー達。

散々言われていることではありますが、改めて

待ってるだけじゃ伝わらない だから……来たのさ!

という歌詞の素晴らしさを噛み締めて、生まれ育った北海道の地でAqoursを迎えることができたこと、「会いに来てくれた」ことに感謝しまくる瞬間でした。

 

恒例の挨拶では突如「したっけ!」(それじゃあね、的な別れの挨拶)と爆弾を投入する逢田さん(今年の目標は「知らない言葉を迂闊に使わない」)や、何故か「未来だべー!」とスタートする小林さん(高槻さんはそれを受けて膨れ面でした)等、北海道方言を取り入れてくれたコーレスが。ご当地イベントって感じがして良かったですよね。

毎度お馴染み諏訪さんのハグロシアンルーレットですが、札幌では安定の鈴木さんロックオンで、メインMCとなる鈴木さんを安心させようという彼女なりの紳士な気遣いが感じられてほっこりしました。

2日目はこの先で紹介されたさらなる「ご当地コーレス」が実際に使われ、会場は大いに盛り上がっていました。なまらイイ感じ!

 

Aqours MEETING

Aqoursが着席し、まずはおたよりのコーナー。

何例かご当地挨拶が紹介されましたが、個人的には「したからヨハネっしょ!」の後にツルッと滑る小林さんのアクションがコミカルで可愛かったです。

そして圧倒的存在感を発する「のぼりべつクマ牧場」のCMトーク

の・ぼ・り・べ・つ!と言えば、ク・マ・ぼ・く・じょ!*1……なんすよね。

www.youtube.com

鈴木愛奈さんはその後のラップパートまで歌っており、流石道民……となっていました。無駄に上手いのがまたあれでした。

画伯イラストのコーナーでは、初日が「自分のキャラが○○怪獣だったら」、2日目夜は「左隣の人のキャラを雪像にするとしたら」というテーマで、逢田さんがいつものように文明発掘していたのは良いのですが、降幡職人の相変わらずの画力に目を奪われっぱなしでした。飴くれぇ~であの凶悪な形相は反則です。
2日目夜、席順の関係で逢田さんがルビィを描くことになったのですが、それを受けて「えっマジで!?」とガチ困惑していた降幡さんも素敵でした。そんな降幡さんはダイヤお姉ちゃんの裸体(時間が足りなくて服が描けなかった)を書いていたのですが、透明感あるシンプルな美しさはまさしく雪像で造られた芸術作品という感じでしたね。

ちなみにさっぽろ雪まつりでは一般参加の枠も存在するので、我こそはという人は彼女達の描いた「雪像」の再現に挑戦してみては如何でしょうか?

 

●なりきりAqoursのやつ

コーナー名うろ覚えです……。

くじで決めたキャラを演じつつ、お題を達成するという所謂「演技のお時間」亜種。
初日は布団から出られない人を起こす、2日目夜は3人でのデート、でしたね。

個人的にはダブルでルビィを演じる伊波さんと降幡さん、そしてさらにルビィを演じる小宮さんの、それぞれの演技力が垣間見えるところはエンターテインメントだなぁと思いました。

伊波さんのルビィは目の前に本物のルビィがいるので忠実にそのトレースを行い、本当に2人ルビィがいるかのような感覚(若干やかましい)でしたし、一方小宮さんは一歩引いた及び腰で初期設定に近いルビィを再現しており、彼女なりの役の落とし込みが既に完了しているのだと感銘を受けました。

2日目夜のデートは伊波さんの演じる曜ちゃんの声色が完全に「渡辺曜」で、声優としての底知れないポテンシャルを感じる一幕でした。結局ツッコミ役に回ってしまうあたりも、リアルに曜ちゃんだったなぁと。

 

●褒めフェス

コーナー名は完全に違います。

回答者・鈴木愛奈さんの「良いところ」をメンバー皆に聞いた結果を公開し、途中で伏せられる部分を当てるというもの。これ冷静に考えると本当に恥ずかしいですよね……。「この子は自分のこういうところが好きなんだ」って思っているところを自分の口から言わせるって相当です。いいぞもっとやれ。

「歌が上手い」「笑い声が好き」「エビは虫」等の意見が上がる中で諏訪さんの回答が空欄に。

ここですわわ持ってくるあたり運営解ってるよなあ……と思いつつ、どんな答えだ?と想像していましたが、あいにゃの答えた「笑い方」「笑顔」「身長」「バカなところ」は悉く外れてこの時点で鈴木さんは恥ずかしさで撃沈。画面外で終始にっこにこの諏訪さんとの対比が愉快でしたね。

最終的に諏訪さんがビシっと「全部!」とキメて鈴木さん完全敗北。真っ赤でした。ついでに我々も撃沈。可愛すぎたんですよね……。

 

●利きハグ選手権

2日目夜はこれでした。大阪レポで見て、「ずるぅい!私だって利きハグ観たいのに!」ってなってたやつです。生で観られて良かった。

回答者は小宮さんで、本命は高槻さん。ダミーは逢田さんと降幡さんでした。

進行役の逢田さんが「じゃあ1人目のダミー……」と口走ってしまい、「ん、1人目はダミーなんだね」となる中、裏をかいて1人目に本命の高槻さんを投入する謎の高度な心理戦。いやズルいでしょ笑

身長で悟られないためにしゃがむ高槻さんと逢田さん、反対にめちゃくちゃ背伸びして頑張る降幡さんが本当に可愛かったです。

結局「2人目」と答え、結果は不正解。3人目が誰だったか、という話題に対し、「いい匂いがした」「めっちゃ背伸びしてたからちっちゃいやつだ!」と言いつつ最後まで降幡さんを当てられない小宮さんに「気付いてよお姉ちゃん!!!」と地団太を踏む降幡さんが最高にキュートで黒澤姉妹うわーいって感じでしたね。ありがとうございました。

トークコーナーの記憶はこんな感じでしょうか……。もっと色々「これ終わったらレポとして上げるぞ!」と思っていたことがたくさんあるはずなのですが、この後のライブパートと、お見送りで私の記憶は彼方に吹っ飛ぶのでした。

 

 

●ライブパート

「OP」

一旦捌けた後、いつものオープニングムービーに乗せて順に登場するAqoursの面々。

この登場時の各個人のダンスは1年前のクリスマスミニライブと同じだったように思えますが、指先までの感覚や表情、動きのキレなんかが格段にキリッとしており、数多の本番ステージを乗り越えてきた経験値の蓄積が伺えます。

登場順は千歌梨子果南ダイヤ善子花丸鞠莉ルビィと並ぶ、所謂「出席番号」順。ラブライブレードのデフォルト順でもあるので、この並びのものを1本用意しておくと色変えがスムーズです。

そしてメンバーが出揃い、1曲目のフォーメーションへ。中央に佇む伊波さんの表情が引き締まります。

 

未来の僕らは知ってるよ(TVsize)」

ホンキをぶつけ合って--

冒頭の千歌パートの始まる直前、覚悟を決めて吸い込む伊波さんのブレス音が大好きです。
CLUBReportの動画で、T-SPOOKの舞台直前の様子が映っていたものがあったのですが、その中で舞台に挑む伊波さんは、ずっと一人でこのフレーズを繰り返し練習し、呼吸を整えていました。
大切な曲の、大切な歌い出し。ソロという重圧がかかる中で高海千歌として歌声をコントロールしつつ、伸びやかなスタートを切る。これがどれほど大変であるかは、規模の違いはあれどステージを体験した者として少しは理解しているつもりです。

そんな緊張が感じ取れる僅かな間のブレスも束の間、歌い出した瞬間に彼女は本当に彩り豊かに、毎週何度も観ている"あの"ステージをその場に生み出すのです。

全員が加わって「未来を!」と歌い、イントロに入る頃には緊張感などどこぞへ吹っ飛び、周囲からは、勿論自分の喉からも「ハイ!ハイ!」といつもの2・4コール。

ライブだなぁ、と。始まったなぁ、と。少し遅れてやってきた肌のざわつきを抑えるように、初手から全力で声を上げました。

フルでの「I live! I live LOVELIVE days!!」は3rdツアーへの楽しみにしつつ、ラストの「We got dream!!」を高らかに会場全体で歌い上げ、次の曲へ。

 

「ジングルベルが止まらない」

高揚感と熱気を引き継いだまま、次の曲のイントロがかかると会場はさらにヒートアップ。1年ぶりにこの曲が帰ってきましたよ……!

衣装が完全版となっており、ダンスパフォーマンスも、歌声も1年前とは比べ物にならない完成度。曲の雰囲気に合わせて眩しすぎる笑顔をぶつけてくるAqoursのメンバーにつられて、きっと私も最高の笑顔でいられたと思います。

サビに入る直前の「Yeah!! Happy Christmas!!」で全員が中央に集まり、「皆もおいでよ」と言わんばかりに両手を広げたポーズで一瞬静止する、あのちょっとだけ「曲が緩む」感じ、たまらなく好きなんです。

大事なときはいつも 一緒に過ごしたいから

この大切なひとときを、同じ土地で、同じ空間で共有できる喜びは、ファンミーティングというイベントならではで……。サビの歌詞が沁みました。明るい曲なのに、ちょっと目が潤んでいたのを覚えています。

 

~MC~

給水しつつ、簡単なMCへ。2曲連続で演奏を終え、疲れているはずなのに、水を飲んだ途端にそそくさとセンターに戻り、リズムを作りながら身体を動かす斉藤さんが全身で「楽しい!」と言っていて、しゅかはしゅかなんだなーって思っていました。トーク中何かの話題で腕の筋肉見せてましたけど、あの人本当にアスリートなんだなぁって。体力おばけってやつです。

「ライブはまだまだ始まったばかりだよ!」という鈴木さんの号令で、ステージは次の曲の準備へと入ります。

 

「聖なる日の祈り」

こっちも来てくれるって信じていました。

それまでの熱狂とは一転、バラードとなり会場は優しい空気へと変わりますが、熱量そのものは冷めるどころか加熱を続けます。

じりじりとレガートに響くメロディラインと、豊かなコーラスパートとの掛け合いが見事なバランスで混ざり合い、3拍子系の心地良いリズム感と包み込まれるような暖かい曲調と合わさって、ホール全体が幸福の波動に包まれました。

Holy night 祈りのことば 
ふいに(ふいに) こぼれてきた
しあわせがキミと (キミと共に)
ありますように

Aqoursのライブの魅力は、コーラスパートもしっかり生歌で演奏してくれるところだと思っています。普通、こういう曲のコーラスは録音だったりするものですが、彼女達は当然のようにパート分けし、全パートを歌い上げます。

分かれるパートに対応して振り付けも分担され、サビの「Holy night」に1拍遅れて入るコーラスの「Holy night」を歌うメンバーは振り付けも1拍ズレてきます。

その折り重なる声とダンスの立体的な交差は、より響きに深みを持たせてくれました。

アニメ8話9話を視聴したタイミングでこの曲を聴けたことは私の感性をより豊かにしてくれましたし、9話のメッセージ性をさらに感じ取るきっかけとなりました。

優しい祈りと祝福は、今も胸に消えず残っている気がします。

 

 

「待ってて愛のうた」

待ってたよ、愛のうた。

何を隠そう、わたくし十六夜まよはこの曲が一番好きです

未だ恋へと辿り着かない無垢な少女たちの、恋に恋する未達のラブソング。

内浦の、決して都会とは言えない土地で、恋を知らない女子校の生徒たちが、教室で、屋上で、そして浜辺で口にする愛のうたとは。

この曲の背後に見え隠れする、大きな憧れと少しの不安と、秘めた情熱は、至上のバラードとなって私達の耳をくすぐります。

待っててくれるかい? もっとステキになりたいよ
恋はまだまだ 謎に満ちた遠くのパッション

今はまだ自分に早いと自覚しながら、確実に未来にはその気持ちを受け入れ、自分のものとする覚悟と決意。知らないながらもその片鱗を感じ取り、少女から大人の女性へと覚醒を遂げようとする、その直前の焦れったさ。

客席からステージへと響くハンドクラップは寄せて返す波のようで、微妙な乙女心を唄う彼女達の表情は、それでも遠くの期待を知る、美しくも儚い「女性」の顔でした。

降幡さんが以前、「待ってて愛のうたのソロパートがルビィからのスタートで、『愛』という単語で歌い出せるのが嬉しくて泣きそうになる」と語っていた記憶があります。

Cメロの連続ソロパートは私が一番好きな部分です。ここで情感豊かにソロを歌う彼女達は直に心を掴み、揺さぶってくるのです……。そんなの無理じゃないですか。

愛のうたの響きは
優しく悲しいんだね
なぜかは知らずに
ねえ胸が痛いよ
愛のうたの香りは
潮風より青くて
もっと確かめたい香りさ

降幡さんが、「愛」を紡ぎ始めます。この声色はルビィよりもきっと降幡愛本人に近くて、「愛のうたの響き」が感情と一緒にモロに乗っているのだと思います。冒頭、「あ」の前に少しだけ「ぅ」と入る閉口母音の処理がルビィらしくもありつつ、それでも特有の幼さが残らない、凛としたソロはやはり降幡さんの歌声なのかと。
次いで、小宮さんがその響きに優しくも悲しい色をつけ高槻さんがハッキリとした子音処理で明朗に受け渡しを行います
諏訪さんはそれを受け止め、切ない痛みを感じながら鈴木さんへリフレイン
再び名に「愛」を冠する鈴木さんが香りを朗々と歌い上げると、斉藤さんの素直でまっすぐな歌声が「潮風」の語とともに涼感を呼び最後となる小林さんはライブ特有の丁寧かつ大胆なダイナミクスでフレーズをぎゅっと抱き締める。「香り」を彼女が再び歌うのは、「愛香」の名前故でしょうか。

とにかくこのソロパートに、憧れと情熱と未知への不安と期待と……全ての感情が詰まっているように感じます。

生で聴けて、本当に良かった。

この後休憩となり、Aqoursは一旦下がるのですが、その間放心状態となり、気付けば次の曲が始まっていました。

 

 

青空Jumping Heart

事前に聞いていたセットリストとは既にパターンが大幅に変更されている状況で、予想できない次に飛び出してきたのは始まりのメロディでした。

思えばこの曲も1年前のクリスマスミニライブではTVsizeでの演奏で、それが今ではAqoursを代表する定番曲として、安定のパフォーマンスを見せているというのが感慨深いですよね。

夢をつかまえに行くよ どんなことが
起こるのか分からないのも 楽しみさ!

サビの最後、人差し指を前方に突き出してクイッと持ち上げるあの振りが大好きで、Aqoursに合わせて一緒に動いたりするのですが。

指を指した先に、彼女達は何を見据えるのか。1年前と今とで、観ている景色は違うのか、同じなのか。そんなことを思いながら彼女達の視線を想像すると、きっとそこにあるのはいつも変わらない、まばゆいサイリウムの光。

今年1年、様々な場面でこの曲を演奏してきたAqoursがこの光と一緒に成長を遂げてきたのだと思うとこみ上げるものがあり、途中から声が枯れていた気がします。

記憶が定かではないのですが、このあたりから視線は降幡愛さんに固定されていました。どうにもステージでぴょんぴょん動き回る彼女の一挙手一投足が気になって仕方なかったようです……。

 

 

君のこころは輝いてるかい?

青ジャン終了からの、円陣フォーメーション。うん、その並び方知ってます!

アニメ2期3話を通して新たな文脈が追加された、もう一つの始まりのメロディ

今…
みらい、変えてみたくなったよ!
だって僕たちはまだ 夢に気づいたばかり

ここで円陣の中央に向かって一人ひとりが手を伸ばしていく振り付け大好きなんです。Aqoursという存在そのものの、内なる「こころ」の方へ輝きを求めて伸ばす手が重なって1つになるような、「Aqoursが生まれる」、そんなイメージが走り抜けていく気がしています。

客席側も、一番多くの演奏の機会があった曲として、一糸乱れぬコールで応対します。

この曲の2番歌詞、

君はなんども 立ち上がれるかい?
胸に手をあて "Yes!!" と笑うんだよ

という部分、本当に好きなんですよね。倒れるような場面でも、何度も立ち上がって。胸に秘めたその輝きを握りしめ、そんな逆境でも「笑う」という不敵さ。

逆境の中で戦い続けるAqoursの根本の強さが光り輝いていて、本当に勇気をくれるフレーズだと思います。

そして落ちサビのちかりこソリ

この日のハーモニー、今までのどの演奏よりも2人の声が調和していたように感じました。
正直、本番で火がつくと伊波さん・逢田さんともに主張が強いタイプの発声へと切り替わっていく(それ自体は悪いことではない)ため、ライブ後半でのこの2人のソリは決まりにくいと思っていました。個人の技量が上がる度に完成が遠のくというのは残念だと思っていたのですが、今回、初めてと言っていいくらいに揃いました。

絆のユニゾン

イヤモニの存在のため互いの声が聴けない状態で、ハーモニーを揃えるためには互いを信頼するしかありません。普段の練習量もやはり多いのでしょう。だからこそ、本番で力が発揮される。きっとこの先も、2人のセンターは際限なく進化を続けるのでしょう。

この曲の真の完成は近いです。

 

 

「少女以上の恋がしたい」(投票による選択枠・1日目)

投票の中身はまさかの

恋になりたいAQUARIUM
HAPPY PARTY TRAIN
・SKY JOURNEY
・少女以上の恋がしたい

という、企画者潰しの残酷な選択肢。

散々悩みましたが、未だライブ音源では存在しない、"最後まで全員で歌う"「少女以上の恋がしたい」を生で聴けるという魅力には抗えなかったです。

この曲のパート分け、実はデュオトリオで分かれているため、デュオトリオ芸人*2である私はそういう観点からも外せませんでした。

結果は大正解。プレミアって言葉、大好きです

会いたいからきっと (次は)
触れたくなる (あなたは少年のまま?)
会いたいからきっと (次は)

最後のこのパート、まるまりこの3人が担当なんですけど、埼玉では「夏への扉」のためにこの3人が捌けていたわけです。今思うと大胆な演出ですよね。

逢田さん、高槻さん、鈴木さん、3人共がこの日1,2を争う伸びやかなソロを披露し、ずしっと踏みしめるような濃厚な響きを鼓膜に叩きつけてくれました。歌声に包まれる感覚はここのソロが一番強かったかもしれないです。

 

HAPPY PARTY TRAIN(投票による選択枠・2日目夜)

この日のお昼に恋アクが歌われたということで、空気を読んで実質2択でした。

SKY JOURNEYとも勿論迷ったのですが、単純にHPTが好きだったためこちらを選択。僅差で決選投票までいきましたが、結果この曲が選ばれました。

ソロパートの多いこの曲ですが、冒頭の諏訪さんの入りは活き活きと快活で、弾む気持ちが乗った最高の滑り出しでした。彼女なりに、この曲をモノにしてきているような気がします。
果南パートが決まると相乗効果で後続が一気に盛り上がるのがこの曲の特徴で、続く小林さんはライブ派の面目躍如と言わんばかりにガツガツと表現を膨らませ、勢いに乗ったまま高槻さんは相変わらずの美しい子音処理で列車を更に加速させてくれました。

この日はそれで終わりません。ファン企画の「果南レール」は恐らくしっかりと再現されたのでしょう(席が前方で後ろの様子がわからなかったです)。落ちサビの難しいところを歌う諏訪さんの声が、いつもよりも感情豊かに飛んでいた気がしました。テンションの高まりで歌声がさらに弾み上がり、それがまた観客のボルテージを高める、幸せな循環がそこにありました。

それはいわば幸福の蒸気機関。まさにHAPPY PARTY TRAINだったのではないでしょうか。

 

 

「Landing action Yeah!!」

そしてプログラムはテーマソングであり、最後の曲である「Landing action Yeah!!」へ。

合唱って、いいんですよ。声を重ねるというのは心を重ねるということです。響きを合わせるには、呼吸のそのタイミングを揃えて、ステージに立つ仲間と同じ目標へ向かって同時に吐き出すしかないんですよね。

メットライフドームのような広い会場ではなく、2000人規模の小さな箱だからこそ残響による音のズレは無く、全員の声を揃えることができたニトリ文化ホール。あの時、会場の2309人は、ステージ上とか客席とかいう垣根を超えて、ひとつの個として息が揃っていたように感じます。

サビに入ってからクラップのあと、「ここにおいで」の時に手招きする動作を上下に繰り返すところがありますが、Aqoursメンバーは人によってタイミングが違うんですね。誰かが上の時には、誰かが下に、互い違いに動くんです。
客席の我々は、それぞれの推しの動きに合わせる傾向がありますね。そうすると、会場も自然と互い違いに、呼吸を揃えながらバラバラの動きをするんです。

合唱だけでなくて、パート振り分けをしたダンスまで、一緒にできるというこの仕組み。ただのライブイベントではない、ファンミーティングって感じがして私は大好きです。

振りコピとか恥ずかしい……と思っているそこのあなた!次の機会では一緒にやってみませんか?

 

そんな本当に「楽しい!」雰囲気の中、終わりを迎えるイベント。心地良い疲労感と、周りの同志の満足げな顔とでなんとなく自然と笑顔になります。

荷物をしまい、コートを着て、ではさようなら。

 

とはならないのがファンミーティング。最後のイベントが待っていました

(以下、文体が乱れます。お見苦しい点がありましたら申し訳ありません。)

 

 

●太陽に近づきすぎた男が灼かれて堕ちた話

実を申しまして、わたくし、声優さんとの接近戦は今回が初めてでした。

そもそも地方に住むオタクがお渡し会や握手会的なライブ以外のイベントのために遠征している余裕は無いわけで、必然的に参加するイベントはライブ中心、他は自宅や職場で指を咥えて見ている。そういう人生だったのです。

そんな折にやってきたお見送り。噂ではかなりの近距離で、ちょっとした挨拶なんかもできるというではないですか。

直前まで、私は様々なことを考えていました。

「あんちゃんに感謝を伝えたい」

「あいにゃに同郷の喜びを伝えたい」

「黒澤姉妹推しとして、ふりりんとありしゃにオッレィ!してもらいたい」

「ありしゃにダイヤ推しであることを伝えたい」

「ふりりんにEnjoy!!」

「ありしゃにぶっぶーしてもらいたい」

「オッレィ」

「がんばルビィ」

「オッレィ」……

その全部が出来るわけもなく、なによりはちゃめちゃに緊張している状態で正常な思考ができるわけもなく。

規制退場のアナウンスに従って客席から通路に出て、誘導されるがままに壁に沿って進みます。

で、ふと見るとそこにAqoursがいるんですよ。どうやらAqoursは実在します

もう頭真っ白で、とりあえず引っ張り出した言葉が「ありがとう!」これが限界。

と、思ったところで、目の前にいた人が降幡さんに「がんばルビィ!」していて、彼女からもリアクションがあって。それを見た瞬間にガツンと現実に引き戻された感じがして、必死に斜め後方にいる降幡愛さんの方を向き、多分結構な声量で

「ふりりん、オッレィ!(ポーズつき)」

炸裂しました。

それを見た降幡さん、流れるような動作で「オッレィ!」ですよ。

天使はいました。黒澤姉妹推しの私にとって、生オッレィなんてもうこの上ない福音です。

(なんか後ろの方でその日連番だったラジオ塔さん(@llscfg)の「モルディブ行きましょう!」って声が聞こえていましたが、その時はそれどころではなかったです。)

かくして、地方オタクの小さな野望は最高の形で叶えられました。

そこで終わっておけば良かったんです

 

2日目、運良く壁際の列に入ることができ、Aqoursに近いルートを通ることになりました。

昨日は降幡さんだったし、今日は伊波さんだ!って、そう思っていたんです。

で、角を曲がってふとAqoursの方を見たら、目の前にちょうどいるんです、降幡愛さん

あ、本当に小さい……うわ可愛い……みたいなことが頭をよぎった気がしますが、今回はバッチリ目も合ってしまって、笑顔で「ありがとうございました!」って言った、気がします。

それ言い終わっても、まだ彼女、こっちを見てるんです。だったら……と繰り出したのが

「Enjoy!できました!」

の一言。それ見て降幡さん、満面の笑みで「Enjoy!!」ですもん。返してくれました。

天使はいました。その瞬間、Aqoursキャストの中で僕は彼女が一番すきなのだ、と実感しました。どうやら本当に好きになってしまったようでした。

 

12月10日の出来事のレポを、何故今書いているのか。

そもそも9話の記事が何故あそこまで遅くなったのか。

天高く舞い上がった私の精神は、天使にご挨拶できたほどでした、が。

太陽-サンシャイン-に近づきすぎたためにその翼は不死鳥の炎に溶かされ、堕ち、身を焦がす恋慕の炎に灼かれることとなったのでした。

割と本当にしばらく他のことが手につかず、ぼけっと降幡さんのことを考える日々を送っていたため社会復帰が遅れた次第であります。

 

今後、Aqoursのファンミに参加される皆様。

お見送りは危険です……存分に注意されたし。

 

以上で私のファンミ札幌参加レポとさせて頂きます。

だらだらと書き殴った長い文章に、付き合って頂きありがとうございました。

*1:クマボクジョー

*2:デュオトリオシングルの曲考察記事あります。読んでね!